平成18年第2回定例会 一般質問内容(詳細)

伊沢勝徳議員

次に,霞ヶ浦沿岸のレンコン産地の振興策についてお聞きします。
 レンコンは,節から節まで穴が通っており,見通しがよいことから,縁起物として扱われ,お正月のお節料理の食材としても有名でございます。
 また,現在,土浦市を初め,霞ヶ浦沿岸市町村の貴重な特産品となっておりますが,その歴史は古く,1800年代前半の江戸時代,天保年間に,土浦藩主土屋寅直侯がレンコン生産を普及させたという記録もございます。霞ヶ浦沿岸はレンコン栽培に適した土壌を有しており,こうした生産環境を背景に,本県の生産額は,全国一の89億円に上り,本県を代表する農産物の一つとして,農業経営のみならず,地域経済の発展にも寄与しております。
 土浦市は,栽培面積が約500ヘクタールと,県内一のレンコン産地でありますが,そのレンコンは,市場では品質もよく,好評を得ていると伺っております。また,いつの時期でも品質のよいレンコンを供給するための生産販売体制の強化などに取り組み,昨年12月に県青果物銘柄産地に指定されるとともに,レンコン生産も,ここ数年は,まずまず安定して推移していると伺っております。
 しかし,一方では,食生活や消費志向などの変化から,レンコンの消費量は減少傾向にあり,これが今後の生産にも影響するのではないかと懸念をしております。
 そもそもレンコンは,正月のお節料理の食材としてだけではなく,ビタミンCやカリウムを豊富に含んだ栄養価の高い健康食品として,四季を通じておいしく食べられるすぐれた食材であります。
 私は,ハンバーグに入れたり,サラダにして食べたりもしますが,レンコンのこうした魅力をさまざまな調理方法とあわせて消費者によくPRして,消費拡大を図る必要があると思います。また,消費者の志向などをとらえた生産も重要であると考えます。
 加えて,霞ヶ浦の水質浄化が好転しない中,レンコン栽培は,家庭から出る生活排水や市街地から流通する雨水排水などの負荷に比べれば,その絶対量は相当小さいものの,その水質に大きな影響を与えているようなイメージを持たれることもあります。こうした背景には,レンコン田の肥料の使用が,水田に比べ多いことなどがあると思いますが,生産段階における霞ヶ浦環境への負荷削減方策を確立し,この技術を産地に広げていくことも必要ではないかと考えます。
 そこで,こうした課題も踏まえ,全国一の霞ヶ浦沿岸のレンコン産地をどのように振興していくのか,農林水産部長にお伺いいたします。
 
 
 次に,農村地域の資源保全向上対策についてお伺いいたします。
 これまで,農村の用排水路や農業などの保全管理は,農家や集落全体が協力して,総出で草刈りや土砂払いなどを行ってきました。皆が汗をかく大変な作業ではありますが,こうした活動は,単に農業のためだけではなく,農村地域の生活環境や景観を良好に保つ重要な役割を果たしておりました。
 しかし,農村部の人口減少や農業従事者の減少,集落の高齢化が進む中,用排水路の草刈りや土砂払いなどに参加できる人が年々減っており,地域が一体となって共同作業を続けていくことが難しくなってきております。
 農地や集落付近の水路には,空き缶などのごみだけではなく,壊れた自転車から冷蔵庫に至るまで投棄されるケースや,水路に雑草がはびこり,子供の転落も心配されるケースなど,農業用水の確保や洪水時の排水対策に支障を来しているだけではなく,農村環境の悪化も懸念されるところでございます。
 こうした中,国は,昨年10月に発表した経営所得安定対策等大綱の中で,担い手に対象を絞った新たな経営安定対策と車の両輪となる地域振興対策として,農地・水・環境保全向上対策を打ち出し,その中で,農業者と非農家である地域住民などが一体となって行う用排水施設などの保全活動を促進していくこととしております。
 私は,地域共同のこうした活動をいま一度見詰め直し,農地や用排水路などの生産資源を地域が一体となって保全していくことが,元気で美しい農業・農村の維持,発展を図る上で大変重要であると考えております。
 そこで,今後,農村地域の資源保全向上対策にどのように取り組んでいくのか,農林水産部長にお伺いをいたします。


