平成20年第4回定例会 一般質問内容(詳細)

伊沢勝徳議員

 最後に,大量退職期における警察官OBの活用について,警察本部長にお伺いいたします。
 最近の本県治安情勢を見ますと,刑法犯認知件数が5年連続して減少するなど犯罪件数そのものは減少しており,検挙率も向上するなど,犯罪の増加傾向に一定の歯どめがかかっております。
 しかし,本年3月には荒川沖駅,6月には秋葉原と立て続けに起きた無差別殺傷事件,そして先月には元厚生次官夫婦の殺害事件といった凶悪事件を初めとして,車上ねらいや自動車盗,空き巣などの窃盗犯,さらには振り込め詐欺など,私たち県民に不安を脅威を与える犯罪が依然として多発しております。
 警察官1人当たりの負担人口が全国平均を上回る本県では,多様化する業務に警察官が忙殺されているのが現状であり,人材不足解消が大きな課題でもあります。
 また,都市化や国際化の進展,住民意識の変化,道路交通網やITを初めとする通信技術の著しい発展などの影響により,犯罪も複雑・多様化してきており,それを取り締まる警察官のさらなる質の向上も求められます。
 そうした中,本県警察官は大量退職期に入り,今年度以降10年間で約1,500人の警察官が定年を迎えるこ
とになり,現在の警察官が約4,600人であることを考えると,本県の警察官全体のよそ3分の1が入れかわ
ることになります。犯罪が今後複雑・多様化していく中,これまでベテラン警察官が培ってきた経験や技術が大量に失われてしまうことは,とても残念なことだと思っております。私は,警察官OBの知識や技能をもっと活用し,これらに対応していくへきだと考えます。
 本県では現在,空き交番の解消や増大する相談業務への対応等のため,警察官OBを活用しておりますが,他県では交番数に対するOBの配置数が本県の倍のところもあり,現状ではその数はまだ十分ではありません。ついては,本県の警察官不足の解消とさらなる質の向上を図るため,今後どのように警察官OBの活用を図っていくのか,警察本部長にお伺いいたします。
 以上で質問を終わります。

小風 警察本部長 (答弁)

 大量退職期における警察官OBの活用についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり,県警察では,今後大規模な世代交代期に入りますことから,警察力を維持・向上させるため,豊富な経験と知識を有するOBの積極的な活用を図っているところであります。
 その1が,再任用制度の活用であります。高い技能と指導力を有する警察官を積極的に再任用し,警察力を維持するともに,若い世代への技能の伝承にも努めているところであります。
 その2は,非常期嘱託職員の活用であります。県警察では,OBを交番相談員,警察安全相談員,スクールサポーター等として活用しておりますが,これら職員は治安対策及び住民サービスに重要な役割を果たしております。
 県警察といたしましては,今後とも警察官OBの活用を図り,警察力の向上に努めてまいりたいと考えております。

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