スカちんを作ろう!(その4)


4. 各パーツの整形

さてさて、いつまでも落ち込んでるわけにはいかんね。作業再開じゃ!
お次は問題のフロント周り。もう一度仮組み状態の写真をご覧ください。

フロントグリルとバンパーが出っ張りすぎているが、ボンネットやフェンダーのモールはちょうどいい。これが問題なんだ。

このように、フロント周りは1ピースで成型されている。ここに出っ張りすぎている箇所と、ちょうどいい箇所が混在しているわけ。修正するためには、実車同様にパーツ分割する必要がある。手間はかかるが、やってみるか。破壊なくして創造なし!破壊王の教えに従い、あっくんはレザーソー(のこぎり)を手にした。
 

まずはフロントパーツを3枚におろす。こういう場合、まな板代わりにかまぼこ板を利用すると便利です。
バンパーは2mm切断、整形。
アンダーモールがグリルのステーを兼ねている。グリルを引っ込めるため、接着位置に2mmの切り欠きを入れる。
アッパー/サイドモールは、不要となったグリルの「受け」部分を削り取って整形。
バンパーが2mm短くなるのだから、当然コーナーラバーも2mm詰める。元々フロントコーナーラバーは、リアのそれと比較して2mm長い。このことからフロント周りを(1mmや3mmでなく)2mm加工することにした。
へいらっしゃい!今日は活きのいいラバーが入ってるよ!
ささっ、食いねえ食いねえ、ラバー食いねえ!江戸っ子だってねえ?
八王子の生まれよ。

 

再び仮組んだフロントマスク。これでやっと前期の顔になった。

 

リアは、ガーニッシュとバンパーの間が開き過ぎ。これを1mm詰めるとなると、ボディを切断しなければならないし、シャーシのはめ込みにも支障をきたしてしまうため、何も手をつけなかった。プラモデル製作は、自分の技量に基づいて、「何をどこまで手を入れるか?」見極めることが、完成への道となる。

さてと、お次はキットに存在しないパーツを作っちゃいましょう。まずはリフレクター(反射板)。後期型のリフレクターは、2重丸のテールライトに収まってるが、前期型はリアバンパーに付いている。キットには付属されてないので新造する必要がある。

これが実車のリフレクター。北海道旅行の真っ最中に撮った一枚なので、ボディは泥だらけ。

ここでちょっと考える。リフレクターは、プラ板の積層から削り出そうと思ったんだが、どうも見栄えがしない。実車と異なる形でも、それらしく見えればいいんだが、うまく作れそうに無い。どうしようか....... いろいろ悩んだ末、プラモ屋へ行くことにした。

ジャパン前期型のパーツに困った場合、先代のケンメリに頼るのは定番。ケンメリ後期(C111)とジャパン前期(C210)とは、同一パーツを多数使用している。エアフロやインジェクション、EGIパーツ等、エンジン周りはほとんど同一。これは、両車とも昭和51年排ガス規制対応だから。逆に同じジャパンでも、昭和53年排ガス規制対応のC211とは互換性が無い。この辺は復活の日でレポートしたとおり。

