入国管理法改正案の要旨
今国会で、以下に記述のような改正案が審議されることとなりました。
1. 新たな在留管理制度の導入
▽ 法務大臣は、在留資格をもって日本に中長期間在留する外国人に対し、基本
的身分事項、在留資格、在留期間等を記載した在留カードを交付する。
▽ 外国人は、在留カードの記載事項のほか、受け入れ先や身分関係に変更が
あった場合には、法務大臣に届け出なければならない。
▽ 法務大臣が外国人の受け入れ先から、外国人に関する情報の提供を受けら
れるようにする。
▽ 法務大臣は、外国人に関する情報の継続的な把握のため、必要がある場合
には、届出事項について事実の調査を行える。
▽ 在留期間の上限を5年に引き上げる。
2. 外国人研修制度の見直し
労働関係法令の適用を可能とするため、在留資格(就労研修)を新設する。
3. 在留資格の「留学」と「就学」の一本化
留学生の安定的な在留のため、「留学」と「就学」の区分を無くし「留学」に一本化する。
出入国管理・難民認定法の改正案概要
中長期に日本に滞在する外国人に対し、身分証となる「在留カード」を法相が発行し、在留管理を国に一元化して厳格に対応することを柱とする。
現行の「外国人登録証明書」(市区町村発行)は廃止。
カードの偽造行為には、罰則規定(懲役刑や強制退去処分など)が設けられる。
カードの記載事項
氏名、生年月日、性別、国籍、住所、在留資格および在留期間など
今後は、カードを所持しない者は、不法滞在者とみなされます。
届出事項に変更が生じた場合の届け出先は、入管へ変更される。
(現行は市区町村)
「特別永住者」と呼ばれる在日韓国・朝鮮人は、在留カードの対象外となり、新たな身分証明書が発行される。
在留期間の上限を原則3年から原則5年に延長し、更新手続きの負担を軽減する。
新在留資格「就労研修」の創設
外国人研修・技能実習制度で受け入れた外国人研修生に対し、「就労研修」資格を付与して、最低賃金法などの労働関係法令が適用されるようにする。
(現行では、最長3年の期間のうち、1年目は「労働者」にあたらないとして、労働関係法令が適用されず、安価な手当で過酷な労働に従事させられているという批判がなされている。)
外国人留学生の在留資格については、大学や専門学校は「留学」、高校や日本語学校は「就学」に分かれている区分を「留学」に一本化することにより、大学進学時の変更手続きを省くこととした。
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平木行政書士事務所