七日目(その3)


天馬街道に戻って、日高山脈を駆け下りる。次第に馬産地日高らしい光景になってきた。馬たちの放牧地が広がる。が、やはり例年より馬たちの姿が少ない。不況は日高を直撃しているようだな。

 

優駿ビレッジAERUに到着、時刻はPM2:45。例によって十分なアフターアイドリング。思えば、去年ここに来た時は大雨だったんだなあ。今年のAERUは曇りと思ったんだが、

また晴れちまった(^^;ゞ

ならば早速パターゴルフじゃあ!パターゴルフの受付に行く途中、一頭のミニチュアホースがいた。あれっ、あの仔はもしかして....

チミはのんちゃんじゃないか!!

 

去年は生後1ヶ月くらいで、あんなに小さかった仔が乳離れして、こんなに大きくなっている。元気そうで何よりじゃ。馬は生後半年くらいで親離れして、放牧に出される。ちなみに隣にいるポニーは、ムサシという牡馬。へええ、この2頭、仲がいいんだなあ。

これが生後1ヶ月くらいののんちゃん。2001年8月撮影。

おっと、感心してる場合じゃない。受付を済ませて、早速パークゴルフじゃ!

 

外角に流れるスライダーに的を絞って....... カキーン!
ナイスバッティング!(←おい)

 

 

INの8番ホール、パー3。バーディチャンス。慎重に狙いを定めて........
カコーン、ナイスバーディ!

2年ぶりのパークゴルフ。1ラウンド回って、

OUT:40
IN:49

腕が落ちてますた(^^;

さて、ダイユウサクとニッポーテイオーにも挨拶しときますか。スカちんに戻って、AERUの外れまで移動する。スカちんが近づくと同時に、馬房から2頭の馬が顔を出した。左がダイユウサク、右がニッポーテイオー。どうやら車の音に反応するようだな。

時刻はPM5:00近い。そろそろ行くか。

「ほんじゃ、元気でなあ〜!」

AERUの馬達に別れを告げ、道道1025号線へ。今宵の宿泊地、静内目指して夕暮れの山道を走る。窓を全開して、山の匂いを満喫。

気持ちいい〜!!

スムーズに走るスカちん。海岸沿いの国道235号は交通量が多いため、こうは走れない。

 

あれっ、電圧が上がってない!

ふと電圧計を見ると、12Vぎりぎり。ひょっとしてオルタネータが発電してない?いや、それだとCHGランプが点灯するはず。原因は何だ?スモールライト/ラジオを消し、クーラーも止める。これで走行以外に電気は使用していないはず。それでも電圧は上がらない。しかしながら走行は、いたってスムーズ。ちゃんとプラグに火が入ってるし、燃料ポンプも動いている。3速にシフトダウン、エンジン回転を上げてみる。

ヴオオォーーン!!

走りに関しては全く問題ないが、どうやっても電圧が上がらないぞ......... って、しばらくしたら、電圧計の針が14V弱に復活した。試しにラジオ、エアコン、スモールライトを点けても異常なし。う〜ん、どうやらリレーかハーネスが接触不良、もしくは漏電を起こしてるようだ。ブレーキを踏むと、ラジオからバチッと音がして、一瞬デジタル時計が消える。スモールライトの点灯/消灯を繰り返しても同様。点火系は異常ないから、特定の電気系に十分な電気が流れてないみたいだな。

 

走りに関しては全く問題ない。道道1025号線をひた走る。それにしても、今日も暑かった。明日こそ曇ってくれ〜!

そんなこんなで静内に到着、ホテルの駐車場に停車してヒューズボックスを点検する。アクセサリ系のヒュージブルリンクが、かなり熱を持ってるなあ。スモールライトを点灯すると、対応するヒューズも同様に熱を持つ。ということは、どっかで電気の流れが悪くなってるってこと。ええと、状況を整理すると、

・スモールライト
・フォグライト
・室内アクセサリー(ラジオ、時計等)
・ブレーキライト

これらへ対する電圧が足りないようだ。ヒューズボックスカバーの配置図を見てみると、前記電送群へのヒューズは2つ。そのヒューズを脱着してみると案の定、正常に戻った。どうやらヒューズボックス近辺の抵抗が上がってるらしい。原因としては、

・オルタネータの劣化
・リレー/ハーネスの抵抗増加

この2つだろうな。とにかく今は、これらを同時に使用しないことで暫定対処するしかない。スモールライト/フォグライトは、夜間走行しない限り大丈夫。その他は異常ないから、オルタが劣化してるとはいえ、何とかなるだろう。
 

注:この後、東京に帰ってからの話になりますが、

・オルタネータのオーバーホール
・ヒューズボックス近辺のオーバーホール(分解/再ハンダ付け)

を行ったら、見事復活しました。同時に各種リレー/ハーネスの抵抗も調べた結果、劣化は検出されず。重度のトラブルじゃなくて良かったです。

さてさて、ホテルにチェックインしませう。今宵の宿はホテルローレル。あっくんがよく利用するビジネスホテルだ。チェックインを済ませると、急に腹が減った。今日はパンをかじってただけだったからねえ。腹ペコのあっくんは、どーしても食いたいものがあった。それは、

ラーメン!

