史上最強の五日目(その1)


AM7:00、食事の用意ができましたとの呼び声で目が覚める。前もって朝食はキャンセルしていた。だって新鮮な牛乳飲み放題のパン食なんだもーん。あのシェフが作る朝食だから、うまいのは間違いないが、朝っぱらから牛乳飲んだ日にゃあーた、ピーヒャラピーヒャラ パッパパラパア〜でっせ。

手早く朝の身支度。天気は曇りだが、雨の心配は無さそうだ。今日の予定は摩周観光の後、中標津の平原を散策、根室(納沙布岬)までの旅。よーするに道東をうろうろするわけやね。

さくさくチェックアウト、例によってスカちんの始動にてこずる。

キュルルッ... キュルルルッ....

気温が低いため、何の反応もなし。しばらく間をとって、

キュルッ、キュルルルッ...ヴヴッ、プスン!

連日数百キロ走ってるんで、バッテリーが上がる心配はないが、きちんと直さにゃエンジンにも悪影響与えそうだなあ。

キュルッ、キュルルルッ...ヴヴッ、ヴオオォーーン!

いつも以上に十分な暖気、荷物を整理していると、

「うわあ、スカイライン!懐かしいわあ〜!」

うら若き乙女の声(爆)。ふり返ると、同じくチェックアウトした女性ライダーが佇んでいた。

「あら、この車をご存知なんですか?」
「ええ、昔のスカイラインですよねえ。こんなにきれいなのは初めて見ましたわ」

もっと誉めていいぞお〜!(←影の声)

「ジャパンていう愛称を持ってるスカイラインなんだけど、ご存知?」
「いえ、そこまでは詳しく知りませんけど有名な車でしたわよね、これ」

お姉すゎん、朝メシ奢ろうかぁ〜(←同じく影の声)

「北九州からいらしたんですか?」
「いえ、神奈川からです」
「えぇ〜っ!? 私、相模大野なんですよ」

同じ小田急線かよ!(←影のツッコミ)

話を聞くと、お姉すゎんのご職業は教師らしい。「女教師」、この響きを聞くだけで、不健全な精神の塊あっくんは赤面してしまふ。

オレも生徒になって、お姉すゎんに叱られたいっ!(←影の自我崩壊)

2週間の休みを利用して、バイクで北海道を旅行されてるとか。バイクの旅ってのも気持ち良さそうだが、降雨時は極端にスピードダウンしなきゃならないし、何より走行中にタバコが吸えない(苦笑)。あっくんには無理だな。

「道中お気をつけて!」

お姉すゎんから先に出発、摩周湖方面に走り去っていった。あっくんは反対方向、ひとまずコンビニ/ガソリンスタンド方向を目指して出発した。

弟子屈のセイコーマートに到着、"あたたか〜い"缶コーヒーを飲む。ついでに昨日買った蒸しパンもひとかじり。今日は8月29日水曜日。朝早いせいか、コミックバンチはまだ出てなかった。次に対面のガソリンスタンドに移動、ハイオク満タン。リッター116円だった。
 

燃費情報(その5)

旭川から弟子屈までの走行距離 361km
給油量 32L
燃費(1Lあたりの走行距離) 11.3km

あれれっ、あれだけ峠を走ったのに、リッター11km行ってる。わからんもんやねえ。

さーて、摩周湖に行きましょうかねえ。今来た道を逆走、摩周湖を目指す。上り坂が続く直線道路。この辺は冬場、地吹雪が凄いところだ。たしか去年の冬も事故があったよなあ。雨天走行時に前方走行車の水しぶきが上がって、視界不良となるでしょ。地吹雪とは、それの雪バージョン。全く前が見えなくなるらしい。積雪時は車に乗らないあっくんはよく知らんけどね。

摩周第一展望台に到着する。ここが一般的な展望台かな。駐車料金は400円。リスに餌あげたい方は行ってみてください。あっくんは第3展望台フェチ(^^)なのでそのまま通過する。予想通り霧が出てきた。

