特定商取引法対象の6形態の概要について
■ 訪問販売
・訪問販売は、事業者から積極的に接触してくるケースで消費者にとって不意打ち的取引になるものです。
・ポイントとしては、店舗以外の場所又は不意打ち的方法であることです。
*場所だけが問題になるわけではありません(例えば、キャッチセールスは訪問販売に該当します)
・対象は、原則すべての商品・役務及び政令指定権利です。 *適用除外の業種や取引ケースがあります。
・クーリングオフ期間は8日間、取消期間は6ヶ月間
・過量販売には1年間の解除権があります
・業者に勧誘目的等の明示義務、書面交付義務、重要事項の不実告知・故意の不告知禁止、威迫困惑行為の禁止、不当
約款や再勧誘規制などがあります。
■ 通信販売
・通信販売とは、事業者が郵便等の通信手段で、消費者から契約申込を受ける商品や権利の販売、有償の役務提供のことです。
・消費者が何らかの広告(新聞や雑誌広告、チラシ、DM、カタログ、テレビ、ネット、メール等)を見て積極的に申込む場合です。
・郵便等の通信手段とは、郵便、FAX、携帯、メール、電報、振込み等のことです。
・事業者とは、販売等を業として営む者 *個人でも客観的基準によって業者と判断されます。
・クーリングオフ制度はありませんが、返品特約に関する表示は義務付けられており、表示がない場合は商品到着翌日
から8日間の返品が可能です。
・ネット通販には申込入力画面、確認画面、訂正画面について規制があり適正でない場合は錯誤無効を主張できます。
■ 電話勧誘販売
・電話勧誘販売は、事業者が消費者に電話をかけ、または特定の方法により電話を掛けさせ、その電話で勧誘し消費者から通信手段で申込みを受けて契約するもの。
・特定の方法とは、欺瞞的なもので勧誘目的を告げずに電話を要請したり、他社に比し著しく有利な条件で契約締結できると電話を要請するものです。
・郵便等の通信手段は訪問販売と同じで、電話勧誘によって消費者が購入意思を決定する場合。
・対象は訪問販売と同じです。
・クーリングオフ、取消しについては訪問販売と同じです
■ 連鎖販売取引(マルチ商法)
・連鎖販売取引とは、商品などの組織販売で、消費者が販売員となり、更に販売員を増やす事で収入とするものです。
・要件は @ 物品の販売(役務提供など)の事業で A 再販売、受託販売、販売の斡旋(役務提供若しくは斡旋)をする者を B 特定利益が得られると誘引し C 特定負担を伴う取引をするもの
・クーリングオフは20日間、取消期間6ヶ月間です
・中途解約と仕入れ商品の返品制度があり解約料には上限があります
■ 特定継続的役務提供
・対象業種 @ エステ A 語学教室 B 学習塾 C 家庭教師 D パソコン教室 E 結婚相手紹介サービス
・上記6業種で、継続的サービスを纏めて契約させるもの
・要件は @ 政令指定の契約期間を超え A 政令指定の契約金額を超え B 国民の日常生活に係る契約において、有償で提供される役務であって政令で定めるもの
・中途解約制度があり清算金額の上限も定められている
・クーリングオフは8日間、取消期間6ヶ月間
■ 業務提供誘引販売取引
・仕事を提供するから収入を得られるなどと誘って、仕事や収入を得るために必要だと道具や教材、通信講座などを契約させるもので、浄水器や布団、呉服などのモニター商法、資格講座商法、モデル商法、パソコン等の内職商法などがある。
・要件は @ 物品の販売または役務の提供(その斡旋含む)の事業であって A 業務提供利益が得られると相手方を誘引し(事業者が提供・斡旋した仕事で事業者から購入・斡旋された商品やサービスを利用する仕事である必要あり)
B その者と特定負担(商品・サービスの代金、保証金、加盟金などの名目問わず)を伴う取引をするもので C 契約する者が事業者等によらない個人であること
・クーリングオフは20日間、取消期間6ヶ月間
・契約解除時の損害賠償額等の制限あり