六日目(その1)


AM7:00ちょっと前、かあちゃんに起こされた。と言っても目を開けただけ。頭も体も、まだほとんど寝ている....なんか眩しいな........

晴れちょるやんけ!!

一気に目が覚めた。あれだけ深かった霧もすっかりとれ、青空が広がっている!

よっしゃあ〜!!

この天気だったら摩周湖も見えるはず。こりゃ、ちんたらしてる場合じゃねえぞ!早いとこ出発しよう。急いで朝の身支度、まずは朝メシじゃあ。食堂に入ると、4人家族の宿泊客が食事していた。その隣に座って、あっくんも朝メシ。ご飯に味噌汁、焼き魚に生卵etc. 旅館のオーソドックスなメニューだった。

....メシがうまい!(爆)

寝起きでもバリバリ食えるど!北海道入りしてから何日も経過しているので、体調もUPしているようだ。

「ごちそうさまでした!」

4人家族が食事を終えて部屋に戻る。みんな(メシ食う)ペース早いなあ。オレだって寝起きじゃなかったら、早食いには自信あるんだけどね。

2杯目のご飯に生卵をかけて食ってると、食堂のテレビから天気概況が流れた。

「予想よりずっと早く、低気圧が通過しました。まだ道東の一部に雨が降ってますが、天気は次第に回復し、今日は全道的に晴れるでしょう」

あっくんが寝てるうちに、雨は通り過ぎたようだ。昨日の予報では、昼過ぎまで雨だったはずだけどなあ。う〜ん、やっぱ晴れ男の旅は一味違うぜ!

「どうもお世話さまでしたあ〜!」

あっくんが食後のお茶を飲んでると、さっきの4人家族がサクッとチェックアウトして行った。

早っ!

ほんの5分前まで、浴衣姿でメシ食っとったやんけ!4人とも5分で着替えて(しかも2人の子供は小学生くらい)、荷物まとめてチェックアウトかい!歯を磨くとか、もう一回トイレ行くとか、タバコ吸うとか、他にやることないんか?そもそも朝っぱらから、何でそんなにきびきび動けるんじゃ?でも、これが普通の家庭の朝なんだろうなあ。あっくんから見れば、信じられないスピードだ。

おっと、感心してる場合じゃない。あっくんも急ぐど!食事を終え、もう一回トイレ行って、大急ぎでチェックアウト。現在時刻はAM8:15。我ながら今朝は素早いな。

「どうも、お世話さまでした。いいお湯だったです」
「今日は、珍しく晴れたねえ」
「ええ、この様子じゃ摩周湖も見れるでしょう」
「道中お気をつけて」
「どうも!」

カウンタのおばちゃんにお礼を述べて駐車場へ.....

ビリかよ!

スカちん以外、一台もいない(注:奥に見えるのはホテルの送迎車)。たしか駐車場は満車だった。あっくん以外、全員チェックアウト済みかい!あっくんが朝メシ食い終わっても、まだ食ってた連中も多かったぞ。一般ピーポーの朝の早さに唖然とするあっくんですた(←お前が遅いんだよ)。

ゆっくりと出発、まずは摩周湖ふもとのコンビニ「セイコーマート」へ。ここでパンと飲み物を購入。今日は木曜日か。少年マガジソ(^^)を探したが、売ってなかった。

お次は給油。セイコーマート対面のガソリンスタンドに移動、リッター111円だった。
 

燃費情報その6

稚内から弟子屈までの走行距離 428km
給油量 43.1L
1リッターあたりの走行距離 9.9km

う〜ん、リッター10km行かねえかあ。いくつもの峠越えが効いてるんだろうね。オイルチェックも行ったが、ゲージ1/3くらい。注ぎ足すのは明日でいいな。

スタンドを出発。今日の予定は摩周湖観光の後、道東をうろうろして釧路までの旅。時間にはタプーリと余裕を持たせている。6日目にして、やっとユクーリできるぜ。摩周湖への直線道路を駆け上がる。昨日は摩周湖周遊道路を時計回りに回った。今は反時計回りに回っている。摩周湖南側の道路は、それほどきついカーブはない。昨日紹介した頭文字D道路は、湖の西側。

 

摩周湖南側の道道52号線は、ひたすら直線道路が続く。しかしそれにしても、きれいに晴れたねえ。この日晴れたのは、やっぱわしのおかげなんやろか?

第一展望台を通り過ぎて、第三展望台へ一直線。霧は発生してない。よっしゃよっしゃ、例によって駐車場の隅っこに停車、カメラとビデオ一式持って第三展望台へ。

見えたあ〜〜っ!!

まだ、うっすらと霧がかかっているが、摩周岳もくっきり見える。2年ぶりに見ることができたカムイッシュ島。う〜ん、感無量!

