平成20年第4回定例会 一般質問内容(詳細)

伊沢勝徳議員

 次に,少子高齢社会を支える人づくりの観点から幾つかお聞きしたいと思います。
 まず,新エンゼルプランの目標達成状況と今後の取り組みについて,保健福祉部長にお伺いいたします。
 近年,急速に少子化が進んでおり,これには未婚化・晩婚化・核家族化といった結婚や出産,子育てをめぐる環境の変化などさまざまな要因が上げられており,少子化が現在のペースで進めば,将来の社会・経済全般に深刻な影響を及ぼすことは言うまでもありません。
 これらを踏まえ,本県では平成16年度に策定した「新エンゼルプラン21」に基づき,少子化対策を推進しているところであり,一定の成果を上げている事業も少なくないと感じております。
 例えば,平成18年に開設したいばらき出会いサポートセンターでは,設立から2年余りで結婚組数が210
組を超えたとのことであり,大変好評であります。
 また,私自身,子育て世代ということで現在子育てに取り組んでおりますが,同じ子育て世代である友人や知人たちから,「いばらきキッズクラブカード」はいろいろなお店で使え,とても重宝しているとの声も聞いております。利用者の多いこのカードに,例えば事業の意義や子育て親への応援メッセージ等を入れることにより,よい啓発・PRになるのではないでしょうか。
 また,少子化対策の一環として,子守唄を活用した子育て支援を推進するため,県では「子守唄指導員」を育成しており,私の妻もこの講習会に参加させていただき,大変よい内容であったと感想を聞いております。今後も続けてほしい事業だと思いますが,その指導員が活躍できる場を提供していければ,より効果が上がるのではないでしょうか。
 そこで,こういった事業がますます県民に浸透し,より子育てが楽しく育てやすいものだと思えるような,少子化対策の拡充について,今申し上げた提案も踏まえ,保健福祉部長の御所見をまずお伺いいたします。
 一方,新エンゼルプランの計画期間10年のうち,前半5年が終了する平成21年度末までの目標として掲げた施策のうち,目標達成が難しいものも見受けられます。そこで,これまでの新エンゼルプランの目標達成状況について,保健福祉部長にお伺いいたします。
 また,この新エンゼルプランにつきましては,計画後半の5年間である平成22年度から27年度までの後期計画策定に向け,来年度に計画の見直し作業を始めるということでありますが,これまでの達成状況を踏まえ,今後どのように計画策定を進めていくのか,あわせてお伺いいたします。

山口 保健福祉部長 (答弁)

 新エンゼルプランの目標達成状況と今後の取り組みについてお答えいたします。
 まず,議員から御提案のありました,キッズクラブカードに事業の意義や親への応援メッセージを入れる件につきましては,子育て家庭を社会全体で応援する機運の醸成や,家族の大切さなどを普及する上で効果的であると考えられますことから,今後,実施について検討してまいります。
 次に,子守唄を活用した子育て支援事業につきましては,今年度,390名の子守唄指導員を育成し,これらの方々は,既に県内各地て普及活動を開始しております。
 今後は,子育て支援関係者との交流会などを開催し,子育ての楽しさなどについてみなで共有できるよう,事業の一層の充実を図ってまいります。
 次に,新エンゼルプラン21の前期計画の目標達成状況についてでございます。
 県におきましては,プランの進捗状況を明らかにするため,30の施策について数値目標を設定し,その進捗状況を毎年公表しております。
 19年度末における年次別の到達目標につきましては,「放課後児童クラブの推進」など10の施策が目標に達しております。「地域子育て支援センターの整備」など14の施策については,到達率が6割を超えております。一方,「保育所待機児童の解消」など3つの施策につきましては,到達率が5割を下回っておりますことから,今後進捗がおくれている要因などを分析し,事業主体である市町村などへのより積極的な働きかけてを行いながら,到達率の向上に努めてまいります。
 次に,後期計画の策定に当たりましては,まず,前期計画の数値目標の達成状況等について,市町村や関係団体等からの意見を十分斟酌し,評価・検証を行ってまいります。
 その上で,ワーク・ライフ・バランスの推進による結婚・子育てに関するイメージの向上や,保育等に関する多様なニーズへの対応,あるいは団塊の世代の活用による子育て支援など,新たな視点を加味してまいります。将来のいばらきを担う子供たちが健やかに生まれ,育まれる社会の実現に向け,きめ細やかな計画づくりを進めてまいたいと考えております。

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