「"Life is wonderful", What do you say in Jpanese?」
「人生は、いいものだ」
「...ジンセイハ イイモノダ」
イタリア風邪が世界中に蔓延して、人類は南極でしか生き延びることができなかった...
北海道旅行を終え、入院してから3ヶ月、長かった、実に長かった.... レストア以外で、こんなに長期間入院するのは初めての経験でした。と言っても、3ヶ月間ずっと手を入れてたわけではありません。修理期間は実質1ヶ月くらい。のべ2ヶ月は手をつけられない状態が続いてました。だから余計に辛かった。自分で手を出せる技術ないもんねえ。まずはどのような状況だったか、3ヶ月間の経過からお話しましょうか。
・エンジンが冷えている時のスタート不良
・リアシート右側の雨漏り
この2つを直すことが目的だった。それがこんな長期入院になろうとは....
「変ですねえ...」
「何が?」
「ウインドウの隙間から雨水が入るのは当然なんです。どんな車でも多少は入るんですよ。それで、入った雨水は外部に排出されるはずなんだけど、何で内側に入ってくるのかな?」
ちょうどそこに、工場長が通りかかった。
「あ、○○君(←工場長の名前)、ウインドウサイドから入った水が何で内部に溜まるの?」
「ビニールが破れてるんだろ」
「工場長、ところでスタート不良の方は?」
「うーん、まだ症状が確認できてないんですよ。もうちょっと待っててください」
そうか、オレも気温の低い北海道で確認できたんだもんな。残暑厳しい9月の東京じゃ、症状は出にくい。しゃーないか。
「こんちは、この様子じゃ症状出たみたいですねえ」
「うん、火曜の朝確認できた」
「それで、原因は電気系統だったんですか?」
「うーん、どこが悪いとははっきり言えないけど、電気系なのは間違いないね」
「それでねえKAZさん、今、資料を取り寄せてる最中だから、もう少し時間下さいよ」
「ええ、それは一向に構いません。よろしくお願いします」
工場長も忙しそうだったので、この日はすぐに帰宅した。資料が届いたら、すぐに解決するやろ。ところで資料って、一体どんな資料なんだ?もうちょっと詳しく聞いとけばよかったなあ。
「工場長、整備書借りてきたんだけど、役に立ちますか?」
「だめだめ、こんな簡単な資料じゃ役に立たないよ」
いよいよ電気系統のチェックが始まったスカちん。ちなみにボンネットの防音/断熱材は、KID号のそれを移植したものです。 |
10月だというのに、ホイールにはまだ北海道の泥が.... |
「こんちは!」
「あ、KAZさん、いらっしゃい。(修理は)まだのようですよ」
「そうですか、時間はいくらかかっても構いませんから宜しく。ところで、車検もお願いしたいんですが」
「...あそうか!そんな季節か」
「ええ、あと1ヶ月で車検が切れるんですよ。入院ついでにお願いします」
「わかりました」
「それで、今度このオイルと添加剤を入れてください」
ムモちゃんにぶら下げてきたオイルを渡す。
「...これは見たことの無いオイルですねえ」
「そうですか、バーダルっていうメーカのオイルと添加剤なんですよ。L20に最適だって聞きましてねえ。それと、このスイッチングモジュールも交換してください」
レッドGTさんから頂いたモジュレータも渡す。簡単に言えば、これは温度センサー制御装置。マフラーや触媒、シャーシ等の温度センサーを管理している。センサーが温度異常を検出したら、このモジュレータが計器板の「EXT TEMP」を点灯させるわけ。スカちんのモジュレータは、10年以上前からおかしくて、異常でもないのに「EXT TEMP」が点いたり消えたりしていた。このモジュレータはC210独自のもので、C211と互換性が無い(ひょっとしたらケンメリ後期型と互換性あるかな?)。いろいろ探してたんだが見つからず、10年以上の月日が流れていた。ところが、レッドGTさんが見つけてきてくださったんで、鶴巣オフの時に受け取ってたわけ。