内畠 農林水産部長
 農業問題についてお答えをいたします。
 まず,霞ヶ浦沿岸のレンコン産地の振興策についてでございます。
 本県のレンコンは,土浦市を中心とする霞ヶ浦沿岸地域に1,600ヘクタールの作付があり,生産量,販売額ともに全国一の産地となってございます。
 この産地振興に当たりましては,霞ヶ浦沿岸9市町村,JA等で構成するいばらきれんこん広域銘柄化推進協議会との連携を強化しながら,消費者ニーズをとらえた生産・販売対策を推進してまいりたいと考えております。
 まず,生産面では,消費者ニーズに合った,食感や食味がよく生産性の高い品種の選定を進めますとともに,省力化のための掘り取り機,洗浄機の導入,周年出荷のためのハウスや鮮度保持に必要な保冷・製氷施設の整備に対し,引き続き支援をしてまいります。
 さらに,消費者の安全安心志向の高まりにこたえるために,生産履歴の記帳を進め,いばらき農産物ネットカタログを通じて,その情報の公開に努めてまいります。
 販売面におきましては,産地みずからが県内外の量販店等で行うPR活動等を支援しますとともに,県内での消費拡大を図るため学校給食への導入や,土浦市内のホテル,料理店などと連携し,レンコンのおいしさを知ってもらうための「れんこん料理フェア」を出荷最盛期を迎える前の毎年11月に開催しております。
 本年は,この「れんこん料理フェア」が10周年を迎えますことから,家庭向け料理の提案や加工品の展示など,内容をより充実させたイベントとして開催し,本県産レンコンをPRしてまいります。
 なお,霞ヶ浦環境への負荷軽減対策につきましては,これまで掘り取り時における泥水の流出防止対策等を進めてきたところでございますが,本年度より,霞ヶ浦流域市町村において化学肥料や化学農薬などを削減したレンコンのモデル的な実証栽培を行い,環境と調和したレンコン産地づくりを進めてまいります。
 今後とも,県といたしましては,レンコン産地と一体となって生産・販売対策を推進するとともに,幅広い消費拡大の取り組みを支援し,全国一の霞ヶ浦沿岸レンコン産地の維持,発展に努めてまいります。
 

 次に,農村地域の資源保全向上対策についてでございます。
 農地や農地周辺の水路等の生産資源は,農業生産の基盤であるとともに,自然環境の保全など多面的な機能を発揮するための基礎となるものであり,これまで農家を中心に維持,管理されてまいりました。
 しかしながら,議員御指摘のとおり,農村地域の高齢化や農家数の減少などによりまして,農家だけで用排水路等を適切に維持保全していくことが難しくなってきてございます。
 このような用排水路は,全国で延長約40万キロメートル,本県内だけでも1万キロメートル以上に達しており,今後,更新時期を迎える施設が大幅に増えていくことが予想されているところでございます。
 県といたしましては,生産基盤の保全管理が大変重要と考えており,平成19年度からの農地・水・環境保全向上対策の本格実施に先立ち,本年度は,試行的に県内11市の16地区でモデル的な活動を選定し,関係市長等地域の代表者で構成する資源保全地域協議会を県内4ブロックで立ち上げ,モデル地区への指導助言等を行うことといたしました。
 これらのモデル地区におきましては,土地改良区を中心に,農家や子供会,老人会等が地域の取り組みについて何度も話し合い,実践活動を始めたところでございます。
 主な活動内容といたしましては,地域が共同でため池や用排水路の草刈りや補修,泥上げ,道普請などを行うほか,子供たちが参加した空き缶拾いや水路敷への花の植栽,田んぼの生き物調査や蛍がすめる水路の保全活動等,さまざまな取り組みを行うこととしてございます。
 今後は,取り組み事例の発表を行うフォーラムを開催するなど,農家や地域住民等へ一層の施策の普及啓発を図り,地域が一体となった保全活動を県下全域に広めることにより,生産基盤や農村環境等の地域資源を将来にわたり良好な状態で引き継げるよう努めてまいります。

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