いや、ほんとこの日、摩周湖を見れたのは奇跡なんですよ。予報では今ごろ、雨の真っ最中だったんだから。しかも今年の8月は、晴れの日がほとんど無かったからねえ。しばし摩周ブルーをぼーっと見入る。

第三展望台真下の湖面。空が写り込んでいる。

観光客が入れ替わり立ち代り、記念写真を撮って立ち去って行く。おいおい、今年の夏、摩周湖が見れるってことは、ほんと珍しいんだぜ。もっとじっくり摩周ブルーを味わった方がいいんでない?ってのは、余計なお世話やね。とにかくあっくんは、もう少し霧が晴れるまで待つことにした。

時間が経つにつれ、徐々に霧が取れてきた。摩周岳の山肌もくっきり。

 

カムイッシュ島をズーム。小さく見えてもこの島、高さが25m近くある。昨日、摩周湖の生い立ちで説明したように、火山のてっぺんが湖面に突き出ているわけ。よく見ると、がけ崩れがあったみたいやね。

 

これが摩周ブルー。どんなに工夫しても、写真じゃ(摩周ブルーの)魔力は伝わらない。

「きれいだねえ、摩周湖が見れたってことは、あんた運が良かったよ」

展望台の掃除をするおばちゃんに話し掛けられた。どーも昨日から、おばちゃんと出会う旅が続いてるなあ(^^;

「ええ、昨日は霧でしたからねえ。考えてみれば霧の摩周と摩周ブルー、両方見れたんでラッキーですよ」

観光客がポイ捨てしたタバコの吸殻を拾い終えたおばちゃんとしばし談笑。ちなみにあっくんはヘビースモーカーだが、ポイ捨てはしない。常にmy灰皿を携帯している。

「今年の夏は、そんなに天気悪かったんですか?」
「悪いなんてもんじゃないよ。ずっと雨続きで、毎日ここへ(ゴミ拾いに)来ているあたしでさえ、ほとんど見れなかったんだから」

実際、摩周湖が見れた日は、ほんの2〜3日しかなかったそうだ。

「あの急斜面を見てごらんよ。一度転がりだしたら止まりそうもないだろ?自殺するにはいい場所だねえ」

縁起でもないおばちゃんや(^^;

「実際、自殺する人が多いんですか?」
「いるよいるよ、特にあっちの屈斜路湖。屈斜路湖に沈んだら、まず浮かび上がってこないんだよ」
「へえ〜、きっと湖底に引っかかってるんでしょうね」
「この間も屈斜路湖の中島(=立ち入り禁止区域)でキャンプしてた人が溺れてねえ。結局まだ発見されてないんだよ」

暗い話題やなあ....(^^;

「摩周湖でも自殺する人いる?」
「いるよ。ここも深い湖だから(注:水深200m)、まず浮かび上がらないんだよ」
「へえ〜、何だか分かるような気がするなあ。この摩周ブルーには、ほんと吸い込まれそうになる魔力があるよね。一度(摩周ブルーを)見たら、もう思い残すことは無いって気持ちになっちゃうよねえ」
「やだねえ、あんた。死ぬようなこと言うもんじゃないよ!縁起でもない、あっはっは...」

おばちゃんの話に合わせとるんやないけ!!

マイペースなおばちゃんや。話すだけ話したら、もう次の観光客に話し掛けてた。

「きれいだねえ、摩周湖が見れたってことは、あんた運が良かったよ」

このおばちゃん、どうやら基本トークが出来上がってるらしい(笑)。ひょっとして、摩周湖の名物おばちゃんかな?

「あの急斜面を見てごらんよ。一度転がりだしたら止まりそうもないだろ?自殺するにはいい場所だねえ」

あっくんは「恐怖の自殺おばちゃん」と命名した。

「この間も屈斜路湖の中島でキャンプしてた人が溺れてねえ。まだ発見されてないんだよ」
次の犠牲者はお兄さん、おめーだ!(核爆)

 

第三展望台からの俯瞰は、摩周湖だけではない。西側には硫黄山、屈斜路湖といった、阿寒国立公園の大自然が広がる。まさに絶景!

