平成17年第3回定例会 一般質問内容(詳細)

伊沢勝徳議員

  次に,学校間の連携を生かした特色ある教育について伺います。
 学校教育においては,これまで,教育課程,学習指導要領に基づき,全国画一的な教育が行われてきました。画一的な教育は,特に教育の機会均等が不十分なため,教育水準が必ずしも高くなかった時代においては非常に大きな意義があったと思います。しかし,国民の多くが豊かになり,国が最低限の教育機会均等を図り,最低限の水準が維持できるようになった今日においては,地域の実態,特性に応じた特色ある教育の提供が必要になってきていると考えます。
 現行の学習指導要領のもとでは,通常の50分の授業に対し,実験が必要な理科に関しては75分の授業を,日々の習熟が必要な英語に関しては毎日25分の授業が組めるなど,柔軟な時間割の作成が可能になったり,総合的な学習時間の新設により,これまでの教科の枠を超えた学習ができるようになるなど,各学校が創意工夫を生かした特色ある学校づくりができるようになりました。
 また,一方で,小学校と中学校,中学校と高等学校などの学校間の連携を生かした特色ある教育づくりについても,各地域で行われております。中高との連携については,平成10年の学校教育法の改正等により導入された中高一貫教育において,和歌山県の併設型一貫校のように,環境をテーマとした6年間の総合的な学習の時間を通して,自然科学や社会科学への興味,関心を持たせ,地球的な視野を持った人材の育成を図るなど,6年間の一貫した教育期間を生かし,特色ある教育課程を編成しておりますし,また,小中との連携についても,特区を利用することになりますが,品川区の例のように,従来の道徳,特別活動,総合学習を統合した市民科を設け,9年間を通し,継続して,規範意識や倫理観,社会性を身につけるための教育が行われるなど,学校間の連携を図ることにより特色ある教育が行われております。
 本県においても,既に,県立小瀬高校と地域の中学校において,いわゆる連携型の中高一貫教育が開始されておりますし,今年度から,幼稚園と小学校,小学校と中学校との連携による事業も開始されていると聞いております。
 そこで,今後の学校間の連携を生かした特色ある教育についてどのようにお考えか,教育長にお伺いをいたします。

川俣 教育長
 学校間の連携を生かした特色ある教育についてでございます。
 子供の成長,発達の連続性や学習の系統性などを考えますと,幼稚園,保育所,小学校,中学校,高等学校の各学校等が連携を図りながら,それぞれの機能を発揮し,発達段階に応じた指導を展開することが重要であると考えております。
 そのため,県としましては,学校間の連携を強めるため,幼児期から小学校にかけては,基本的な生活習慣の定着や社会性を育成することが重要であることから,幼稚園,保育所,小学校の教職員が連続性を持って指導できるよう,本年度から,共に育てる幼保小連携教育推進事業を,さらに,小学校や中学校の教員が9年間を見通して学習指導や生活指導ができるよう,共に進める小中連携教育推進事業を進めているところでございます。
 また中学校と高等学校が連携を図った中高一貫の教育を県立小瀬高等学校と地域の3つの中学校で進めており,例えばティーム・ティーチングなどの交流授業,部活動における合同練習,ふれあい合唱祭などの教育活動に取り組んでおります。
 この中高一貫教育校につきましては,引き続き,県立高等学校再編整備後期計画においても検討してまいりたいと考えております。
 県といたしましては,今後も,さまざまな取り組みを一層推進し,学校間の連携を図った特色ある教育の実践に努めてまいりたいというふうに考えております。

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