白鳥沙羅のたわごと(自然に沿って生きていきたい)
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わら一本の革命 福岡正信






 






   わら一本の革命 / 福岡正信


こここ

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     ↓表題をクリック 「わら一本の革命」福岡正信著より
かまどの灰でさえ自然を破壊する 5 ////////
大発生したウンカはどこへ 6 ////////
手のひらの下には虫が200匹以上 7 ////////
畑に草を生やすなんてとんでもない! 8
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「福岡正信さんの本を読んで感じたこと、思ったことなど」について書いています。枠内は福岡正信さんの文章。


┃自然につて感じたこと、思ったこと

1

かまどの灰さえ自然破壊する

かまどの灰でさえも、それを一握りふることが、何万匹のクモを殺傷することになる。そして、そのクモの巣は、無残に破られてしまう。灰でさえもそれだけの破壊をしているわけなんですね。そういうことから言いますと、一つの農薬をふるというようなことが、単に、害虫であるウンカを殺し、天敵であるクモを殺すということだけでなくて、どんなに、自然の中で行われているドラマを破壊するかということに、気がつかなきゃいけないんです。

大きな畑を地域で借りて、そこで近所の人たちと家庭菜園をしたことがあります。皆は、普通の畑。わたしだけ、不耕起、無農薬、無肥料の畑。だから、皆の畑の中で家の畑だけが浮いた感じで‥。そんな時、知り合いの方から…「牛乳を使えば虫が殺せるよ。」というお勧めが。牛乳は飲み物だし、手軽で安全に野菜を守れるじゃないかって…普通はそう思うのですが‥。

でも、家の畑には色んな虫がたくさんいて…うまく命が循環していたから一種類の生き物が大量発生するということもなく…みんなすくすくと育ちました。私が意図的に虫を殺す必要なんてなかったんです。灰にしても、牛乳にしても…私たち人間には無害だから、使ってもいいと思うのですが‥。やはり人間中心の考えが自然のバランスを崩していくのだと‥この本から気づかされました。



2


大発生したウンカはどこへ

秋の末に、田に大発生していたウンカの大群が、忍術をつかったように一晩でいなくなる現象などまだ解っていないんです。どこで越年し、どこから飛来するのか、どこへ消えていくのか、まだ謎なのです。虫の専門家が知っている事実はほんのわずかなことです。

ある日、道端に生えていたラミーが一日にして虫に食べられて茎だけになった事がありました。散歩でいつも見ていたラミイ。生き生きと元気だったのに。毛虫の大量発生で、ラミーの無残な姿。

↓大量発生した毛虫          ↓無残なラミー       
         

近所の人にその事を話しました。しかし、そのことに気づいた人はだれもいませんでした。自分の畑の野菜には関心があっても、道端の雑草には関心がないのでしょう。あんなに無残だったラミーから新し葉っぱが出てきたのです。そして1週間程たつと元通りのラミーに…。

 
↓元に戻ったラミー


私たちは、先先に自然に手を出しているんじゃないかって…そう思ったのです。
もし、ラミイを農家の方が育てていたら…ラミイを食べた毛虫を殺虫剤で殺していたでしょうから。

ここの米麦が十俵以上ある、ことによると今年は愛媛県一になるかもしれません。十五表とれば、部分的には日本中探しても、これ以上の最多収量を得ているということは、ないかもしれない。県や農林省の試験場の人だって、来てみて、わかるんですよ。そういうような収量を得ている田圃が、科学を否定してできている事実は事実でしょ。

この田圃を見て、このわずかの、数反の田圃を材料にしても、この中を徹底的に追及していけば、自然と言うのがなんであるか、はたして人間が知ることができないのか、できるのか、人間の知恵の限界ということも、おのずからわかってくると思うんです。人間の知恵が、いかに小さいかということを知るために、科学的知識は役立つにすぎない、といったら皮肉になるのでしょうか‥

福岡正信さんのこの自然に対する真摯な態度。それがどうもお金が絡んだ世界になると‥伝わっていかない。自然に任せた方がずっといいということを目の前で見せられて、県や農林省の試験場の人たちがきて…分かったはずなのに。結局、研究者が解明しなければ…「わかった」とならないのですから‥。

話はそれますが‥私個人としては、お米も不自然な食べ物だと思っています。それは…

@種を撒いて収穫するまでに人の手を借りなければ、自然に実ることはできない。
A生では硬すぎて食べれない。
B火を使って軟らかくしてやっと食べられる。しかし、軟らかくて噛みごたえがない。