スカちんのところへ行ってみると、ヒューズボックス近辺のコネクタ群が、ごっそり取り外され、代わりにテスターの針が刺さっている!そばにはコネクタ総合カタログのような本が開かれている。工場長が言ってた資料って、このことだったかあ。話を聞くと、ハーネスの一本一本にテスターを当て、抵抗を計ってるとのこと。
手前に見えるのがコネクタ総合資料。ヒューズボックス近辺は解体され、何とも言えない状態(^^; |
EGI近辺のハーネスを厚紙に貼り付け、一本一本仕分けしている。それらにラベルを貼って、ハーネスを丸ごと新造しようとしている!こんな写真、めったにお目にかかれないですぜ。 |
工場長もスカちんだけの面倒を見てるわけじゃないし、こりゃまだまだ時間がかかるな。
「お手数おかけして、ほんと申し訳ありませんが、よろしくお願いしますm(__)m」
この後しばらく、ヤマトから連絡があるまでは動かないことにした。
「KAZさん、エキゾーストマニホールド入手できないかな?」
「えっ、排気管?」
「エキゾーストから排ガスが漏れてて、車検通らないんだ。いろいろ探したんだけど、エキマニだけどーしても手に入らなくてねえ」
「ということは、電気系のトラブルは解決したんですか?」
「うん、そっちの方は大丈夫。これも部品(リレー)が無いけど、こっちで加工して何とかしますわ」
「分かりました、ありがとうございます。それじゃ早速エキマニ探してみますね」
これがスカちんのエキゾーストマニホールド。右側に刻印されている「JAPAN U98」というのが型番らしい。 |
C210のエキゾーストマニホールド、スカちんは51年排ガス対策車だから、C211(53年排ガス対策車)と互換性が無いことは、あっくんにも察しがつく。急いでとまやんさん、MAXさんに連絡。調べて頂いた結果、やっぱりC210独自のエキマニのようだ。当然後期型のオーナーにはストックは無い。次はどこだ?........!!
こういう時はどーしても、思考がネガティブになってしまう。もし東北の解体車がC211だったらどーしよう?エキマニが割れてたらどーしよう?他に打つ手はないかあ?..........!!
矢印の先にあるボルト穴が見えます?あれにこの後、悩まされるんだ。 |
う〜ん、北海道ルートはダメかあ。やはり東北ルートに望みを繋ぐしかないか。(omoteさん、いろいろご対応頂き、本当にありがとうございました!)
この時は平日の昼間。仕事中のあっくんは身動きが取れない。一体どこのネジなんだあ?悶々と仕事をこなす。ストレス溜まりまくり!こんな毎日じゃ体が持たない。毎日の酒の量も増える一方。分かっちゃいるけど止められない(^^;
この日は速攻で帰宅して、レッドGTさんに電話。状況を聞いてみると、エキマニから排ガスの一部をインマニに戻すためのノズルが折れているらしい。どうやら(宅急便で)配送中に折れたみたい。
「ありがとうございます!」
お礼を言って電話を切った。が、嫌な予感がするなあ。
先のエキマニ写真でお見せしたボルト穴には、上図のパイプネジが取り付けられる。 |
図をご覧になってお分りの通り、これはEGR用のパーツ。このノズル、正式にはソニックノズル(一般的にはオリフィスノズル)というらしい。で、C211用のソニックノズルは、実はKID号のそれを持っている。それで、C210と互換性が無いことは知っていた(C211の方が一回り大きい)。ひょっとして....
