平成20年第4回定例会 一般質問内容(詳細)

伊沢勝徳議員

 次に,安全で安心な水道供給の推進について,企業局長にお伺いいたします。
 昨年来の食品表示偽装問題に続き,本年は中国ギョーザから検出されたメタミドホスの問題,乳製品へのメラミン混入事件,事故米の不正転売事件,さらにはハム工場における地下水シアン化合物混入などさまざまな問題が次々に発生し,消費者の食にまつわる安全性への信頼は大きく揺らいでおります。
 本県議会でも「安全できる食の確保や提供等に関する調査特別委員会」が設置され,県民の安全・安心を確保する観点から重点的な審議がなされているところであります。そうした食の確保の中でも,日常生活で一時たりとも切らすことのできない最も基本的で身近なものは「水」であり,県民がいつでもどこでも安心して口にすることができる水道水の確保は,食の安全の大前提となるものであります。
 また,霞ヶ浦を水源としている県南地域の県民にとって,良質で安全な水道水の確保は,他の地域にも増してより関心の高い項目であり,私も霞ヶ浦の水を毎日飲んでいる流域住民の一人として,霞ヶ浦のさらなる水質浄化とともに,それを原水として水道用水を供給している企業局の果たす役割は非常に大きいものがあると考えます。常日ごろから原水の状況に応じた適切な浄水処理に努めるとともに,水の供給者として,水道水の安全に対する説明責任を果たすことが今まで以上に求められております。
 そうした中,企業局では現在,水質検査やその結果の信頼性を高めるための取り組みとして,新たな水質検査規格である「水道GLP」の認定取得に向け動き出したと聞いております。水道GLPとは,水質検査機関の品質管理能力と水質検査の技術力の双方が客観的に評価され,認定されるISOに準拠した日本独自の規格であります。企業局が水質検査をより徹底させ,これまでにも増して県民に信頼される安全な水道水を提供するためにも,早期の認定取得が待たれるところであります。
 ついては,霞ヶ浦の現在の水質状況を踏まえ,浄水施設の整備状況と,水質管理体制の充実にどのように取り組んでいくのか,水道GLPの認定取得の進捗状況を含め,企業局長にお伺いいたします。

渡邊 企業局長 (答弁)

 安全で安心な水道供給の推進についてお答えいたします。
 現在,企業局では,県内37市町村に1日当たり約37万トンの水道用水を供給しておりますが,そのうちの約半分は水源を霞ヶ浦に依存しております。このようなことからも,霞ヶ浦の水質浄化につきましては,喫緊の課題でありまして,現在,全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。
 まず,お尋ねの霞ヶ浦を水源とする浄化施設の整備状況ですが,通常の沈殿,ろ過施設に加え,より安全でおいしい水を供給するため,現状の水質に対応した高度浄化処理である活性炭処理や生物処理施設を導入しております。また,将来に向けたより高度な水処理についての調査や検討も行っております。
 次に,水質管理体制でございますが,専門知識を持っている化学職等の職員を各浄水場と水質管理センターに配置しまして,万全を期しております。
 水道水にするための処理工程ごとの毎日の基本的な検査につきましては,各浄水場で行っております。また,法令で定められている化学物質や重金属などの水質基準事項など,200以上に及ぶ項目の検査につきましては,水質管理センターで一元的に行っており,安全性を確認しております。今後ともその検査能力の向上に努めてまいります。
 水道GLP認定取得の進捗状況でございますが,既に7月に申請をいたしておりまして,現在,書類審査が受けておるところでございます。来月には現地審査が予定されておりますことから,年度内に認定いただけるものと考えております。この仕組みを取り入れることよりまして,水質の検査や管理能力の向上が期待できるとともに,県民の皆様方からの一層の信頼が得られるものと確信しております。
 今後とも安全で安心な水,おいしい水道用水の安定供給に努めてまいります。

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