平成16年第1回定例会 一般質問内容(詳細)

伊沢勝徳議員

(質問前に)
 自由民主党の伊沢勝徳でございます。
 この度、歴史ある茨城県議会において、初めて登壇の機会を頂きました。
 本日を迎えるにあたり、日頃お世話になっております地元の皆様を初め、ご指導ご助言を頂きました、諸先輩、同僚議員の皆様に、改めて感謝と御礼を申し上げる次第でございます。
 「Boys, be ambitious」 「青年よ大志を抱け」
かのクラーク博士の言葉であります。私も大好きな言葉でございます。次の時代を担う世代の一員として、大きな志を抱きながら、青年らしく、元気よく、質問をさせていただきます。
 知事初め執行部の皆様には、夢のある御答弁を、お願い致します。
 それでは、質問に入ります。

(質問) 
 私が県議会議員となりまして、早いもの2年目に入りました。この間、私は、多くの県民の方々にお会いし、郷土茨城の将来について、ひざを交えて話し合ってまいりました。
 その中で痛切に感じることは、1つには、多くの県民は将来に大きな不安を抱いているということであり、2つには、県からの様々なメッセージが、必ずしも身近なものとして伝わっていないということであります。
 我が国は、昨今のデジタル景気や中国を初めとしたアジアへの好調な輸出を背景として、2003年10月から、12月期のGDPが、年率換算で7%伸びるなど、「民間設備投資と輸出」という2つのエンジンの加速により、バブル以来の高成長となり、経済情勢において明るい光が見え始めてまいりました。
 しかしながら、雇用や所得環境の好転には十分に結びついておらず、また、中小企業においては、依然として厳しい状況にあります。加えて、社会保障問題への懸念などにより、先行きへの不安はぬぐい切れず、社会全体には未だ閉塞感が漂っております。
 政府においても、現在進めている構造改革の先にある、我が国の将来の姿を、明確に描き切れていない状況にあると思います。
 こういった中にあって、地方自治体も、巨額の財源不足を抱えるなど、昨今の厳しい財政状況の中で、四苦八苦の行財政運営を余儀なくされております。
 知事の御苦労もさぞかし大きいものと推察するところであります。
 しかし、私は、こういう混沌とした時期だからこそ、むしろ、県民と県とを身近なものにするチャンスなのではないかと思うのであります。
 国立社会保障・人口問題研究所によりますと、2005年をピークとして、我が国の人口は減少に転じ、本県の人口も減少していくと予測されております。
 人口の減少により、活力の低下が懸念されるのは無論のことでありますが、こうしたことによる税収への影響も大きいものがあると思われます。
 「人が減る、金が減る」という時代は、これまでの右肩上がりの時代からすれば、大変大きな問題でありますが、避けては通れない事実でもあり、こういった時代に対応した、きめ細かな施策を、進めていかなければなりません。
 そして、また、地方分権が叫ばれて久しいわけでありますが、真の分権社会を築き上げるためには、既定の概念にとらわれることのない新たな発想が求められることでありましょう。
 つまり、これまでとは違った新しい茨城の姿を描く時期に来ているわけであり、知事がしっかりとした羅針盤を持って、明日の茨城の方向を明らかにしていく必要があり、特に若者の心に響くような力強いメッセージを送る必要があると思うのであります。次の時代を担う若者は、かけがえのない財産であり、若者が茨城に誇りと魅力を感ずるような茨城づくりを進めていくことが大切であります。
 地方分権は、地方が自らの課題を自らの責任において解決する体制を構築することを主旨とするものであります。しかし、別の見方をすれば、地域間の競争と差別化を進めることでもあります。
 茨城がこの競争に敗れ、若者が茨城から出て行ってしまう、こうしたことになっては、決してならないのであります。
 知事がよく言われるように、「茨城に生まれてよかった、住んでよかった」と、次の時代を担う若者が実感できるような郷土づくりを進めていかなければなりません。
 県の基本方向を示す現在の長期総合計画は平成17年度までの計画となっており、県においては、新たな計画の策定に向け準備を進めているものと思われます。具体的な施策については、新しい計画の中に織り込まれることと思いますが、是非とも若者への力強いメッセージとなるような、素晴らしい計画を作っていただくことを願うものであります。
 また、県域テレビが、NHKの地上デジタル放送で、本年10月から開始される予定でありますが、若者へのメッセージを伝える有効な手段として、十分活用していただきたいと思うのであります。
 そこで、若者へのメッセージとなる茨城の将来像についてどのようにお考えなのか、所見をお伺いいたします。

橋本知事
 伊沢勝徳議員の御質問にお答えいたします。
 若者へのメッセージとなる茨城の将来像についてのお尋ねでございます。
 我が国は,これまでに経験したことのない少子・高齢社会の到来や急速なグローバル化の進展によって、社会の活力低下が懸念されておるところでございます。
 一方、本県は、水や緑といった豊かな自然と、温暖で平たんな大地が広がり、首都圏の一角に位置し、陸、海、空の広域交通網や情報通信網の整備が着実に進み、高度な科学技術や多彩な産業が集積するなど、全国や世界に誇れる多くの地域資源に恵まれており、未来に向け、限りない発展可能性にあふれた県、そして、取り組み方次第で多くの夢がかなう県であると考えております。
 こうした潜在的な力を県民が一体となって最大限に発揮していければ、茨城は、人、物、情報が活発に行き交う、世界をリードする産業拠点となれると同時に、だれもがゆとりや潤いを実感しながら、豊かな生活を送ることができる住みよい県となり、内外からうらやまれる、全国有数の地域になっていけるものと確信しております。
 エネルギーの8割、食料の6割を外国に依存している日本が、21世紀に豊かな生活を維持していくためには、科学技術創造立国が極めて大切になってまいります。
 そのような中で,茨城は,つくば,東海・日立の知的特区制度などの活用により,その中心的な役割を果たしていける,言葉をかえれば,日本人の豊かな生活を支えていける県になり得るものと考えております。茨城県というキャンバスは,いまだ空白部分が多く,若者が思い切って絵を描ける状況にございます。そして,そのすばらしい将来像を実現するためには,ここ20,30年ぐらいの間に,いかに茨城を発展させることができるかが大きなかぎになってまいります。
 すなわち,明るい茨城の姿を現実のものとできるかどうかは,今の若い世代の皆さんの活躍にかかっていると言っても過言ではないものと考えております。若者の皆さんには,茨城の限りない発展可能性と輝く未来に自信を持ち,自分たちが新しい茨城をつくるのだという意気込みのもとで,存分に力を発揮して,この郷土を大きく飛躍させてくれることを期待しております。
 私も,地上デジタル県域放送などを活用した,県民の皆さんへの情報発信やさまざまな機会を活用した若者との対話などを通じ,多くの方々と力を合わせて,21世紀が茨城の時代となるよう,全力で取り組んでまいりたいと存じます。

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