五日目(その2)


駐車場に戻り、パンとコーヒーで小休止。時刻はPM1:30。さて、お次はどこに行こうかね?いよいよ午後のルートをどうするか、決断する時がきた。ラジオをつけて、天気概況を聞く。

「お天気は全道的に下り坂です。札幌は雨が降り始めました。この雨は次第に東に移動し、夜は全道的に雨になるでしょう」

ここサロマ湖は、現在晴れだが、雨は石狩/空知支庁まで来ている。この様子じゃ、明日は道東も雨だろう。今日の午後(の晴れ間を)大事にしないといかんな。これからの予定は、

(1) 能取(のとろ)湖を回って網走へ
(2) ルクシ峠→美幌峠経由で一気に弟子屈(てしかが)へ

このどちらかを考えていた。本命は(1)。能取湖で「サンゴ草」という植物を見ようと思っている。その後、網走に立ち寄って弟子屈まで南下というロングドライブ。対抗の(2)は、サロマ湖から内陸部へ入り、北見経由で美幌峠に入るショートカットコース。(2)の利点は、今日中に摩周湖を見れることにある。摩周湖は、明日の午前中に行く予定。が、明日は雨のため霧が発生して、まず見ることはできないだろう。摩周湖を見るのは今日しかない。

(2)にケテーイ!

スカちんの暖気終了後、道の駅を後にした。

青い線が、当初予定していたルート。例によって赤い線が、実際に走ったルート。

10分ほどサロマ湖畔を走って、道道685号線に右折、内陸部へ。考えてみれば、昨日からずっと海岸通りを走っていたね。景色は一変して山岳地帯となる。車の往来はほとんどない。今考えると、当初予定してた能取湖→網走ルートは、交通量が多く60〜70km/hでしか走れなかったんだな。5〜6年前行ったとき、かなり疲れた記憶がある。結果、今年はショートカットして正解だったかな。

 

道道685号線の一光景。ここからは山岳地帯を突き抜けて、一気に南下する。空は薄曇り状態。曇っているように見えるが、実際は青空も広がっている。

国道333号線に合流、いよいよルクシ峠へ。かなりの急勾配。道路工事による車線規制もあいまって、大型トラックに前方視界を塞がれた。2速30km/hでゆっくり登る。この峠は、崖崩れで有名になったところ。車が一台、その崖崩れに巻き込まれて死者が出てしまった。その事故現場を通り過ぎる。まだ崖崩れの跡は、補修作業が続いていた。

 

ルクシ峠を登る。山あいから時々、左の写真のような景色が広がる。眺めはいいね。右の写真は、がけ崩れのツメ跡。

ルクシ峠を越えると、視界が開け牧草地が広がった。トラックをパス、一気に北見へ。国道39号線へ左折、北見市街地を走る。北見は一昨年宿泊した街だ。道北から「帰ってきた」っていう感覚になるね。ここからは何度も通った道。知ってる道は、やはり走りやすい。と言っても、美幌駅周辺は、相変わらず地図見ないと迷ってしまうけどね(苦笑)。

一昨年のレポートで使用した美幌駅近辺の地図。一昨年は斜里(しゃり)を通って、知床に行ったんだなあ。
ところで、げーじつ的才能あふれるあっくんだが、苦手なものもある。動物の絵を描けないことが、あっくんの数少ない欠点の一つ。

国道243号線へ入る。広々とした牧草地から景色は再び山岳地帯へ、いよいよ阿寒国立公園突入!5速ではトラクションがかからなくなる。3速にシフトダウン。

ヴオオオォーーーン!!

3速、4速で高原地帯を駆け上る。エンジン回転数はアベレージ4000。がんばれスカちん!

 

うげっ、霧じゃあ〜っ!

美幌峠は霧が発生することで有名。ここが霧ってことは、摩周湖も霧で覆われてる可能性が高い。本日の摩周湖アタック大作戦は失敗か?

美幌峠展望台に到着。駐車場に停車して十分なアフターアイドリング。せっかくここまで来たんだから、久々に屈斜路湖を見ておこう。美幌峠からの展望は、あまりにも有名。観光ブックには大抵載ってます。そういえば、あっくん帝国で紹介したのは、津別峠からの俯瞰でしたね(一昨年のレポート参照)。美幌峠からの展望は初公開になるのか。やや霧がかかってますが、ご覧下さい。こんな景色が広がります。

例によって横長の写真ですんまそん。これが日本最大のカルデラ湖。屈斜路湖に突き出てるのが和琴半島(写真右側)。写真左側に、楽しそうなワインディング道路が見えるでしょ。あれが美幌峠。

おおっ、中島の向こうに摩周岳が見えるやんけ!ここから摩周岳が見えるってことは、摩周湖には霧がかかってないってこと。

よっしゃ!

かくなる上は、摩周湖まで一直線じゃ!

 

待て〜い!
高原を逃げる犯人を追いかけるあっくん刑事。バーン、バーン!
犯人の銃撃を、トンボを切ってかわす!

 

 

バーン、バーン!うっ、やられたあ〜!
あっくん刑事:完
くだらないことやってないで、早いとこ出発しよう。

スカちんに戻りエンジンスタート、美幌峠を一気に駆け下る。

キュルキュルキュル....

ポテンザRE01の哭きは、710kaiのそれより低い。文章では表現できないが、タイヤがアスファルトを噛む音がする。ジャパンのサスペンションともあいまって、抜群のグリップ力!

 

ブレーキはまだ早い。4速で突っ込めえ〜っ!

 

 

キュルキュルキュル........
3速でアクセルコントロール、クリップを越えたらフルスロットル!

