二日目(その2)


時刻はAM11:30過ぎ、そろそろ出発するかあ。この後のルートだが、どうしようか?次の目的地は洞爺湖。例年通り、噴火湾沿いの国道37号線を走るルートと、高速を使う2通りのルートがある。国道37号を使うと、洞爺湖まで1時間以上かかる。が、眺めは最高。別に急ぐ必要もないし、いつもはこのルートを使うんだが、今年はちょっとした事情があった。初めに書いたように、今日は小樽まで走る予定だった。つまりですねえ、今年はハイカを多めに買ってるわけ。ご存知の通り、ハイカは2006年3月で使用不能になる。小樽まで走る分までハイカを買ってるので、どう考えてもハイカが余ってしまう。せっかく30k分も買ってしまったハイカ、少しでも多く使っておかなければ。てなわけで、今年は高速を使うことにした。

長万部ICから虻田洞爺湖ICへ高速走行。交通量はほとんど無い。

 

バチバチッ!!

高架線の下を通るたびにラジオに雑音が入る。やっぱ高架線って、すごい電磁波を出してるんやね。

虻田洞爺湖ICに到着、1.450円をハイカで支払う。さてと、ここから洞爺湖温泉街に抜けませう。例年なら、昭和新山火祭りの時期に重なってるので、渋滞する温泉街は走らない。今年は火祭りの時期をずらしたので、久々に温泉街を走ってみようと思う。ええと、どう行くんだったっけ?

有珠山噴火時、温泉街に抜ける国道230号線が潰れてしまった。この辺は2001年のレポートで報告したとおり。あの当時は、迂回路の案内板が出てたんだが、今年は無くなっていた。この道だったっけ??とりあえず左折して農道に入ってみる.....

間違ったみたい!(^^;

1車線分の道幅しかなくなっちまった。この辺でUターンしよっと。その時、収穫した玉蜀黍(トウモロコシ)を積んだトラックがやってきた。ちょうどいい、道を聞いてみよう。

「すいません、この辺に洞爺湖温泉街に抜ける道なかったですっけ?」
「あるよ、これからそこを通るから、ついてきな」
「ありがとうございます、助かります!」

急いでUターン、トラックの後を追走して、今来た道を戻る。どの道を入るんじゃ......

左折じゃなくて、右折するんやったか!

ほう、こっちやったんか。住宅地を抜けると道が開けた。山間を登る楽しいワインディングロード!

 

トラックの後を追走する。この道、あっくんが持ってる道路地図には載ってない。迷ったはずじゃ。
頂上を越えると洞爺湖が見えてきた。

 

 

坂を下ると、噴火口が見えてきた。今となっては、絶好の観光名所やね。道案内してくれたトラックとは、ここでお別れ。

「どうも、ありがとう〜〜!」

洞爺湖のほとりで手を振って、トラックと別れた。

噴火口近辺で撮った一枚。未だに蒸気が立ち昇っている。

温泉街を久々に走る。目指すは昭和新山。火祭りの日は前述の通り、国道37号線を使って、有珠山を大きく迂回するんですねえ。

というわけで、昭和新山到着。今年で最後だから、熊たちにも別れの挨拶をしておこう。あれっ、スナップ君は今年元気が無いなあ。

 
 
 

お土産屋さんで熊笹茶を頂いて出発。次は温泉じゃ。炎天下で熊に餌やってたんで疲れちまった。そもそも昨日(今日)は2時間くらいしか寝てないからねえ。温泉に入ると、疲れがとれるんよ。副作用として眠くなっちまうけどね(苦笑)。

洞爺湖畔を壮瞥町方面へひた走る。正面に写ってるのが中島。

壮瞥(そうべつ)町をらっくりと走る。最後のレポートなんで書いちゃいましょう。あっくんが毎年寄るのは、壮瞥町の湯人(ゆのと)温泉です。ネットでサーチしてみると数件ヒットしたんで、公開する次第。壮瞥町の山あいにある隠れ家のような宿。すごい勢いのジャグジー風呂があって、疲れが一気に取れる。

時刻はPM4:00近い。さて、あとは一気に苫小牧に入るか。湯人温泉さん、これまで毎年ありがとうございました。寝不足で一番きつい2日目で、どんなに癒されたことか。またいつの日か伺わせて頂きます。長い間、本当にありがとうございました!

大滝村を通り抜けて、国道276号線に合流、一路美笛(びふえ)峠へ。大滝村側から入ると、トンネル入り口から一気に峠を駆け下ることになる。適度なアクセルワーク、時速は100km近くなってしまう。これが峠バカの旅!

