平成16年第1回定例会 一般質問内容(詳細)

伊沢勝徳議員
 つくばエクスプレスの土浦延伸について、企画部長にお伺いいたします。
 首都圏を結ぶ新たな交通機関として期待されるつくばエクスプレスにつきましては、来年秋の開業に向け、着々と準備が進められております。昨年、車両の一般公開が行われ、また県内の6つの駅名が決定されました。工事も順調に進んでいると伺っております。さらには、本年には、時速130キロでの試験走行が行われるとのことであり、いよいよ実現に向け、拍車がかかってきたという感を深くいたします。
 県及び関係者の方々には、計画通りの開業に向け、今後ともなお一層のご尽力をお願いする次第であります。
 しかし私は、エクスプレスの終着駅が「つくば」であることは、非常にもったいないという気がしております。つくばエクスプレスの有する重要な役割は、何といっても、首都圏との通勤・通学の足としての機能であります。つくばと秋葉原とを45分で直結するということ、また、東京駅までの延伸が、運輸政策審議会の答申において「今後、整備について検討すべき」と位置付けられていることなどから、伊奈・谷和原丘陵部地区を始めとした沿線地域は、いわば「東京のベッドタウン」として発展するだろうと思われます。
 しかし、私は、もっと大局的な見地から、つくばエクスプレスの役割を考えるべきであると思うのであります。今のままでは、朝夕は通勤・通学者で賑わうことでしょうが、昼間はガラガラといったことも懸念されます。
 そこで、私は、今の段階から、つくばエクスプレスの将来を真剣に考え、延伸についての議論を始める必要があると思います。
 その延伸の方向として、土浦、そしてゆくゆくは百里飛行場までを提案したいのであります。土浦とつくばは、県南地域の中核をなす都市であります。歴史と文化に恵まれた土浦市と、日本の頭脳とも言うべき、研究学園都市を擁するつくば市の発展を進めることは、21世紀の茨城づくりに欠かすことはできません。そのためには、両市の有機的な連携を強めていくことが重要であると考えます。お互いの良いところを融合することによって、その効果が二重にも三重にも波及していくと思うのであります。
 そして、将来的には本県最大の中核都市となる大合併という話も現実味を帯びてくると思います。
 このように地域の将来像を考えたときに、土浦とつくばの連携の軸となる交通機関の整備は是非とも必要だと思うのであります。そのことによって、常磐線とつくばエクスプレスとの周回性を持たせることができますし、市民の足として日常的な互いの交流を一層進ませることもできます。
 また、本県の観光地は周遊性に乏しいと言われておりますが、筑波山と霞ケ浦を結ぶ観光のルートとしても活用が期待されます。
 そして、また、将来的には百里飛行場まで延伸することによって、飛行場利用者の利便性を確保し、百里の利用者の増加にもつながっていくものと考えます。
 このように、つくばエクスプレスを延伸することには、多様な意味と効果があると考えております。エクスプレスが、開業という大きな目標に向かって邁進している現段階において、時期尚早と言われるかも知れませんが、行政には、絶えず二手先、三手先を読む先見性が求められております。
 そこで、私の提案を真摯に受け止めていただき、21世紀のいばらきづくりに欠くことのできない、つくばエクスプレスの土浦延伸について、どのように考えているのか、所見をお伺いいたします。

平山企画部長
 つくばエクスプレスの土浦延伸についてお答えいたします。
 つくばエクスプレスの開業は、東京方面との時間距離を大幅に短縮し、人、物、情報の交流を活発化させ、県南西地域の発展に大きなインパクトをもたらすものと考えております。
 このような中で、県南地域の中心である土浦市とつくば市との有機的連携がより強化されれば、両市の一体感が強まるなど、将来における県南地域の中核的な拠点づくりにつながるものと期待されております。
 しかしながら、つくばエクスプレスの延伸につきましては、膨大な建設費が必要となること、採算性を考慮しなければならないこと、つくばエクスプレスプロジェクトは1都3県で推進している事業であり、本県のみで判断できるものではないことなどの諸問題がございますので、長期的な検討課題であるのではないかと考えております。
 県といたしましては、まずは目前に迫っているつくばエクスプレスの平成17年秋の開業を目指して、鋭意、事業を推進してまいります。

次の質問へ前の質問へ