平成17年第3回定例会 一般質問内容(詳細)

伊沢勝徳議員

 次に,つくばエクスプレス開業を契機とした土浦・つくばの地域づくりと今後の公共交通のあり方について伺います。
 県民が待ち望んだつくばエクスプレスがこの8月に開業できましたことは,本県の新たな飛躍を象徴する出来事であります。つくばエクスプレスの開業により,首都圏とのアクセスが飛躍的に向上し,地域間交流がますます活発になり,産業の活性化に寄与するとともに,教育や文化,芸術等の幅広い分野にわたり交流が盛んに行われるなど,沿線地域を初め,県南地域全体の発展につながっていくものと大いに期待をしております。
 そうした中,昨年から,地元土浦市が,土浦市やつくば市などを対象地域に,つくばエクスプレスの開業を契機とした今後の地域づくりや交通体系の方向性を検討する調査を行い,本年3月に結果がまとまりました。土浦市とつくば市は県南地区の中核をなす都市であり,歴史と文化に恵まれた土浦市と,世界的な研究学園都市を有するつくば市の発展をあわせて押し進めていくことは,21世紀の元気な茨城づくりに欠かすことができないものであります。調査報告書の中で,つくばエクスプレス開業後の地域づくりについては,土浦市,つくば市の両市を核として,周辺地域との連携を高めることにより,地域資源を生かした一体的な地域づくりを進める方向性が示されております。
 一方,交通体系では,連携のまちづくりのシンボルとなる基幹的公共交通の導入が提案されております。具体的には,土浦駅とTXつくば駅を結ぶシャトルバスの運行の早期実現が提案されております。
 さらに,現時点では,整備費用や運営費用が大きいことから難しいが,長期的な視点に立ち,軌道系の輸送機関,路面電車の導入やつくばエクスプレスの土浦延伸も考えられるとされております。
 常々,私は,地域の将来のためには,バス輸送を超える土浦市とつくば市の連携の軸となる交通機関の整備が必要であると考えております。それにより,常磐線とつくばエクスプレスとの周回性を持たせることが可能となり,交流の一層の促進が図られることから,将来の実現化に向け,ぜひ前向きに検討を進めていく必要があると思っております。
 いずれにしましても,これら調査報告書の提案の実現化については,交通事業者や自治体,企業,地元住民等の積極的な協力,連携が不可欠であると考えておりますが,報告書の提案を踏まえ,つくばエクスプレスの開業を契機とした土浦・つくばの地域づくりと今後の公共交通のあり方について,県はどのように考えているのか,企画部長の御所見をお伺いいたします。

麦島 企画部長
 つくばエクスプレス開業を契機とした土浦・つくばの地域づくりと今後の公共交通のあり方についてお答えいたします。
 土浦市におきましては,昨年度,議員御指摘の調査報告書が取りまとめられましたが,県といたしましても,土浦市の持つ歴史や文化,つくば市の持つ科学技術の集積や国際性など,それぞれの個性を生かしながら,産業,商業などさまざまな面で機能の充実した一体的な地域づくりを進めることは重要であると考えてございます。
 このため,既に,研究開発の面においては,土浦市の企業と筑波大学等研究機関などとの連携によります共同研究が実施されておりますが,今後も,産業分野でのさまざまな連携の強化を促進してまいります。
 また,本年度,県と土浦市及びつくば市などで交流活性化実行委員会を設立し,つくば駅から霞ヶ浦周辺や土浦市の歴史的町並みをめぐる周遊バスを今月から試験運行することとしたところでございまして,本委員会などを活用しまして,交流の拡大を一層促進してまいります。
 さらに,土浦,つくばの交流を一層促進し,一体的な地域づくりを進めるためには,公共交通の役割も重要であると考えてございます。現在,土浦駅・つくばセンター間には,乗合バスが1日に130便,急行バスも18便ほど運行されておりますので,まずは地元市と連携しながら,これらのバス輸送について,利便性向上に努めてまいりますとともに,土浦市の調査報告書において提案されておりますシャトルバスの導入につきましては,一層の交流促進による利用者の確保やシャトル専用のバス車両確保などの課題がありますことから,地元市などの動向を見ながら,引き続き議論を詰めてまいりたいと考えております。
 なお,鉄道,軌道系の輸送機関の導入につきましては,交流の促進に取り組みつつ,それに伴います需要動向などを踏まえながら検討すべき今後の課題であると考えてございます。

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