 

継ぎ接ぎだらけの写真で申し訳ないが、これが摩周湖の全体像。こう見えても芦ノ湖の3倍の面積を持っている。かなり広いね。摩周湖をご覧になってない方、是非一度は見に行って、その魔力をご自分の目で確かめて下さい。

時刻はAM11:00過ぎ。2時間以上ゆっくりしたな。そろそろ行くかあ。.......そういえば、摩周湖には神様がいるんだったな。摩周岳はアイヌ語でカムイヌプリ、「神の山」というそうだ。カムイッシュ島も「神になった老婆」という意味。どうやら「カムイ」とは神様のことみたいだな。今日あっくんが摩周湖を見れたのも、カムイ様のおかげかもしれん。よし、お礼を述べておこう。

パン、パン!(←柏手を打つ音)

え〜、摩周湖の神様、おかげさまできれいな摩周湖を見ることができました。ありがとうございました。つきましては、今後の道中も事故の無い様お守りくださいますよう、お願い申し上げます。それから、無病息災、家内安全も重ねてお願い申し上げます。それとスカちんもムモちゃんも元気でありますように、今年の秋競馬で稼げますように、GI全勝できますように、お金がいっぱい入りますように、何かいいことありますように、えーと、それからそれから、

多いわ!!

いくら摩周の神様でも、そんなにたくさんお願いされたら困っちゃうよなあ。

スカちんに戻って坂を下る。今度は、昨日駆け上がった頭文字D道路。

キュルキュルキュル...

やっぱワインディング道路は、下りの方が楽しいね。気分爽快!(^^)

程なく「わ」ナンバーのセダンに捕まる。あのドライバー、ちゃんとコーナー手前で減速してるな。よっしゃよっしゃ、わかっとるやないけ。そんなに遅い「わ」じゃないんだが、連続するコーナーではすぐに詰まってしまう。こっちも競争しているわけじゃないんで、十分に車間距離とってるんだが、「わ」とはコーナーリング速度が全然違う。逆にいえば、直線速度はもっと違うんだけどね(笑)。こっちは直線/カーブ共にほぼ同じ速度で走っているだけ。

摩周湖ふもとの直線道路に出ると、あっという間に「わ」は見えなくなった。あのスピードじゃ、シカさんに飛び出されたらアウトだな。飛ばすのは勝手だが、オレの前だけでは事故んなよ!

国道391号線に入って弟子屈方面へ走る。これで摩周のふもとを一周したことになる。弟子屈から243号線へ左折、一路中標津(なかしべつ)方面へ。次の目的地は今回の旅行のメインエベント....

と、ここまでお読みになって「なんか前に読んだことあるなあ」とデジャブーった方、あなたはかなりのあっくん帝国通です。そう、頭文字D道路からここまでは、去年のレポートのコピーペーストだったんですねえ(笑)。決して手を抜いたわけじゃないんですが、去年と全く同じルートを走り、去年と全く同じ出来事(「わ」に捕まった事)が起こったんで、流用しますた。

違うのはここからなのですが、目的は去年と全く同じ。それは、

ジャパンのCM撮影現場を探せ!

これが今年もメインエベント。お暇な方は、去年のレポート〜史上最強の五日目(その2)〜をご参照ください。去年、ジャパンのCM撮影現場に行ったつもりでした。ところが、それは間違いだと(旅行後に)気づいた。順を追って説明しましょう。

まずは2年前の2000年、初めて道東の標津(しべつ)を旅した時のことです。地平線の果てまで続く直線道路を走った時、ジャパンのCMをうっすらと思い出しました。たしか直線道路を走るCMがあったはず。ひょっとしてあのCM、道東で撮影されたんじゃないかなと直感。旅行後、某ルートでそのCFを入手しました。見てみると、後期型2HT白ジャパンが直線道路を駆け抜けて行く。流れるBGMは、財津和夫の「I LOVE JAPAN」。間違いなく北海道、それも(風景から)道東であることが分かりました。しかもアップダウンのある直線道路、ピンとひらめいたのが開陽台のそれでした。それで2001年の夏、開陽台に行って、(CM撮影現場に)間違いないと確信しました。あっくんは、目的を達成したわけです。

これが開陽台の直線道路。2001年撮影。

ところがその後、某氏から思わぬことを聞きました。あのCMは、霧多布(きりたっぷ)で撮影されたとのこと。

霧多布!?

同じ道東でも、霧多布と開陽台では場所が全然違う。霧多布には、あっくんは何回も行ってるが、あんなアップダウンのある直線道路は見たこと無いぞ。雨男1号と呼ばれる某氏の言葉は、にわかには信じられませんでした。すると後期型ジャパン乗りでもある某氏は、あっくんに当時のパンフレットを見せてくれました。そこには、「道東の霧多布で撮影されました」と、はっきり明記されてたんです。う〜む、開陽台じゃなかったのか....

「とまやんさん、このパンフ、貸してもらえる?」

パンフには、CMの1カットが掲載されてました。それと霧多布という地名、この2つを手がかりにして、今度こそCM撮影現場を突き止めようと、今年も北海道にやってきたわけです。てなわけであっくんは今、弟子屈町に別れを告げ、霧多布目指して国道243号線を東へ走っているわけ。しかしそれにしても、ほんまに見つけられるんか?