七日目(その2)


釧路に別れを告げて、国道38号線を西に走る。次の目的地は浦河。一気に日高入りする3時間弱のロングドライブ。

クゥオオォーーン!!

 

たしか、この先にオービスがあったな。....おっと、ここだここだ。それから、この坂を上ったら、ネコが待ち構えてるんだったな。何回も走ってる道なので、減速個所は全て覚えちまった(笑)。

やっぱ旅には、ナビなんて必要ないっすぜ。ラジオから流れる天気概況や道路状況、日が射す方向、地形、いろんな材料を総合的に判断すると、ナビ以上の情報が得られる。それと一冊の道路地図さえあれば十分。それよりロングドライブには、もっと大事な情報がある。それは水温や油圧、エンジン回転数や電圧、排気温、油温、ガソリン残量等の車自身の情報。そしてエンジン音を耳で確かめ、異臭がしないか鼻で探る。また、タイヤの接地状態やサスの感触を全身で感じとる。こうして車の健康状態を常にチェックすることの方が、はるかに大事。現行車は、こういう情報が不足してるんじゃないか?櫻井眞一郎氏は、「人と対話できる車造り」をめざした。つまり、

「これ以上無理したら危ないよ、もう止めとけよ」

と、ドライバーに訴えてくる車。これが櫻井スカイライン。あなたが乗ってらっしゃる車は、あなたに語りかけてきますか?

国道38号線とお別れ、今度は国道336号線。大樹町目指して走る。車の数がめっきり減り、十勝平野独特の光景が広がってきた。

 

ナウマン像発掘地への標識ハケーン!そういえばこの辺は、ナウマン像の化石が出てくるところだったな。どんなところだろう?一度くらいは行ってみっか。わき道に入ってちょっと走ったところ、そこに石碑があった。

 

発掘現場は石碑だけ。この近くにはナウマン象記念館があり、そこに骨格模型等が展示されている。が、写真撮っただけですぐに出発。行くどスカちん。

再び国道336号線に戻って西に走る。十勝川を越えた辺りから、次第にアップダウンが多くなった。なだらかな高原地帯をひた走る。それにしてもいい天気やねえ。

 

右の写真が十勝川。国道336号線は、交通量が非常に少ない。ほとんどの車両は、さっきまで走ってた国道38号で帯広方面へ向かう。あっくんも去年走ったルートやね。

 

 

ご覧のように、十勝川を越えると、緩やかなアップダウンが続く。ツーリングするには絶好の道やね。おっ、かっちょいいスポーツカーが走ってるね。何て車だろ?
(ロータスエリーゼだそうです。イッケーさん、情報提供ありがとうございました)

大樹町に到着、一気に雲行きが怪しくなる。ラジオから流れる天気概況では、日高地方は曇りとのこと。

やっと曇りじゃあ〜!

連日の晴天で日焼けしてたので、曇りの方がありがたい。そもそも北海道に「避暑」に来てるんやからねえ(←贅沢なやっちゃ)。

大樹町からは、国道236号線に入る。これが天馬街道。十勝平野に別れを告げ、次第に景色は山深くなってきた。いよいよ日高山脈越え!

 

これが天馬街道。浦河まで60km。やっと苫小牧って地名が見えてきたね。あっくんにとって苫小牧は、北海道旅行の基点みたいなもの。地名を見ただけで何故か安心する。

渓谷沿いを3速で登る。急に肌寒くなってきた。雲が低く垂れ込める。野塚トンネル突入、全長が4.000m以上ある北海道最長のトンネルだ。フォグライト点灯、前方車との車間距離を十分取っての安全運転。

 

野塚トンネル突入。ここから苫小牧までは167kmなのか。3時間弱見とけば行けるな。

 

 

トンネルを抜けた直後の光景。五色渓谷沿いの鉄橋を走る。よくこんなところに道を作ったもんだ。右の写真は、休憩所に立ち寄る直前の光景。黎明橋公園って言うのか。知らなかった。

トンネルを抜けると、そこは日高。五色渓谷という紅葉がきれいなスポットがある。が、今はもちろん紅葉なんて無い。五色渓谷を通り過ぎて、いつもの休憩所に到着。例によって、日高のミネラルウォーターを手ですくって飲む。

うんめえ〜!

ここが日高の水が流れ落ちてるところ。左側に2本のパイプが見えるでしょ。あそこです。

ついでにペットボトルに並々と注ぐ。これでもう、水を買い足す必要は無いな。水を持って、アフターアイドリング中のスカちんに戻ると.....

へれっ!

CHGランプが点灯している!電圧が足りない??.....そうだった、野塚トンネルで点灯したフォグライトを付けっぱなしだった。あわててフォグライト消灯、アクセルをアオる。

ヴオオォーーン!

CHG警告灯が消灯した。が、電圧計に元気が無い。12Vから上がらない。う〜む.....

一旦エンジンを停止して、ヒューズボックスをチェックする。フォグライト用のヒューズが曲がっていた。念のためヒューズを交換してエンジンスタート。

ヴオオォーーン!

電圧計も13.5Vに復活した。どうやらオルタネータが弱ってきてるみたいだな。考えてみれば14〜15年使ってるんだから無理ないか。連日数百キロ走ってオルタを酷使したんで、症状が出始めたんだろう。スカちんにとって北海道旅行は、普段は隠れているトラブルを顕在化させるための健康診断でもある。それはそうと、これからのルートを考えると、夜間走行はもうないからヘッドライト/フォグライトを点灯することは無いな。よっしゃ、このまま走るど!抜本的な対処は、東京に帰ってからじゃ。

ここまでで、合計2.500km以上走っている。何かトラブルが出ても不思議じゃないね。しかしながらエンジン/足回り等、走りに関する部分は全くのトラブルフリー。絶好調じゃ!