北海道に来てから、まだ一度も食ってないからねえ。ホテルの近くをうろうろするとありました、こじんまりしたラーメン屋さん。去年/一昨年と某有名ラーメン店でひどい目に会ったんで、今年は普通のラーメン屋さんで食おうと思った次第。のれんをくぐると、ほのかなとんこつの匂いがした。ほう、生姜でとんこつの臭みを抜いてるな。

「ええと、味噌ラーメンの大盛り下さい」

辺りを見回すと、常連さんらしき地元のお客さん数人がラーメンを食っている。よっしゃよっしゃ、まずいラーメン屋ではないらしい。一見さんの観光客の舌ほど当てにならないものはないからねえ(苦笑)。あっくんは、行列のできるラーメン屋でうまいと思ったことは、ほとんどない。

「おまちどうさま!」

う〜ん、いい匂い!スープをすすってみると、ちょうどいい濃さの味噌味。炒めたタマネギの甘さが、程よいまろやかさを出している。

うまい!

ほんとオーソドックスな北海道のラーメン。秘伝の出汁にこだわって従業員叱り付けて、テレビ出演を断って、一杯のラーメンに命を賭ける職人さんじゃ、絶対に出せない優しい味だ(爆)。あっくんにとって静内は、ラーメンの本場になりますた。

「ごちそうさまでした!」

いやいや、満足満足!さて、お次は買い物。これまた毎年寄るダイエーに行く。ビールにざんぎ、刺身に..... お、メロンが安いな。これも買いっと。

昨日は午前さま(^^)だったんで、今日はホテルでゆっくり過ごす。おっと、氷が切れちまった。フロントにもらいに行こう。

「すいません、水割り用の氷頂けますか?」
「....ちょっと待っててね」

フロントのおじさんが厨房に入って、氷を取ってきて下さった。

「.....すいません、お待たせしました。まだ慣れないもんで、氷のある場所が分かんなくてねえ」
「いえいえ、どうも。最近(ここの)ホテルに務められるようになったんですか?」
「ええ、前は建設業だったんですけどリストラされましてねえ」
「そうだったんですか、大変ですねえ。静内も不況は深刻のようで」
「ほんと大変ですよ。馬が売れなくて、ほとんどの牧場は赤字が続いてますよ」

思ったとおり、いや思った以上に、馬産地の状況は深刻のようだ。

「そうそう、明日はアラブ(馬)のせり市がありますね。アラブって誰が購入するんですか?」
「地方(競馬)の馬主さんが買われていきますよ」
「地方といっても、島根の益田競馬場、新潟の三条競馬場、次々と無くなってるじゃないですか。需要はあるんですか?」
「そこそこはね。サラブレッドは種付け料が高いから、アラブしか生産できない牧場も多いんですよ」
「う〜ん、それじゃ売れ残って処分される馬も多そうだなあ」
「だから静内の人は、馬肉を食べないんですよ」
「でしょうね....」
「とにかく、一刻も早く景気が回復してくれないと、静内は潰れますよ」

心の叫びだろう。この声は、親方日の丸の官僚や政治家に届いているか?競馬産業は、馬主が馬を買って競馬場で走らせ、そこにギャンブラーが金を落とさねば成り立たないんだぜ。馬主やギャンブラーが金を出すためには、それだけの収入がなければならない。そのためには景気回復しか手立ては無いと、馬産地の人々は覚悟している。

経済に関しては素人なのでよく分からんが、不良債権を処理すれば、本当に景気が回復するんやろうね?そもそも不良債権って、外れ馬券とどう違うんじゃ?まさか不良債権処理って、優良債権に変身させるなんてことやないやろね?外れ馬券は、未来永劫外れだぜ。

長々と話してたんで、氷が溶け始めちまった(苦笑)。

「いろいろどうも!」

おじさんにお礼を述べて、部屋に戻る。いよいよ明日は、北海道最終日。オグリキャップに会って、のんびり温泉に浸かろう。....... あ、せっかくだから、せり市も見学しようかな?

....そろそろ府中の雑踏が恋しくなってきちまった(^^;

本日走ったルート。走行距離257km。