 
 
 

 

これが美笛峠。支笏湖畔まで一気に駆け降りる。3速まで落とさなければならないコーナーも、何箇所かある。

峠を下ると、そこは支笏湖畔。木漏れ日の中をスカちんは走る。

なんだあ〜っ?

去年と景色が違う!うっそうとした針葉樹の森が、ところどころ消えている!

倒木だ!

 

かなりの広範囲に木がなぎ倒されている。ほんと、森が無くなって景色が変わっとるんよ。これはひょっとして、支笏湖の怪物シッシー(藁)のしわざか!?

すぐにピンときた。この犯人を多分あっくんは知っている。それは2004年の初秋、ちょうどあっくんが道北にいたときにやって来た台風18号だ。あの台風は猛烈な風を撒き散らした。あの時、あっくんとスカちんもひどい目に会ったんだが、この詳細は5日目に譲る。ともかく、大自然が剥き出しの北海道は、台風災害に弱いことがよく分かった旅だった。

苫小牧市街に到着、いつものダイエー駐車場に停車&アフターアイドリング。ビールに焼酎、惣菜を買う。あれっ、このダイエー、11月に閉店するんか!

ダイエーが店舗縮小しているのは知っていたが、まさか苫小牧店が閉店するとわ。まさに最後の買い物やね。ダイエー苫小牧店さん、これまで毎年、本当にお世話になりました。チーズかまぼこと間違えて、ドッグフードを買ったこともありました。苫小牧発のフェリーが台風で欠航した時、うまい100円コーヒーを飲んで気合入れて、嵐の中4時間で一気に函館まで走破したこともありました。惣菜のたこざんぎ、おいしゅうございました。ミネラルウォーター支笏の秘水、冷とうございました。これ以上書くと、円谷幸吉の遺書みたいになるので止めますが、今まで本当にありがとうございました!

今宵の宿泊は、ビジネスホテル元中野。旅の予定を変更して、急遽予約したホテルだ。この辺は何度も来てるんで、ネットにも出てないホテルや旅館を知っている。ちなみに、これまで利用していたHイーストジャパンは、何年か前潰れちまった。今は更地になっている。14回も北海道に来てると、いろんな変化に遭遇する。倒産するホテル、閉鎖するスーパー、潰れる牧場etc. いちいち感傷に浸るほど若くはない。時は流れる時代は変わる。

てなわけで、ビジネスホテル元中野にチェックイン、時刻は結局PM6:00を回っていた。本日の走行距離303km。チェックイン時に、ホテルの人に聞いてみる。

「支笏湖畔を走ったんですけど、かなりの倒木でした。どうしたんですか?」
「ああ、去年の台風なんですよ。支笏湖はカルデラ湖ですから、あの辺は風が渦を巻くんです」
「やっぱりそうでしたか。実はあの時、私は道北にいたんですよ。去年はほんとひどい目に会った。ところで倒れた木は手付かずのようでしたが?」
「予算が無いんで、何も手をつけられない状態が続いてるんですよ」

予想通りの答えが返ってきた。ただでさえ予算が削減されてるからなあ。こーゆーのは民営化じゃ絶対に無理。地方格差って問題もある。誰も指摘しないが、実は地方自治体ってのは千差万別で、地域毎の格差が激しいんですよ。住民に黙って産業廃棄物処理場を作ったり、地方税を支払う住民の声を全く聞かない自治体ってあるでしょ?具体的に、どこの自治体とは言わないが、どっちを向いて仕事してんだか、よくわからん自治体って多いよね。

ちなみに、本当に住民のための自治を行う地方自治体を一つだけ挙げましょうか。それは東京都府中市。なんてったって、オレらが毎週金を落としてってるから、お金あるもんねえ(笑)。

部屋に入って、早速ビール。テレビを付けると、丸山弁護士が武道館まであと5kmまで迫っていた。頑張れ、丸山弁護士!わしも昨日から、1.000km以上走ったど!

風呂に入って外出、いつもの居酒屋、秋田屋に向かう。おかみさんにも挨拶しとかなきゃ。

営業してない!

看板の明かりが消えている。どうしたんだろ?

店の前に、秋田ナンバーの車が停まっている。店内からは、笑い声が聞こえる。そうか、秋田からいらした親戚一同が会してるんだな。それで今日は、臨時休業か。最後の挨拶はできないが、しゃーないな。

「おかみさん、これまで毎年、本当にありがとうございました。もうお会いすることは無いかもしれませんが、ずいぶんとお達者で!」

秋田屋に一礼、ホテルに戻った。

丸山弁護士もめでたく武道館にゴールイン。が、あっくんの旅はスタートしたばかりじゃ。明日もハードな一日が待っている。

寝るか!