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平成16年第1回定例会 一般質問内容(詳細)![]() |
伊沢勝徳議員 |
家庭と仕事の両立を図るための雇用環境の整備について、商工労働部長にお伺いいたします。 女性は職業の有る無しにかかわらず、家事・育児など家庭の責任の多くを担っており、特に働く女性にとっては大きな負担となっているのが我が国の現状であります。 15歳以上の人口に占める労働力人口の割合である労働力率を年齢別に見てみますと、我が国において、男性の場合は20歳代後半から50歳代前半までを「山」とする台形状のカーブを描くのに比べ、女性の場合は、結婚・出産で退職する30歳代前半を「谷」とするM字カーブとなっております。 これは、学校卒業後、8年ほど勤めて結婚・出産などにより退職し、子供の手が離れる40歳代から再び職に就くということから、このような労働力のM字カーブとなるのであります。 アメリカやイギリス、フランスといった欧米諸外国の女性の労働力率は、我が国の男性と同じ台形状のカーブを描いており、このM字カーブは我が国独特のものとなっております。 また、合計特殊出生率の比較におきましても、2001年ベースで、日本が1.33であるのに対し、フランスが1.90、イギリスが1.63、アメリカにおいては、2000年ベースで、2.13という状況であり、我が国の出生率は欧米諸国と比較して低い状況にあります。 日本の女性に比べて、結婚・出産を契機とする離職が少ない欧米諸国の方が、出生率が高いことから、雇用環境さえ整っていれば、少子化への歯止めにもなるということをこのデータは示しているのではないでしょうか。 また、平成11年に実施されました「少子化と結婚・子育てに関する意識調査」におきましても、出産や子育てのために退職した女性の、約4割が「子育てと仕事を両立できる環境であったら勤め続けた」と回答しております。 少子化問題は、子供の社会性の低下、社会の活力の低下などに加え、将来の社会保障の在り方にまで及ぶ、大変重大な問題であります。 その対策として、様々な観点からのアプローチが考えられると思いますが、こうしたデータや女性の意識などから、女性の雇用環境を整備し、家庭生活と職業生活の両立を図ることは少子化対策の大きな柱となるものであります。また、経済活動の活性化や女性の社会進出を図るという意味においても、大変重要な課題であると思うのであります。 そこで、家庭と仕事の両立を図るため、働く女性の雇用環境の整備について、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 |
滝本商工労働部長 |
家庭と仕事の両立を図るための雇用環境の整備についてお答えいたします。 働く女性が子育てと仕事を両立できる環境をどのように整えていくかということは、女性の社会参画を促すことからも、また、少子化の歯どめということからも、大変重要なことであると考えます。 このため、国と県は、雇用環境整備のためのさまざまな制度を設けているところであります。 例えば、育児・介護休業法では、育児等をしながら働くことができるよう、事業主に休業や短時間勤務制度等を義務づけておりますが、従業員がより休業をとりやすくなるよう、県におきましては、独自に、3歳から小学校に入学するまでの間、子供を養育するための短時間勤務制度等を新たに設けた事業主に対して奨励金を支給しております。 また、急な残業の際、子供を預けるといった既存の保育施設では応じきれない保育需要に対応するため、地域において育児の相互援助を行うファミリー・サポート・センターや子育てサポーターを設置する市町村を支援しているところであります。 しかしながら、こうした施策はまだ十分に浸透しておりませんし、また、男性を含めた働き方自体の見直しに社会全体として取り組むことが重要でありますので、仕事と家庭の両立を図るためのセミナーや企業訪問などを通して、県内企業や県民への周知に努めてまいります。 昨年制定されました次世代育成支援対策推進法におきましても、平成16年度中に事業主は行動計画を策定し、子育てと仕事の両立支援などを推進することとしておりますので、県といたしましては、国などと連携しながら、事業主への普及、啓発に努めてまいります。 |