話は脱線しますが、ここで北海道におけるワインディング道路、頭文字D度ベスト5(爆)をご紹介しましょう。
 

第5位:双湖台から東の国道241号線

ペンケトウ、パンケトウという2つの湖が見える双湖台から、東に駆け下る国道241号。ここは去年/一昨年走りました。ヘアピンは、北海道でも屈指のRです。但し、ここは阿寒国立公園のど真ん中を走る動脈。交通量が多く、めったにトラクションをかけることはできません。
 

第4位:美幌峠(国道243号線)

美幌峠は、屈斜路湖方面へ駆け下るのが楽しい。ちょうど今、走ってるルートです。先のパノラマ写真にも、ワインディング道路が写ってましたね。国道なんで、ここも交通量が多い。今年は道路工事してたこともあって、実におとなしく駆け下りました(^^;
 

第3位:知床峠(国道334号線)

羅臼岳から羅臼方面に駆け下る峠。ここは一昨年走りました。かなりの急勾配で、ジグザグに駆け下ります。Rもきつい。ここも国道なんだが、場所が場所だけに、それほど交通量は多くない。ちなみに冬季は閉鎖されます。
 

第2位:摩周湖のふもと(道道52号線)

摩周湖第三展望台から、ふもとに駆け下りるワインディング道路。ヘアピンにはカント(≒バンク)がついています。この後あっくんは、ここを使って摩周湖を目指そうとしているわけ。どんな道か、後でじっくりお見せしましょう。
 

第1位:多度志から旭川に向かう道道98号線

これまで2回走りました。一昨年のレポートに、ちょっとだけ書いてあります。アスファルトがタイヤマークで真っ黒になっている。交通量もほとんどなく、夜はまさに頭文字D状態(爆)。直線が短く、間断なく連続コーナーが続きます。あっくんが今まで走った道の中で、この道ほどシフトチェンジを繰り返した所はない。2速から4速まで、ひっきりなしに使い分ける必要があります。ブレーキのフェードに注意!

なんだかんだ言って、事故ってしまっては元も子もない。安全運転で旅を楽しみましょう。

美幌峠を駆け下ると、直線道路をひた走ることになる。女琴半島(←屈斜路湖に突き出ている半島。露天風呂で有名)を過ぎたあたりで、道道52号線に左折、屈斜路湖畔を駆け抜ける。前の車、ちょうどいいペースで走ってるなあ。ぼっこりと凹んだリア、かなり逝っちゃってるみたいだけどね(^^;

 

左の写真は屈斜路湖畔。もうちょっと走ると川湯温泉街。右は、その温泉街を抜けたあたりの光景。

川湯温泉街を通過、ここは一昨年泊まった所。あっくんが知ってる温泉の中で、最も「濃い」温泉だ。レモン汁のように酸っぱくて目に染みる温泉。そのうち、また泊まってみるか。

温泉街を通過するあたりから、硫黄のにおいが漂ってくる。咳き込むくらいに硫黄のにおいがきつくなる所、そこが硫黄山。

今年も硫黄山は通り過ぎようと思ったが、何故か正義の血が騒いでくる。う〜む、このまま見過ごすわけにはいかない!(←おい)

何年ぶりかで硫黄山の駐車場へ右折する。駐車場料金は410円。

「あれ、400円じゃなかったっけ?」
「4年前に10円値上げしたんだよ」
「ということは、オレって5年以上ここに来てないのか」
「そういうことになるね、もっと来なきゃダメだよ」

係員とわけのわからん会話を交わしながら停車。ちなみに、ここで受け取るチケットは、摩周湖第一展望台でも使用できます。つまり、硫黄山と摩周湖、双方合わせて駐車料金410円なわけ。

 

硫黄山駐車場にいたキタキツネ。スカちんに近寄ってきやがった。多分スカちんの色(ワイン)に反応したんだと思う。わしに近づいても、餌はやらんど。

ゴホッ、ゴホッ!

硫黄の煙にむせながら、硫黄山へ。ますます正義の血が滾ってきやがった。間違いない、奴らは必ずここにいる!...... むっ、

お前はショッカーの怪人スノーマン!

既にスイスから、フェリーで日本に上陸していたか....(どーゆールートで来たんだ?)

行くぞ、一文字!

今日は犯人を追って走りまくってたんで、へろへろっす。腰に力が入りましぇ〜ん。へなちょこ変身やね。

「タマゴ〜、蒸しタマゴだよ〜〜!!」

硫黄山のふもとでは、蒸しタマゴを売っている。拡声器をこっちに向けて叫ぶんで、うるさいこと!こっちはショッカーと戦ってるっちゅーに、緊張感のないやっちゃ!

「タマゴ〜、タマゴだよ〜〜、おいしいタマゴ買わんかね〜〜!!」

だあぁ〜〜っ、うっせーなあ!

「いくらなの?」
「5個で400円」
「5個は多いなあ、食べきれないや。どのくらい日持ちするの?」
「常温で1週間」
「じゃあ、1パックちょーだい」
「まいど」

「タマゴ〜、蒸しタマゴだよ〜〜!!」

だから、こっちに拡声器向けんなっちゅーの!!

....あ、蒸しタマゴ、うまかったっす。

時刻はPM4:00近い。だいぶ雲が多くなって、肌寒くなってきた。雨が近づいているな。急がねばならん。硫黄山を後にして、一路摩周湖へ。いったん国道391号に出て南へ。標識通りに道道52号線に左折。ここが摩周湖のふもと。いよいよ頭文字Dモードに突入!(爆)