完成するまで、しばらく時間がかかるなあ。
ジャッキアップされたスカちん。悲惨やなあ〜。でも、久々に4本の脚をブラブラさせて、リラックスしているようにも見える。 |
取り外されたインマニ、エキマニ。左の段ボールには、取り寄せた交換部品(ダクトホース等)が入っている。 |
ワンメイクで新造されたハーネス群。インジェクタへのコネクタは、全て工場長が新造した。 |
インマニ、エキマニが取り外され、ガランとしたエンジンルーム。交換されたスタッドボルトがキラリ光ってますね。こうやって見ると、L20ってスリムなんやねえ。 |
1着:ジャングルポケット
2着:テイエムオペラオー
3着:ナリタトップロード
4着:ステイゴールド
5着:メイショウドトウ
かあ〜っ、ステイゴールドが3着に来てたらプラスだったんやけどなあ。馬券的にはマイナスだったが、なかなか見ごたえのあるジャパンカップでした。
「ノズルできました?」
「うん、できたんでエンジン組み上げたんだけど、漏電しててバッテリーが上がってるんだよ。調べてるから、もうちょっと時間下さい」
3歩進んで2歩下がる。リレーの新造箇所がうまくできてないのかな?とりあえずノズルが出来たんで一安心。Oo(-。-)/
「いやいや、本当に長い間、いろいろありがとうございました!」
工場長から状況を聞く。コネクタ部分は、年月経過でどーしても腐食してくる。バッテリー液が漏れると、周辺が青緑色に腐食してくるでしょ?あれと同じで、ハーネスの接点であるコネクタ部分が腐食、電気抵抗が大きくなってたのが、スタート不良の原因だったらしい。当時の日産車は特に、この症状が出やすいとのこと。そういえば、日産車の弱点は電気系統って、よく聞くもんね。でもって漏電箇所は、ヒューズボックス周辺だったそうだ。あの辺りは今回、ほとんど新造したからねえ。ボンネットを開けて覗き込むと、ワンメイクのソニックノズルが黒光りしている。結局スカちんのエキマニは、変形してて使えなかったそうだ。スタッドボルトが折れたのは、かなり前だったみたい。その間にエンジンの熱によって、徐々にエキマニが変形して、排ガス漏れしてたんだな。そういえば何年か前、排ガスが逆流してアイドリングが不安定になったことがあったなあ。
それで結局、レッドGTさんから送って頂いたエキマニを取り付けたわけ。ソニックノズルは使えなかったが、エキマニは無駄にはならなかった。もしレッドGTさんからエキマニを頂けなかったら、それこそワンメイクどころの騒ぎじゃ済まなかった。改めてレッドGTさんに感謝です。m(__)m
スカちんのドアを開けて荷物を放り込む。
「今回は時間があったんで、いろいろ探して出てきた部品を取り替えたんですよ」
工場長が、ドアブリッジを指差す。
ドア受け(ストライカー)が新品と交換されている!一発でドアが閉まるようになった!
「この部品、出たんですか!?」
「うん、アクセルリンケージも交換しておいた」
おおっ!アクセルの戻りにも張りが戻ってる!長期入院は無駄ではなかった。工場長がスカちんのネガティブな部分をチェックして、入手できる部品を全て交換して下さってた!
3ヶ月ぶりにスカちんに乗り込む。
「昨日少し走ってみたけど、大丈夫だったよ。これでしばらく走ってみてください」
工場長は昨日のうちに試運転して下さってたようだ。しばし工場長と談笑。
「来年はフロントディスクブレーキかな。リアのドラムは今回オーバーホールしたんだけど、フロントはディスクローターが錆付いてきて、若干効きが弱くなってるみたい」
「そうですか、これから走ってみて感触を確かめてみます」
「これでしばらくは大丈夫だから、大事に乗ってくださいよ」
「はい、本当にいろいろありがとうございました!」
工場長とスタッフの方みなさんにお礼を言って出発、サイドブレーキを落とす。
「それじゃどうも!」
ゆっくりと加速.... ん? 1速から3速に入れても、滑らかに加速する。
EXT TEMP警告灯も誤作動しない。電探、ラジオ、CD、各種ギミックetc. 全て正常!
洗車中のスカちん。3ヶ月ぶりに北海道の泥を落とす。ボンネットやドアに白く写ってるのは、拭き取り前のAURI。 |
取付け前のマッドガード。右の2つがフロント用、左の2つがリア用。全てあっくんの手作りやど。 |
EGIリレー | ヒューズブルリンク × 4 | マニホールドガスケット |
エキゾーストガスケット | スロットルボディガスケット | エキゾーストマニホールド |
マニホールドナット/ワッシャ/カラー | EGRパイプ(ソニックノズル) | インテークダクトホース |
アクセルリンケージブラケット | マニホールドスタッドボルト × 4 | 右リアフェンダーシーリングスクリーン |
ブチルテープ(笑) | ドアストライカー × 2 | リアブレーキホイルシリンダーAssy. × 2 |
ブレーキフルード | エンジンオイル | オイルエレメント |
ラジエータークーラント | タイロッドエンドブーツ × 5 | ステアリングアイドラアームAssy. |
製造から四半世紀が経過しようとしているスカちん。ジャパンに限らず、旧車はいろんなところが年月経過で傷んできます。みなさんも一度、燃料系/電気系/排気系の接点(コネクトポイント)を中心に、愛車の点検をされてみては如何ですか?