私たちは、火を使ったり、味付けをしたりすることで‥本来の食べ物を見失ったような気がします。私が本来の食べ物は何かと言われると‥ナッツや果物ではないかと思っています。その他、小さな魚や虫。人は生まれながらに木につかまれるほどの握力があるが、立って歩くのには1年も要する。そこから考えても、人間の食べ物は森にあったと思えてなりません。その森を畑で壊し、家を作るのに壊し、道路を作るのに壊し‥今やどこにも本来の森がありません。

先日森に行った時、思いました。木や草がこんなに生えているのに、虫も小動物もいない。食べ物を結ぶ木もほとんどない。なんだか変な世界のような気がしました。文明が与えた知恵が、私たちの本来の住処を失わせたのではないでしょうか。

   

3

手のひらの下には虫が200匹以上

麦刈の手を休めて腰を下ろしている時、私は青年たちに話しかけました。
「君たちが手をついている手のひらの下に、何匹ぐらい虫がいるか数えてみないかな」
皆、土に顔をつけ、目を皿のようにして数えだしました。

「手のひらの下、約十センチに、百匹ぐらいかな‥歩き廻るのでわからない」
「いや二百匹以上もいるよ、数えきれないよ‥驚いたな」

「どんな虫が‥」
「アリなんかだ」
「アリじゃないよ、こりゃクモの子だよ」
「ハリガネムシ、ゾウリムシ、トビムシ、ハサミムシ、アザミウマ、ウンカ等いろんな虫がいるだろうが、一番多いのは、クモの子だろう」

「すごい虫の数だな、‥隣の田はどうだろう、‥やっぱりきれいに田鋤きした田圃にはほとんどいない」

わたしが子供の頃は、虫がたくさんいました。原っぱに座りふと手をついた地面を見ると、たくさんの虫。この世で一番多い生き物は、虫だって…当時私は思っていました。ハエは、特に多く。部屋にも外にも…。網戸がなかったから、自由にハエは飛んでいました。たまにご飯の上にも止まって。でもあまりみんな神経質にならないで‥そのご飯食べていました。

なのに…。今、本当に少ないんです。驚きですね。
あのたくさんいたハエさえ見かけなくなったんですから。
先日、森に行った時銀ハエを見かけたんです。
なんだか、久しぶりにあった友って感じで‥うれしかった。


↓森で出会った銀バエ



この世界は、人間だけのものではない。虫も魚も鳥も動物もみんな囚われることなく、自由に自然の中で生きていける環境でなければ。身近だったメダカ。ホームセンターで見たときは‥涙が出ました。もうこんなところでしか会えないなんて!!
                   



4

畑に草を生やすなんてとんでもない! / ???

ごらんなさい。この大地と青空の下で、発散させている麦のこの強烈なエネルギーを。圧倒されるでしょう。反(十アール)あたり十俵以上できていますよ。この麦の足もとをかきわけてみてください。麦の足もとには、クローバーが生い茂り、ハコベやスズメノテッポウなどの雑草も、ちらほら混じって生えています。そしてそのクローバーの下には、昨秋ふりまいた稲わらが、よく腐熟した堆肥のようになっているでしょう。

麦があり草があり、堆肥があるから、いろんな虫が、うようよするほど生活できるのですよ。これが自然の姿です。

(中略)

私が30年ほど前、果樹園にクローバー草生をすることを奨めた頃、果樹園には、草一本ないのが普通で、畑に草を生やすなど、とんでもないと笑われた。その後クローバー草生は、私が期待したほど普及しなかったが、クローバーを播いているうちに、緑肥の中に雑草が生え、やがて雑草のなかでも果樹はできるものだとの理解が、おのずから定着した。

田圃も今にそうなりますよ。一年中米麦の中に緑肥(草)があっても、米麦がよくできればよいわけですから‥

自然に沿って生きていこうとすると、どうして人は軽蔑するのでしょう。私は、本当の足を取り戻そうと自動車を処分したら…周りの人から「貧乏人」と言われました。それでも…自分の考えを貫きましたが。自然農をしたときも‥。耕さなきゃダメ、草を抜きゃダメ…。肥料は窒素、リン酸、カリね。そんな畑じゃ話にならん。みたいなこと言われました。どうも、自然にそって生きていこうとすると‥馬鹿に見えるみたいで。

自然って私たちが思う以上に完成されたものだから‥自然に沿っていたら、あまり知恵も知識も不要なんですよね。馬鹿でいて構わないのが自然だと思います。だから自然の生き物はあれこれ人間みたいに考えなくて気楽なんですね。

                                                            



自然は、区切りがない世界。無限に大きくもあるが、無限に小さくもある世界だった。

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