【後見制度について】 
後見制度とは、未成年者や成年被後見人の身上、財産上の保護を目的とする制度です。
(1)未成年後見・・・子の保護(親権を行う者が欠けているとき、補充的に選任します。)
(2)成年後見・・・成年被後見人の保護
後見制度は、被後見人に保護を与えるとともに、その者が所有する財産を処分できるようにするものです。
【後見の開始】 
(1)未成年後見
① 親権を行う者が欠けているときとは、単独親権者が死亡してしまったり、親が親権を
喪失したり、親権者が辞任したり、あるいは後見開始の審判があったときなどです。
② 親権者に管理権が欠けているとき
このようなときは、未成年後見人は財産に関する権限のみを有することになります。
(2)成年後見
後見開始の審判により、開始します。
【後見人の欠格事由】 
次の欠格事由がある場合は、後見人となることができません。また、後見人に就任したあとも、欠格事由に該当することとなれば、その職を失います。
① 未成年者
② 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人または補助人
③ 破産者
④ 被後見人に対して訴訟をし、または過去にした者並びにその配偶者及び直系血族
⑤ 行方の知れない者
【成年被後見人の財産処分の方法】 
後見人は被後見人の財産を勝手に処分することはできません。利益相反行為に該当するからです。
ただし、成年被後見人の財産処分には以下の3種の方法があります。
① 家庭裁判所の許可を求める
② 家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう
③ 家庭裁判所に成年後見監督人を選任してもらう
【成年後見監督人の欠格事由】 
次の欠格事由がある場合は、成年後見監督人となることができません。
後見人の欠格事由のほかに、下記に該当する場合です。
① 後見人の配偶者
② 後見人の直系血族
③ 後見人の兄弟姉妹
※ 家庭裁判所の管轄は、被後見人の住所地を管轄する家庭裁判所になります。
【任意後見制度とは】
後見制度には、本人に援助が必要になった時点で利用される「法定後見制度」と、本人が健康な状態のときに、将来自己の判断能力が不十分になった場合に備えて、あらかじめ援助の手段や方法について定めておく事前的制度である「任意後見制度」があります。
任意後見制度のプロセス
1)今は元気だが、将来認知症になったときのことが心配だ。
⇒ 本人が任意後見契約を公正証書で締結し、信頼できる任意後見人を選任。
2)公証人が、任意後見契約を登記。
3)認知症などにより本人の判断能力が低下
⇒ 本人、親族等が任意後見監督人の選任を家庭裁判所へ申立
4)家庭裁判所が、任意後見監督人を選任。 任意後見契約の効力発生
5)任意後見監督人による監督のもと、任意後見人が任意後見契約で定められた仕事
(財産の管理など)を行う。
任意後見契約は、まだ元気で判断能力がしっかりとしているときに将来に備えて行う契約ですから、基本的に契約内容がわかるだけの判断能力があることが前提となります。軽い痴ほう症状があっても、本人に契約を結ぶことができるだけの判断能力があれば、結ぶことができます。判断能力があるかどうかは公証人が判定します。
任意後見制度について、より詳しくお知りになりたい方は、電話、メール等でお気軽にご相談ください。
TEL(047)405-9018
平木行政書士事務所
成年後見人