歯周病治療
歯周病は、知らないうちに歯ぐきの骨がなくなる病気です。
歯の表面にプラーク(歯垢)がつき、その中の歯周病菌が増えることによって、歯を支えている歯ぐきや骨がなくなってしまい、歯を失ってしまうこともあります。
主な原因はプラークですが、糖尿病などの全身の病気やタバコなどの生活習慣が、歯周病を引き起こしたり、悪化させる原因にもなります。
歯周病治療の流れ
@歯周病の検査
ステーション歯科クリニックでは、以下の5つの検査により、現在の歯周病の状態、歯周病になっている原因、歯周病治療の計画を診断します。
1、口腔内検査
お口全体を視診、触診によって、むし歯、歯並びの異常、不良な修復物、歯ぐきの状態などを検査します。
2、歯周精密検査
プローブという道具を使って歯周ポケットの状態、歯石の有無を検査します。
プローブにはメモリがついており、歯周ポケットの深さが分かります。
この歯周ポケットが3o以下なら、歯磨きだけでも改善が見込まれ、この状態を歯周病の一歩手前の“歯肉炎”と言います。
しかし、4o以上であれば、完全な“歯周病”で、歯磨きだけでは治らず、どんどん進行してしまいます。
そして、プローブで歯周ポケットを計測したときに、歯周ポケットから出血するかどうかを確認します。
出血がある場合、その歯は歯肉炎、または歯周病になっており、歯周ポケットの底から出血する場合は、歯周病治療をしないと出血は止まりません。
同時に歯が動いてないかどうかも検査します。
動いている歯は、歯周病の治療をすればある程度は少なくなりますが、なくなってしまった骨がもとどおりになることはほとんどないので、歯周病治療後も動きが残る場合もあります。
3、パノラマレントゲン写真
お口全体のレントゲン写真で、歯を支えている骨の状態を検査します。
レントゲン写真をみれば、骨がどのように、どれくらいなくなっているかがわかります。
また、歯石がたくさんついている場合は、歯石もレントゲン写真に写ります。
4、診断用模型
咬み合わせや歯並びなどを記録します。
咬み合わせが強い歯は、将来的に歯周病になる可能性が高い歯で、その歯がどういったときに強く咬んでいるかを検査します。
5、口腔内写真
歯ぐきが赤くなっているところ、腫れているところなどを治療前の状態として記録します。
どの部分が歯ブラシが当たってないかがわかります。
A歯周基本治療
歯周基本治療とは、“歯磨き指導”と“歯石取り”のことです。
歯周病患者さんの8,9割はこの歯周基本治療だけで治癒します。
他にむし歯治療や根の治療が必要な場合は、歯周基本治療と並行して行います。
1、歯磨き指導
歯周病の主な原因はプラークなので、そのプラークを取り除くことが他のどんな治療よりも重要なことで、歯周病の予防にはたいへん効果的です。
「毎日3回磨いているよ」と言われる方もいると思いますが、“歯磨きをすること”ではなく、“歯に付いたプラークをとること”に意味があるのです。
より上手に、より効率的に歯磨きができるように、患者さん一人一人に合った歯ブラシと歯の磨き方を指導させていただきます。
2、歯石取り
歯石とは、磨き残したプラークが、唾液に含まれるカルシウム成分によって、カチカチに固まって石のようになったものです。
歯石は歯磨きでは取り除くことができないため、歯石ができてしまうと、そこは歯周病菌の快適な住みかになり、歯周病がどんどん進んでいきます。
歯石には2種類あり、1つは歯ぐきの上にある“縁上歯石”、もう一つは歯ぐきの下にある“縁下歯石”です。
まず、超音波スケーラーという道具で縁上歯石を取ります。
歯周ポケットが3o程度の場合、この治療だけで歯周病は治癒します。
しかし、歯周ポケットが4o以上の場合は、縁下歯石もついている可能性があり、この縁下歯石を取るときは、通常は麻酔をして行います。
B歯周基本治療の評価検査
歯周基本治療が終わった後に、歯周病が治癒しているかどうかを評価する検査です。
歯周ポケットが3o以下になっており、歯ぐきからの出血がなければ、歯周病は治癒していると評価します。
歯周ポケットが4o以上あれば、歯周病は治癒していないため、その原因により、再度の歯周基本治療、歯周外科治療、抜歯、経過観察のいずれかとなります。
C定期検診
歯周病は、生活習慣と深い関わりがあるため、一度治癒してもたいへん再発を起こしやすい病気です。
一度なくなってしまった歯ぐきや骨はもとにはほとんど戻らないため、歯周病の進行を抑えるために定期健診は非常に重要です。
どんなに上手に歯磨きができていたとしても、必ず磨き残しはあります。
その磨き残しが歯石になり、そこに歯周病菌がたまって、歯ぐきや骨を壊し始めるまで、約3ヶ月といわれています。
そのため、最低でも3ヶ月に1度の定期検診を皆さんにオススメしています。