話が脱線してしまったが、プラモデルにおいても同じことが言える。プラモ屋で、パーツを一通り確認して購入したのがこれ。

はじめからドナー目的で、プラモデルを買うのは2度目だ。

まずはリフレクターを移植するのが目的なんだが、このキットにはエッチングパーツという特典が付いている。当然ながら、これも流用。
 

これがケンメリ付属のエッチングパーツ。GTバッジとSkylineエンブレムは、既に取り外してある。
素材は金属板だから、プライマーを吹いて塗装したエッチングがこれ。塗装に2回失敗したりで、丸一日かかっちまった。面相筆は、極細用に刷毛をカットしている。これと綿棒で仕上げるもんだから、肩と目が疲れること!
で、問題のリフレクターがこれ。デザインナイフで慎重にバンパーから切り離す。このケンメリ、他にも流用できそうなパーツがあるな。フェンダーミラーとか、ジャパンのそれよりはるかにいい造形だ。そこでパーツを一つずつ確認して、仕分けてみることにした。
流用するケンメリパーツ群。ギアシフト、サイドブレーキ、クラッチ/ブレーキ/アクセル、バックミラー等。これらのジャパンパーツは、どれも貧相(写す価値無し)。ジャパンはろくにリサーチしなかったね、アオシマさん?
またまた話が脱線するがこのケンメリ、まともに作るとなると、これまた大変。サーフィンラインが全然違う。これは「竹ヒゴで押し出した」箱スカのライン。「スプーンでえぐった」ケンメリラインを出すには、フェンダー内側にパテ盛って削りだす必要がありそう。

ところでジャパンのボディだが、エンブレムをエッチングに変更するんで、モールドを削る必要が出てきた。せっかく仕上げたボディだけど、またまた修正。
 

Skylineエンブレム、GTバッジモールドをヤスリで削り落とし、またまたペーパーがけ。
ついでに鍵穴モールドも削って、ピンバイスで穴あけ。ここは虫ピンで表現することにした。尚、ボディが汚れてるのは、穴あけに失敗して瞬接で修正したから。(^^;

お次はフォグライト。これはキット付属のフェンダーミラーを流用することにした。フェンダーミラー自体はケンメリから移植するので、余ったジャパンミラーをフォグライトに改造するわけ。
 

ジャパンフェンダーミラーのステーをカット、プラのヒケ(痩せている部分)をパテで修正する。また、ピンバイスで3mmの穴を開けておく。何の穴かは秘密(笑)。完成時に明らかになります。クリアパーツは、これまた不要パーツの武蔵角ライトから切り出した。
尚、ケンメリのフェンダーミラーは、そのまま流用するわけではない。ケンメリミラーは、ステーの形状がジャパンと異なるので、ステーは先ほど切り取ったジャパンのものにした。

そうそう、ワイパーも一工夫しなければ。キット付属のワイパーは、いかにもプラモデルって感じでリアリティが無い。そこで、エッチングパーツを使用することにした。
 

エッチングは後期4枚から流用。このキットだけ、ワイパーがエッチングになっている。

エッチングの加工もフリーハンドじゃ無理。プライヤーを持ってないので、ステンレス定規やデザインナイフを駆使して丁寧に折り曲げる。極力フリーハンドを避けるのが、模型製作の基本。

おっと、ステアリングのメッキも落としておかなければ。このキットは、前期ステアリングが付いてるのはありがたいんだが、グリルと同じランナーに収まってるため、メッキ処理が施されている。従って、メッキを全て落とす必要がありんす。てなわけで、ハイター風呂にドボン!
 

2〜3倍に薄めたハイターにつけるとメッキが剥がれます。

このキットはまだまだ手がかかる。今度はシート。背もたれ部が痩せすぎてるので、パテで太らせる。

ふう〜っ、これでやっと、各パーツの修正完了かな?

今回、作ってて分かったんだが、自分の車は作らないほうがいい。実車を嫌というほど知ってるんで、キットの相違が鼻につき過ぎてしまう。あれこれ手を入れて、時間がかかり過ぎて、結局未完となる可能性が高くなる。プラモデルってのは、もっと大らかに作らなくちゃねえ。

で、この後なんだが、まだまだ塗装はできない。これから部品一つ一つのパーティングラインを消しつつ、表面処理を行わなければならない。平たく言うと、全パーツにペーパーを当て直すわけ。メチャメチャ辛気臭い作業だが、これをやるのとやらないのでは、完成度に大きな差が出る。不器用な人間が作るんだから、このような地道な作業は当然。とは言っても、ほんとマジで気がめいる作業なんで、長時間は無理。寝る前の一時間、シコシコとティッシュサンドペーパーを消費する毎日が続いた.....