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平成16年第1回定例会 一般質問内容(詳細)![]() |
伊沢勝徳議員 |
霞ケ浦の観光利用について、商工労働部長にお伺いいたします。 霞ケ浦は、常陸国風土記に 「海は青く漂い、陸は霞たなびきて、国そのなかにあり」 と、うたわれたように、古くから、多くの恵みを地域にもたらしてきました。同時に、筑波山とともに、郷土茨城を代表する景観ともなっております。 しかしながら、元気な霞ケ浦がクローズアップされることは少なく、必ずしもその存在感を十分に発揮しているとは言いがたい状況にあります。 また、全国第2位の面積を誇りながら、琵琶湖はもちろんのこと、県内の他の観光地と比べても、霞ケ浦の観光への利用が十分ではないのではないかというお話もよく耳にいたします。 本県がその魅力を内外に力強くアピールするためにも、霞ケ浦を優れた観光資源と位置づけ、その利活用を図っていくことが今後必要なのではないでしょうか。 21世紀は、人、物、情報が地球的な規模で行き交う「大交流の時代」であります。今、国をあげて、来日観光客の大幅増をねらった「ビジットジャパン計画」が進められておりますが、本県においても、伸び悩む観光客数に歯止めをかけ、観光いばらきを推進するためにも、霞ケ浦など地域のすぐれた観光資源のネットワーク化を図り、自然や食、地域文化などを組み合わせた観光拠点をつくることが重要であると思っております。 私は、霞ケ浦を望む土浦に生まれ、朝な夕なに湖を見て育ちました。 また、湖水浴場で水遊びをし、雄大な帆引き舟が往来する様を間近に見たことをなつかしく思い出す、こうしたお話もよく耳にいたします。 土浦を初め、周辺に暮らす多くの方々が、こうした霞ケ浦の姿に郷愁をおぼえ、いま一度大勢の人で賑わう霞ケ浦が蘇ることを願っているのではないでしょうか。 幸い、霞ケ浦の周辺には多くの観光資源があります。例えば土浦には、花でいっぱいの霞ケ浦総合公園、お隣の霞ヶ浦町には郷土資料館や水族館、玉造町には霞ケ浦ふれあいランド、麻生町には天王崎公園、潮来市にはあやめ園など、観光スポットが、湖岸沿いを囲んで整備されております。 また、土浦港にはヨットハーバーや観光帆引き船の発着場のほか、霞ケ浦を遊覧する船の寄港地もあります。 さらに、平成17年春には、土浦市と霞ケ浦町の接点に、(仮称)霞ケ浦環境センターのオープンが予定されております。このセンターは、@調査研究・技術開発 A環境学習 B市民活動との連携・支援 C交流・情報という機能を併せ持つ施設であり、その中に展示や交流のスペースを備え、施設の前浜の整備と併せた観光面での活用として、例えば湖沼全体を環境学習のフィールドとして、船を使い、風や水を肌で感じながら環境を考える観光、いわゆるエコツーリズムの拠点としての役割も期待されるところであります。 霞ケ浦とその周辺の様々な施設とのネットワーク化を図り、周遊型の観光拠点として霞ケ浦の利活用を図るためには、船を利用した湖内の遊覧、湖の周辺を周遊する施設巡り、更には、旧い街並みの残る土浦市内散策とのセットコースなど、様々な観光ルートが考えられます。 現在、地域の再生がクローズアップされておりますが、観光をキーワードにした地域の再生も効果的であり、霞ケ浦を利活用した魅力あふれる観光拠点づくりが、土浦をはじめ周辺地域の再生に大きく貢献するのではないでしょうか。 そこで、霞ケ浦を拠点に、関連する様々な施設を利活用する観光ネットワークづくりについて、今後どのように取り組むのか、お伺いいたします。 |
滝本商工労働部長 |
次に、霞ヶ浦の観光利用についてお答えいたします。 霞ヶ浦周辺には多くの観光資源があり、霞ヶ浦環境センターや周囲をめぐるサイクリング道路など、新たな施設の整備も進んでいるところでございます。都心から近く、年間約600万人の観光客が霞ヶ浦周辺市町村に訪れているところですが、さらに、周遊性を高め,滞在時間の延長を図り、当地域の魅力を伝えていくことが重要であると考えております。 県では、これまでも、霞ヶ浦遊覧や観光帆引き船、霞ヶ浦総合公園などの観光資源を結びつけた周遊観光を、JRと提携した周遊体験型旅行であるワンデープランや、上野駅、品川駅、川崎駅などにおける街頭キャンペーン等においてPRをしてまいりました。 しかしながら、さらなる周遊性向上のためには、市町村の枠を超えて、地域が主体となった広域的な連携と観光宣伝への取り組みが不可欠でございます。 このような観点から、今年度、広域ブロック観光宣伝支援事業を創設いたしまして、市町村や観光施設が広域的に連携して実施する宣伝活動などに対し、支援を行っているところでございます。 この制度をもとに、市町村及び観光関連事業者の広域連携を呼びかけ、霞ヶ浦周辺の周遊観光を促進する体制づくりを行ってまいりたいと考えております。 また、今年度から、地域の隠れた観光資源の掘り起こしや、テーマ性を持った魅力的な観光の仕掛けづくりを行っていくため、県内外の専門家、有識者の協力を得て、市町村や観光関連事業者等と一体となり、茨城プロデュース事業を実施しております。 今後、当事業において、エコツーリズムをテーマにした霞ヶ浦の周遊コースの設定など、霞ヶ浦の特徴を生かした新たな観光ネットワークを構築できないか、関係者とともに検討してまいりたいと考えます。 |