第3展望台に到着、スカちんを停める。久々の霧の摩周湖。霧の彼方に摩周岳が見える。写真を撮ろうと思ったが、あっという間に見えなくなった。

しばし霧をぼーっと眺める。あたり一面真っ白。霧の摩周ってのもなかなか味がありますぜ。本レポートを読んでらっしゃる方は面白くもなんともないでしょうけどね(^^;

正真正銘、霧の写真(爆)。晴れてたら、このアングルはカムイッシュ島が写っているはず。

ふと下に目をやると、霧の彼方からわずかに湖面が見える。すかさず一枚パチリ。再び霧に覆われ、何も見えなくなった。

今回のレポートは、基本的に2001年に撮った写真しか掲載してないんですが、これじゃ全然伝わらないんで、1996年に撮った摩周ブルーをちょっとお見せしましょう。尚、摩周湖の全体像は去年のレポートの一部をご参照ください。

今年撮った写真とほぼ同じアングルの摩周湖。ちょうど第3展望台の右下あたりの湖面。

さてと、そろそろ行きますか。スカちんに戻って坂を下る。今度は、去年遊んだカントの深いワインディング道路を走る(注:摩周湖展望台には2通りの行き方があります。今年は往路と復路それぞれ違う道を走りました)。

カラカラカラッ...

マッドカバーがアスファルトと擦れ合う。タワーバー装着時のステアリング操作にも慣れてきた。気分爽快!(^^)

程なく「わ」ナンバーのセダンに捕まる。あのドライバー、ちゃんとコーナー手前で減速してるな。よっしゃよっしゃ、わかっとるやないけ。そんなに遅い「わ」じゃないんだが、連続するコーナーではすぐに詰まってしまう。こっちも競争しているわけじゃないんで、十分に車間距離とってるんだが、「わ」とはコーナーリング速度が全然違う。逆にいえば、直線速度はもっと違うんだけどね(笑)。こっちは直線/カーブ共にほぼ同じ速度で走っているだけ。

摩周湖ふもとの直線道路に出ると、あっという間に「わ」は見えなくなった。あのスピードじゃ、シカさんに飛び出されたらアウトだな。飛ばすのは勝手だが、オレの前だけでは事故んなよ!

国道391号線に入って弟子屈方面へ走る。これで摩周のふもとを一周したことになる。弟子屈から243号線へ左折、一路中標津(なかしべつ)方面へ。次の目的地は今回の旅行のメインエベント、う〜、かい〜よ〜、背中がかい〜よ〜、かい〜よ〜、

開陽台!(←ベタやなあ)

とにかく今向かっている中標津は、見渡す限り牧草地が広がっているだけで、観光名所はなーんにもないところ。ところが、なーんにもないこと自体が名所だと気づき始めた。初めに気づいたのは観光ライダーだったらしい。それで開陽台という丘に、展望台とキャンプ場ができたんだそうな。とにかくツアー旅行じゃまずお目にかかれない、それでいて最も北海道らしいところ、それが開陽台です。

国道243号線から道道885号線へ、標識どおりに開陽台を目指す。あたり一面牧草地、どこまでも続く直線道路、これぞ北海道。この辺の道路は、一辺が何kmもある碁盤の目になっているので、初めて来られる方は迷子にならないよう注意しましょう。

ちょっとした雑木林を縫うような小道を上った丘が開陽台。駐車場にスカちんを停めて、展望台に上がる。

いやいや絶景!

360度の大パノラマ!曇り空とはいえ視界は良好、本当に地球が丸く見える。その一部をご紹介しましょう。

展望台から見た南東方向。中標津の平野が広がる。碁盤の目のように、規則正しく道路が走ってますね。

 

これが西方向。写真右端に見える、雲がかかっている山が摩周岳かもしれないが、確認できなかった。

う〜ん、噂には聞いてたが、いいところやね。さて、そろそろ行きましょうかねえ。えっ、旅のメインエベントはこれで終わりかって?いえいえ、これから行くところがメインなんです。展望台から降りて、駐車場までてくてく歩く。どこからともなくギターの音色が聞こえる。あのギターのメロディー......まさかっ!?

光明寺の人造人間!

おのれ〜っ、奴を探せ!どこだっ、どこにいる?

あっ、あそこだあ〜っ!!

バーブ佐竹は低音の魅力♪