五日目(その3)


釧網本線の踏切を渡って、しばらく続く直線道路。なだらかな登りが続く。

 

5速じゃトラクションがかからなくなってくる頃、道路の表情は一変する。ここから第三展望台まで続くワインディング道路、前述のように、あっくん的頭文字D度は第2位。

行くどスカちん!!

3速にシフトダウン、

ヴオオォーーーン!!

L20が咆える。キュルキュルキュル.......

 

ジグザグに続くワインディング道路。エンジンは4000〜6000回転キープ。

 

 

ヘアピンカーブキタ━━━━━(・∀・)━━━━━!!!!!
ご覧になってお分かりの通り、コーナーには深いカントがついている。

 

 

キュルキュルキュル....... 2速5000回転でコーナーリング!
右の写真に注目。フロントウインドウには、道路が壁のように迫ってくる。こんな光景、めったに見れない!

 

 

キュキュキュキュ....... 第三展望台までもう少し。
......なっ、なんだ、あの煙は!?

えろばっ!

急に霧が出てきやがった。う〜ん、本日の摩周湖アタック大作戦は失敗だったか.... 一気に緊張感が失せちまった。風吹裕矢に抜かれたハマの黒ヒョウのように、アクセルを緩める。

第三展望台に到着、あたり一面霧が発生している。スカちんのボンネットを開け、十分なアフターアイドリング。熱くなったL20をぼーっと見つめる。やっぱ、硫黄山に立ち寄ったのは失敗だったか.... ほんの1時間前までは、晴れてたはずなんだが....

おまけに雨まで降ってきやがった。とうとう雨雲に追いつかれたらしい。そもそも摩周湖は、夏場は特に霧が発生しやすい。東からの暖かく湿った海風が、摩周の山岳地帯で急速に冷やされ、霧になると言うメカニズム。おまけに今年の北海道は冷夏。晴れた日がほとんどなく、摩周湖が見えた日は非常に少ない。今年は特に、摩周湖を見るっていう計画自体が無謀だったんだよなあ....

しゃーない、諦めよう!

でも、せっかく硫黄山によって、(摩周湖第一展望台の)駐車チケットを入手しているので、行ってみることにした。霧&雨の摩周湖畔を慎重に運転する。ここで事故ったら、まさに弱り目に祟り目。ゆっくりと40km/h走行。

 

これが摩周の霧。視界は30〜40mくらいか。見えん、マジで見えんぞ!

第一展望台に到着。傘をさして展望台へ、しばし霧の摩周湖をぼーっと眺める。

かあちゃんはおみやげ屋さんを散策、あっくんは摩周湖の生い立ちが描かれたパネルを見学。一昨年のレポートで、摩周湖の断面図を紹介したが、ちょっと不正確だったみたい。摩周湖は、こんなふうになってるらしい。

  

むかーしむかし、1万年くらい前のことじゃった。大きな火山が大噴火を繰り返しておったそうじゃ。それはそれは大きな噴火を繰り返して、あんまりマグマを噴き出しすぎたために、次第に地中(マグマ溜まり)に大きな空洞ができてしもうた。そしてある日、とうとう空洞が潰れてしまったんじゃ。こうして7000年前、摩周のカルデラができたんだそうじゃ。

 

  

大きな火山は陥没したんじゃが、さらなる噴火が始まり、新しい火山ができていったそうじゃ。こうしてカムイッシュ島ができたのは、約2000年前のことじゃった。そして火山活動がおさまったカルデラに水が溜まっていき、摩周湖ができたんだそうじゃ。でめたし、でめたし。

時刻はPM5:00。さて、かくなる上は、早々にホテルにチェックインしませう。スカちんに戻って弟子屈(てしかが)方面へ、坂をゆっくり下る。霧は晴れてきたが路面はウエット。あたり一面、雨が降っていた。

弟子屈町に到着、毎年立ち寄るスーパーで簡単な買い物。.....お、100円均一で如雨露を売っている。エンジンオイルを注ぎ足すのにちょうどいいな。オイルは1リッター持参して、昨日500cc追加した。残りのオイルは500cc。目盛りで計る必要はないから、如雨露であれば何でもいい。買おっと。

今宵の宿は、国民宿舎光風苑。初めて泊まるホテルなんで、場所がわからん。ちょっと聞いてみるか。レジで支払いを済ませた後、店員らしきおばちゃんにダメ元で聞いてみる。

「すいません、光風苑ってホテルにはどう行けばいいか、ご存知ですか?」
「光風苑?....聞いたことあるけど、どこだったかねえ?」
「国民宿舎らしいんですが」
「...ああ、あそこだよ。そこの交差点をまっすぐ行ったところ」
「まっすぐってえと、阿寒湖方面に走るんですね?」
「違うよ、釧路の方に行くんだよ」
「えっ、釧路?ってことは、そこの交差点を左折するんですか?」
「違う、まっすぐだよ」
「でも、あの道をまっすぐ行くと、阿寒湖に行っちゃいますよ」
「阿寒湖じゃない、まっすぐ釧路の方に行くんだよ」
「ってことは、やっぱそこの信号を左折するんですね?」
「違うよ、まっすぐってったら、まっすぐなんだよ!まっすぐ行ったらまた信号があって、その先に消防署があるから、そこをまっすぐ行くんだよ」

聞いた相手が悪かった(苦笑)。とにかく、おばちゃんから仕入れた情報は、

・まずは国道241号を阿寒湖方面に走る
・(釧路を目指すらしいから)おそらくどっかの信号を左折する
・途中に消防署がある

これだけ分かっただけでも、ありがたいこっちや。おばちゃんにお礼を述べて、阿寒湖方面へ。道なりにしばらく走ると、信号が見えてきた。多分この信号だな。ここを左折....

