史上最強の五日目(その2)


スカちんに戻って丘を下る。下ってちょっと行ったカーブを曲がったところ、ここが今年のメインエベント、開陽台の直線道路!

去年はケンメリの木で写真を撮ったが、今年はここで撮影しようと思った次第。まずはこの道をスカちんで往復してみる。う〜ん、走ってみると普通の道路、あんま変わり栄えせんね(苦笑)。次に他車が来てないか十分注意して、道路の真ん中に停車する。いい感じだ!何枚かパチリ。

この写真をご覧になってピンときた方は、かなりのジャパン通。そうです、後期型ジャパンのCM撮影スポットが、この直線道路かもしれないんです。かもしれないってのは、旅行後に調べたんですが、ジャパンのCMパンフレットには霧多布で撮影されたと記載されてるからです。霧多布ってのは、(明日、6日目に行きますが)開陽台からはるか南に離れた、根室と釧路の中間にある岬。何回か行ったことはあるんですが、こんなアップダウンのある直線道路にはお目にかかったことはない。それほど開陽台の直線道路は、ジャパンのCMのそれにそっくりなんです。まあ、今回は開陽台が怪しいってことでまた来年、真偽を確かめに行ってきますわ。

ここでジャパンのCMテーマソングに関してちょっと解説。ケンメリは終始一貫して、バズの「ケンとメリーの歌(愛と風のように)」でしたが、ジャパンは、

・前期型:ラジの「愛はたぶん」

・後期型:財津和夫の「I LOVE JAPAN(スカイラインのテーマ)」

に分かれます。正確にはジャパンターボのCMは、(全く別の)インストルメンタルの勇ましい曲が使用されましたが。で、財津和夫の歌声に乗って、直線道路を白い後期型2ドアが走って来るCMが開陽台だと思ったわけです。この曲のタイトルは、CMパンフレットでは「I LOVE JAPAN」となっており、財津和夫のコンサートでは「スカイラインのテーマ」と紹介されています。どっちが本当のタイトルなのかは不明ですが、名曲なのは間違いない。残念ながらこの曲は、レコード化されることはありませんでした。が、現在でも(少しなら)聞くことが出来ます。前述の財津和夫コンサートがCDとして復刻されており、その中に1コーラスだけ収録されています。さあ、今すぐCDショップへ急ごう!そして「スカイラインのテーマ」をBGMにもう一度、開陽台の直線道路を見てみましょう。

フォグランプが光ってるように見えるけど、点灯してません。プロジェクターならではの反射です。

開陽台から一路東へ、直線道路を走る。突き当たって右折、今度は南へ。まるでドラクエの主人公のようなきっちりしたルートで碁盤の目を走る。時刻はまだAM11:00過ぎ。時間はたっぷりある。ところで、次はどこ行こうかねえ(爆)。全く考えずに道なりに走っていた。走りながら助手席に開いた地図をちらちら見る。このまま南下すると海岸線、国道244号線に入るな。ここは去年通ったルートだ。今日の宿は(ここから)南の根室だから、北の羅臼はやめよう。羅臼は去年も行ったしね。てなわけで、去年行ってない野付半島に決定!

野付半島とは、北海道の東端から「J」の字状に突き出た半島。国道244号線から野付半島への道道950号線へ入ってしばらく進むとあーた、めったにお目にかかれない光景が見れまっせ。

道路の左右は共に海!

前述のように野付半島は、釣り針状に出ているんで、左右が海になってるわけ。長年の海水による浸食/堆積を繰り返して、このような地形が出来上がったとのこと。こういうのを専門用語で「砂嘴(さし)」と言うらしい。察するに、地質的に「砂」の含有量が多いんじゃないかな?

外側へ堆積を繰り返しているため、野付半島は東に伸びている。反対に内側(野付湾)は浸食され、海化が進む。

トドワラ食堂(だったかな?)に到着、ちょうど昼時だったんでラーメンを食う。磯の香りのするしょっぱい醤油ラーメン、ホタテやエビが乗っかっている。予想以上にうまかった。今日の晩メシは海の幸にしよう。

食い終わって、食堂の駐車場から観光名所トドワラを眺める。海水に浸食された湿原、タンチョウ鶴が飛んでいる。なかなかきれいな景色だ。ところでトドワラって何だ?

駐車場から見た野付湾。どうやら海の彼方に見える木々がトドワラらしい。

案内板を見てみると、トドワラってとこまでは2km弱、徒歩で行くらしい。

徒歩で2km!?

普段はデスクワークで運動不足のオレに往復4kmも歩けってか?最近のあっくんは、スポーツといえば競馬しかやっていない。昔はパチンコもやってたが、競馬だけじゃ運動不足は否めない(注:パチンコはれっきとした球技です)。そのオレに4kmも歩けってか?

そもそもオレは、キーボードを叩く力だけあれば生きて行ける。買い物時の重い荷物は全てかあちゃん任せ。そんな筋金入りの軟弱者、根性無しのあっくんに、トドワラは歩けと申すか?苦しゅうないトドワラよ、そちの方から近づいてたもれ!

うだうだ言っても一向にトドワラとの距離は縮まらないので、今回だけは特別にあっくんの方から近づいちゃることにした。ハマナスの花が咲く原野をてくてく歩く。途中パカパカと、馬の蹄の音がする。なんでこんな原野に馬がいる?オレが蹄の音を聞き間違えるはずがない。ふり返って見ると...

なんじゃあ、こりゃあ〜!

馬車があるなら早く言ってくれや!後で分かったんだが、トドワラまで片道500円で乗れた。かあ〜っ、最初から知っていれば、500円でも1.000円でも支払って馬車に乗ってたど!既に1km以上歩いている。もちろん途中乗車できる停留所なんて無い。仕方がないので、あっくんはけなげにもそのまま歩いた。てなわけで、2kmの道のりを徒歩で走破したあっくんは、見事トドワラに到着!あっぱれじゃ!自分で自分を誉めてあげたいね(^^)。オレってひょっとして体育会系?

これがトドワラ。写真に写ってる木はトドマツ林。近くにあった案内板によると、ここは元々緑豊かな草原だったらしい。それが長年の海水による浸食で、木々がそのまま立ち枯れてしまった。それがトドワラ。まさに砂嘴(さし)ならではの現象だ。勉強になるねえ(^^)。奥さん、お子さんの受験勉強のお供には、あっくん帝国でっせ!

「馬車が出るよお〜!」

遠くから係員の声が聞こえる。トドワラから馬車乗り場までは200m以上ある。

く〜っ、間に合わねえ〜!(>_<)

結局帰りも徒歩だった。

トドワラから見た駐車場方面。赤い屋根がラーメン食った食堂。あんなところから歩いたんですぜ。オレってタフやなあ。