暮らしの豆知識 part4
ボランティアの皆さん、がれき撤去作業の後は衣服の湿式除去を!
アスベスト編〜つづき2〜
まめ知識 アスベストの健康被害
(1)どうして発症する?
アスベストが原因の病気としては主に石綿肺・肺癌・中皮種等が有名です。
これは石綿粉塵を吸入する事により発症します。
医学的にまだ「ハッキリしたことは分からない」ようです。当組合では所属員に「人によっては微量の吸入で発症する事もありますが、基本的には大量に吸入することによって発症の確率が高まります。」と、「アスベストの吸入総量」が発症原因としての可能性が高いと伝えています。
欧米の疫学研究では、低濃度曝露(ばくろ)でもアスベスト関連の疾病リスクがあることや、喫煙との相互作用などがあると報告されいます。
*アスベスト ばく露 : アスベストの粉塵に晒されている状態を指します。
アスベストは病気の発症まで潜伏期間が長いのが特徴で、特に喫煙者の肺ガン発症率は「非アス・非喫煙」の人と比べ53倍も高くなるとアスベスト講習で教わりました。インターネットで検索しますと、
「アスベスト5倍」 → 「喫煙者10倍」 → 「アス+喫煙50倍」
とあり、アスベストと喫煙の組み合わせは相当に危険とされています。
(2)吸い込んだアスベストは除去できる?
吸い込んでしまったアスベストの一部は異物として痰のなかに混ざり、体外に排出されると言いますが、大量のアスベストを吸い込んだ場合や大きなアスベストは除去されずに肺内に蓄積されると言われています。
当組合で作業員に「大量吸引の危険」を強調している理由もこの説を重視したためです。厚生労働省の見解では
過去、石綿にばく露したことによる中皮腫や肺がんの発症を予防することについては現在有効な手段は明らかではありませんが、石綿を吸い込んだ方が全て中皮腫を発症するわけではありません。吸い込んだ石綿の量、期間、種類によって異なります。
とありますが、結局は「よくわからない」と言っているものと思われます。
またアスベスト関連の工場で働いていた人々の内、発症する者・しない者と、発症に個人差があり、発症の目安が不明であるにも関わらず、発症した労働者の家族は奥さんも子供も家族ぐるみでアスベストの被害にあってしまった事例があるようです。
これは労働環境が同一で、アスベストを吸った総量もほぼ同じであるにも関わらず、病気の発症には「個人差」がある。しかし発症した労働者の家族は家族全員が悪性中皮腫等の病気を発症してしまった事になります。
この発症の「個人差とは何か?」という点から検討して、当組合では「生活習慣」や「生活環境」そして「アスベストの自宅への持ち込み」が原因だろうと推測し、リフォーム工事の現場でアスベスト建材に関わってしまった場合は「吸わない」「持ち出さない」「家に入れない」に気を配っています。
(3)アスベストによる主な症例
石綿(アスベスト)肺
肺が線維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つです。肺の線維化を起こすものとしては石綿のほか、粉じん、薬品等多くの原因があげられますが、石綿のばく露によっておきた肺線維症を特に石綿肺とよんで区別しています。職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるといわれており、潜伏期間は15〜20年といわれております。アスベスト曝露をやめたあとでも進行することもあります。
肺がん
石綿が肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。
また、喫煙と深い関係にあることも知られています。
アスベストばく露から肺がん発症までに15〜40年の潜伏期間があり、ばく露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
悪性中皮腫
肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。
若い時期にアスベストを吸い込んだ方のほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。
潜伏期間は20〜50年といわれています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
( 厚生労働省アスベストQ&A 参照 )
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