スカちんを作ろう!(その5)


5. ボディの塗装

それでは塗装作業に入りたいと思います。まずはボディから。一般的にカーモデルの塗装は、下地としてサーフェサーを吹くのが正統派ストロングスタイル。あっくんは今回、モデラーズ社のピンクサーフェサーを吹くことにした。

ボディ色が赤系の場合、発色を良くするため、下地色にイエローかピンクを使用するのが王道。

さて、モデラーズの缶スプレーは、総じて乾燥が遅い。その代わり、「伸び」はいいんだけどね。このため、1週間このまま放置プレーとしておく。

いよいよ着色。前述の通り、模型塗料にメタリックワインレッドは無い。化粧品店でマニキュアも探したが、該当色が無かったのも前述の通り。そこで考えたのが、EVA初号機でもトライした2重発色処理。

平たく言うと、単なる重ね塗り(笑)。人間の目は、物に反射した光を受光して、その色を識別する。例えば、りんごは赤い光を反射し、緑と青は吸収するから、「赤いりんご」と識別できるわけ。要するに、それらしい色を反射させれば何とかなるってこと。これを踏まえて、メタリックワインレッドを作ってみる。

まずワイン。あなたがプラモデラーで、赤ワイン色を出すとしたら、どんな色を選択しますか?あたしゃ迷わずクリアーレッド。けっこう深い赤だよね。てなわけで、クリアレッドを吹く。クリア系は色ムラが目立つから、薄く均等に吹くことを心がける。

言い忘れたが、サーフェサーを吹いた後、1500番のペーパーでボディ全体を均しておいた。下地処理はしつこいくらいやっておいて損はない。

これでワインは出せた。残りはメタリックとレッド。ミスターカラー75番がそのまんま「メタリックレッド」なので、これを吹く。

クリアレッド層がワインを反射、メタリックレッド層がメタリックとレッドを反射する。こうすることによって人間の目は、メタリックワインレッドを識別する(はず)。ちなみにクリアレッドを吹いてから1日乾かして、メタリックレッドを吹きました。

最後はお決まりのクリア。モデラーズのそれを何回も塗り重ねる。今回は3日かけて吹きました。

これでボディの塗装は終わり。あとはシンナーが完全に飛び、塗膜が落ち着くまで乾燥させる。最低2週間(できれば一ヶ月)は放置プレー。ちなみに食器乾燥機に入れて、乾燥時間を短縮させるモデラーもいらっしゃるそうですね。文明の利器やなあ。
 

6. シャーシの塗装、組み立て

さて、ボディを乾燥させてる間にシャーシを仕上げてしまいませう。カーモデルの場合、シャーシはほとんどつや消し黒で賄う。黒く塗る大小パーツをかき集めて、一気にスプレー塗装。細かいパーツは、荷造りテープ(笑)に貼り付け。もちろん塗装しない部分を下にしてね。洗濯バサミ(とつまようじ)は必需品。かあちゃんにバレないように拝借しましょう。

「おかしいねえ、洗濯バサミが少なか。あんた知らんね?」
「知らん」
「知らんわけなかろうが、なんしよんね、あんたは!」
「まだ使えるっちゃ」
「使えるわけなかろうもん、こげんばっちゅーしてからに!」
大昔の会話です。

お次は内装。スカちんの内装は、黒ではなくベージュ。ミスターカラーのタンをベースにする。ところで、カーモデルの内装は、どーしても冷たく固くなりがち。素材がプラだから仕方ないんだが、実際のシートのような「柔らかさ」を表現したいところ。モコモコとした柔らかさを少しでも出したい。そこで少々工夫することにした。名づけて、内装モコモコ大作戦!(←頭悪う〜っ!)
 

内装モコモコ大作戦その1:

内装はボディとは逆に、厚ぼったさが欲しい。そこでサーフェサーを吹いた。
と、文章で書けば簡単だが、吹いてる途中でサーフェサーが切れたり、地震でパーツが倒れたりして、丸2日かかっちまった。なんちゅー手際の悪さじゃ!

内装モコモコ大作戦その2:

タン(ラッカー)を吹いたら、今度はタミヤカラーのフラットフレッシュ(エナメル)でドライブラシ。ドライブラシとはその名の通り、筆につけた塗料をティッシュ等でぬぐって、カサカサ状態にして塗ること。婦女子様が白粉や頬紅をパタパタやるのと同じやね。こうしてモールド(凸凹)にメリハリをつけて、立体感を出してやる。最後につや消しのトップコート(アクリル)を吹いて、トーンを整えた。

内装モコモコ大作戦その3:

フロアマットを敷いて、柔らかさを演出しませう。フロアにトレーシングペーパーを当てて寸法を出す。でもって、ベージュのフェルトを寸法どおりに切り出す。そして両面テープで貼り付け。このために、運転席足元のモータースイッチ跡がジャマだったわけです。ちなみにフェルトは手芸屋さんで購入。

余談だが、このあたりで、毎年恒例の北海道旅行やら台風やら競馬やらで、模型制作は一ヶ月中断した。台風で雨が降るとスプレー塗装できないし、ディープインパクトが菊花賞に向けて始動するし、ああ大変!さらに読書の秋たけなわ、毎年この時期は無性に本が読みたくなる。去年は諸星大二郎を読み漁ったが、今年は電車男。エルメスたんに(;´Д`)ハアハアしてたら、あっという間に9月が過ぎ去っていた。

いつまで怠けてるの?いいかげん目覚めなさい!

阿久津先生がいたら、きっとこう叱られただろう。そろそろ模型制作に戻らねば.....

と思った矢先、今度はスカちん(実車)にトラブルが....
走行中に突然エンストするという恐怖のトラブル!話せば長くなるので詳細は省くが、実車の対応におおわらわで、またまた模型制作が遅れてしまった。