約十年ぶりに北海道へ行ってきた。三男の優仁が生まれてからは初めて、そう家族全員が揃っての初めての北海道旅行であった。
天候にも恵まれ、旅行期間中は毎日晴れ続きのいいお天気であった。支笏湖の透き通った湖面に、ひつじ雲たちが北海道の短い夏空を楽しむかのように生き生きと輝いて映っていた。
支笏湖に来るのは三度目だと思うが、家族全員が揃って湖岸に立ったのはこれが初めてである。青森にも支笏湖と同様のカルデラ湖である十和田湖があるが、趣が多少違う。多分、本州と北海道の違いなのだろうが、北海道の風土はどことなく欧州的である。学生時分、大雪山に登ったときもそう感じたが、山の造りや木々の植生が本州とは基本的に違うのである。
一日目は義兄のはからいで、妻の兄姉と姪の家族みんなで北湯沢温泉での宿泊となった。熱いお湯が苦手な私には、露天風呂の湯温がちょうど良く心地よかった。ホテルの食事はバイキングであったが、さすが北海道食材の品質が良くどれもおいしく食べられた。
二日目、温泉の帰りに道路沿いで見つけた生鮮食品専門のお土産屋さんの看板。さすが北海道と行ったところだろうか?青森では見たことのない代物!思わずシャッターを切ってしまった…。写真はカニであるが、このほかにヒグマと鮭のものもあった。
千歳に戻り、空港近くのアウトレットのショッピングモール「ReLa」に行き買い物をしたり昼食をとったりと一時を楽しんだ。ここも青森にはないオシャレな商店街であった。
子供はいつの時代も花火好きである。その上、疲れを知らない。その夜、子供たちは近くの公園で従兄弟と共に花火大会となった。
三日目、私たち家族五人で札幌観光をした。丁度レオナール・フジタ展の期間中で、また次男の優心が美術科の高校に在学しているということもあって、北海道近代美術館へと向かった。美術館の次には札幌時計台へ大通公園を散策しながらとの予定であったが、道案内役の私が道に迷い結局はタクシーで行く羽目となってしまった。 まっ、私が札幌に住んでいたのは30年以上も前の話、やむを得まい!
大通公園の象徴、札幌テレビ塔の前で記念写真!時計台に行ったときもそうだったけれど、札幌の街並みはずいぶんとビルの高層化が進み、視界が狭くなった。大通り公園は狭く、テレビ塔も低く小さく感じたのはそのせいだろうか…。
札幌の街角でで見つけた北海道らしい一物。札幌時計台と鮭をモチーフにした水道用のマンホールでだ!青森にも似たような者はあるが、ちょっとした感動だったので、シャッターを切ることにした。
大通公園から地下鉄東豊線に乗って札幌ドームへと向かった。残念ながら試合はなく野球観戦はできなかったものの、三男の優仁はチームグッズショップでお目当てのダルビッシュのサインボールやTシャツが買えてご満悦であった。この後羊ヶ丘へと行く予定であったが、この日の札幌は30度を超える猛暑だったため、羊ヶ丘行きはキャンセルして、千歳へ戻ることにした。長男の優友は、特にこれといった目的もなかったのだが、根気強く札幌観光をしてくれた。
三男の優仁はこの夜、姪の旦那のこうちゃんになついてしまい、彼らの家に泊まった。ちなみに優仁は、帰りの空港でも飛行機の中でもこうちゃん、こうちゃんといって泣いていた!
四日目の最終日の午前中、昨年亡くなった義父のお参りのためお寺に行った。実は、今回の北海道旅行の目的の一つにこれがあったのだ。義父が亡くなった昨年12月には、妻のみの仏事の参列となり、私と息子たちは次男の受験のこともあり行けなかったのだった。今回義父の納骨堂にお参りできたことで、一安心できた。
今回の札幌旅行には、ある一つの決断があった。それは「家族五人全員が揃っての旅行はこれが最後かも知れない。」というものだ。そうなるかどうかは分からないが、子供たちも大きくなるにつれ、それぞれの予定ができるようになってきている。子供たちが皆小さい頃は、どこにでも連れて行けたものだが、今ではそうも行かなくなってきている。そんなこともあって、今回の北海道旅行は私たち家族にとって、きっと特別な思い出となって残るに違いない…。2008年の夏にそんな貴重な思い出をつくらせてくれた義兄姉と姪御たち、そして私たちを一つに集わせてくれた今は亡き義父に感謝したい。
主よ、どうぞ亡き義父の魂に平安と憩いを与え給え…。アーメン。
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