平成17年第3回定例会 一般質問内容(詳細)

伊沢勝徳議員

 次に,霞ヶ浦環境科学センターの利用促進のための施策について伺います。
 霞ヶ浦環境科学センターは,人と自然の共生する環境の保全,創造への取り組みを行う総合的な拠点として,本年4月に,土浦市とかすみがうら市にまたがる地区にオープンいたしました。私は,地元住民の一人として,このようなすばらしい施設を地元土浦市に設置していただいたことに感謝の念を持っております。
 幸い,4月のオープン以降,9月末までの来館者数が延べ約4万5,000人になるなど,その利用状況は順調であると言えます。また,センターが持つ4つの機能のうち,調査研究,技術開発,市民活動との連携・支援,情報・交流の機能につきましては,私もその団体の一員として活動に参加させていただきましたが,地域の環境ボランティア団体の方々や研究に従事する方々の評判はよいと聞いております。しかし,主にそれ以外の一般の方々のお話を聞きますと,環境科学センターには一度行けばもういいという意見も耳にいたします。
 私は,環境科学センターが,人と自然の共生する環境の保全,創造への取り組みを行う総合的な拠点であることから,また,厳しい財政事情にもかかわらず整備した施設であることからも,環境科学センターを多くの人に何度でも訪れていただけるような施設にするべきだと考えております。
 そのためには,まず,環境科学センターの施設そのものをさらに魅力的にする必要があります。現在の展示施設や住民の自主的な学習の場の提供だけでは,何度でも訪れたくなるような施設としては魅力が足りないと考えます。
 そこで,私は,当初の計画にあった実験実証フィールド,生態観察園などを中心とした湖岸部の野外フィールドや霞ヶ浦の自然に直接触れながら環境学習が行える施設等の早期の整備が必要であると考えます。それにより,環境科学センターと一体となって,霞ヶ浦の水辺や霞ヶ浦のすばらしい景観などに間近で触れ合うことができ,その触れ合いを通し,環境学習を実地に学ぶことができるようになるからであります。さらに重要なのは,人工的な展示施設と異なり,自然を生かした施設は人々に憩いと自然との触れ合いの場を提供し,人々に何度でも訪れたくなるような気持ちを持たせることができます。また,センターが霞ヶ浦湖岸の近接地に立地するという条件を最大限に生かすためにも,湖岸部の整備がぜひ必要だと考えます。
 現在,湖岸部では,自然再生法に基づく再生事業が進められていますが,それを踏まえ,環境科学センターの湖岸部の野外フィールド等の整備計画の現状と今後の見通しについて,生活環境部長にお伺いいたします。
 

高橋 生活環境部長
 次に,霞ヶ浦環境科学センターの湖岸部整備計画の現状と今後の見通しについてお答えいたします。
 霞ヶ浦環境科学センターは,単に展示物や施設を見ていただくだけにとどまらず,センターでの体験をきっかけに,家庭や地域,さらには職場において,水質浄化の実践活動に取り組んでいただくことを目的としております。
 そのため,センターの顕微鏡やOHP,ビデオ等の機材を利用しての環境学習や,交流サロン,多目的ホールにおいての市民活動などを展開しているところでございます。
 また,センターは,国や民間の研究機関と連携し,水質汚濁メカニズムの解明を初め,霞ヶ浦の諸課題の解決のための調査研究にも取り組んでいるところでございます。
 今後,センターの機能を充実するためには,霞ヶ浦の水や自然に直接触れながら,野外での浄化実験やその効果を検証,体験のできる野外フィールドの整備についても,検討する必要があると考えております。
 野外フィールドは,センターの基本構想等に位置づけておりまして,霞ヶ浦の湖岸に広がるハス田の部分に想定されております。現在,この湖岸部には,これまで以上に多様な動植物が生育,生息できる湖岸帯の保全,再生について,国,県,地元市民などで構成する協議会で検討されているところでございます。また,この地域は,霞ヶ浦自転車道の通るところであり,地元土浦市においても,霞ヶ浦環境科学センターを核とした地域の活性化を図るための検討がなされていると聞いております。
 県といたしましては,これらの状況を見きわめつつ,国や地元市とも協議しながら,野外フィールドの整備のあり方について検討してまいりたいと考えております。
伊沢勝徳議員
 次に,多くの人に何度でも訪れていただく施設づくりのためには,環境科学センターを環境保全,環境学習等の施設としてだけではなく,観光施設としてもとらえ,霞ヶ浦のほかの観光施設と連携を図っていくことも必要だと考えます。
 私は,環境科学センターに訪れた人が霞ヶ浦のすばらしさに触れていただくだけではなく,逆に,観光として霞ヶ浦を訪れた人にセンターの存在を知ってもらい,霞ヶ浦とともに環境保全にも興味を持っていただきたいと考えております。
 前回,私は,霞ヶ浦を拠点に,関連するさまざまな施設を利活用する観光ネットワークづくりについて質問いたしました。その際,地域の隠れた観光資源の掘り起こしやテーマを持った魅力的な観光の仕掛けづくりを行っていく,いばらきプロデュース事業において,エコツーリズムをテーマにした霞ヶ浦の周遊コースの設定など,霞ヶ浦の特徴を生かした新たな観光ネットワークの構築を検討していくとの答弁をいただきました。私は,環境科学センターはまさに隠れた観光資源であり,エコツーリズムのテーマには最適な施設だと考えます。
 そこで,環境科学センターに多くの人が何度でも訪れていただく施設づくりのために,環境科学センターを観光施設としてとらえ,霞ヶ浦のほかの観光施設とどのように連携を図っていくのか,商工労働部長にお伺いいたします。

土田 商工労働部長
 環境科学センターと周辺の観光施設との連携についてお答えいたします。
 近年,環境を理解したり,環境保全に取り組む気持ちをはぐくむエコツーリズムが注目されてきておりますので,身近な環境の問題に,子供からお年寄りまでが楽しみながら知識を深めることができます霞ヶ浦環境科学センターは,エコツーリズムに活用できる施設になるのではないかと考えております。
 今後,エコツーリズムなどをテーマとした広域観光を推進する中で,環境科学センターを霞ヶ浦総合公園や湖岸の植生,湖上遊覧,さらには,霞ヶ浦自転車道や霞ヶ浦ふれあいランドなどの施設と組み合わせた周遊コースやウォーキングなどを企画し,関係機関とも連携しながら実施してまいりたいと考えております。
 また,土浦のまちかど蔵や観光帆引き船,果樹狩りなどを組み合わせた観光プランを企画,実施しておりますので,このプランに環境科学センターを加えるなどして,お客様の多様なニーズにこたえながら,環境科学センターへの来訪促進にも努めてまいりたいと考えております。

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