わかった!

この道は、5〜6年前に走ったことがある。弟子屈から釧路までは、国道391号と、道道53号の2つのルートがあるんだった。おばちゃんが言ってた釧路を目指すってのは、道道53号に入るってことだったんやね!しばらく走ると案の定、消防署が見えてきた。う〜む....

おばちゃんマップ恐るべし!

おそらくおばちゃんの頭には、目的地までまっすぐ一本道が出来上がってたんだろう。たどり着くのに、方角なんて関係ない。起点と終点が一直線で繋がっている。それでも迷わずホテルまで行けるとは、なんという超合理主義!(爆)

 

左がおばちゃんマップ、右が実際に走ったルート。道道53号に入ることに気づいたんで、迷うことはなかった。

おばちゃんマップのおかげで、迷わず光風苑に入ることができた(^^)。早速チェックイン。フロントは、これまた感じのいいおばちゃんだった。なんか今年の旅は、おばちゃんづいてきたなあ(^^;

「何もないところですけど、ごゆっくり」
「何もないところが、いいんじゃないですか(笑)」
「露天風呂は、源泉100%ですよ」
「それは楽しみだ」

去年は、かあちゃんのおかげで、カルキ20%の風呂に入らされたんだった。今年は、全てあっくんがホテルを選別したんで外れ無し!早速露天風呂へ。ラッキーなことに貸しきり状態!ならば早速、平泳ぎじゃあ〜!

ここの露天風呂は、屋根がない。雨に降られての温泉かと思ったら、いつの間にか雨は止んでいた。あたり一面、深い霧に覆われている。幻想的な光景、まさに大自然の恵みをそのまま満喫できるところやね。国民宿舎光風苑はお勧めでっせ!

さすがに100%源泉だけあって、風呂から上がると、全身がベタつく。まるで海水浴に行ったみたい。軽くシャワーを浴びて部屋に戻った。いやいや、いいお湯でした!(^o^)/

お次はメシじゃ。食堂に入ると、うまそうな釜飯のにおい!

 

決して豪勢とは言えないが、おばちゃんの心のこもったメニューが並ぶ。ここも一泊二食付き。これで一人あたり、税込みで6.450円ですぜ!
ところで温泉宿と卓球は、切っても切り離せないね。

ここ弟子屈は内陸部なんで、昨日の枝幸みたいな海の幸を堪能するところではない。ビールを飲みながら、ゆっくりと山の幸を味わう。と言っても鮭の刺し身は、とてもうまかったっす。そうそう、いたずら防止のため、スカちんを(人目につく)食堂の前に停めておいた。スカちんを見ながらの夕食ってのも、なかなかええもんだ。明日は朝一で、スカちんにも高いメシを食わせにゃいかんなあ。

食事後、もう一度露天風呂で泳ぐ(笑)。相変わらずの濃い霧。この分じゃ、明日は曇り or 雨だなあ。まあいいや、とにかく明日、もう一度摩周湖に行ってみよう。

風呂から上がって、しばしTV観賞。今日は8月28日水曜日。水曜日というと、見る番組は当然「水曜どうでしょう」。これは北海道ローカル(HTB)の深夜バラエティ番組。6年間も続いている人気番組だ。しかも「どうでしょうリターンズ」というタイトルで、全国で再放送されている怪物番組。あっくんの地元、神奈川ローカル(TVK)でも、つい最近放送が始まった。

考えてもみて下さい。ローカル局の深夜番組が、全国の地上波で再放送される(しかも6年前に作られた内容の再放送!)なんて前例があります?それだけのチャーム(魅力)がある番組です。内容は一言で言うと、

とにかく軽い!(爆)

お笑いタレントが台本どうりにおちゃらける単純な深夜番組ではありません。かといってクソ真面目な内容でもない。基本的には「旅番組」なんですが、文章で説明しても、この番組の面白さは伝わらない。2003年初頭にはDVD化(!)されるそうですから、是非ご覧になってみてください。とにかく、死ぬほどくだらなくて軽い番組です(笑)。

さて、そろそろ寝るか。いよいよ明日は、今年の旅のメインエベント。ある場所を探して、道東をうろうろする。果たしてその場所は見つかるか?見つけるためには、あまりにも手がかりが少ないし、道東は広すぎる....

ええい、サイコロ振って行き先決めるかあ(核爆)

本日走ったルート。走行距離297km。