二日目(その2)


時刻はPM0:40過ぎ。去年かなやを出発したのがPM0:00過ぎだった。まだ、40分の遅れを詰められない。考えてみれば当たり前、去年も急いでたんだからねえ。長万部市街地を走りながら考える。このまま去年と同じルート、つまり噴火湾沿いに国道37号線を走ると、去年と同じ時間を要するだろう。37号線は峠もあるし、海岸沿いを走るので道幅も狭い。遅い車につかまるのは確実だ。去年はたしか、PM1:30に新山入りした。今年はそれより40分遅いから、1:30に40分足せばいい。ええと..... 40たす30は70で、時間の計算だから1繰り上がって......

間に合わん!

算数が苦手なことが、数少ない欠点の一つであるあっくんにも、間に合わんことがはっきり分かる。繰り返すが、新山入りのタイムリミットはPM2:00。......しゃーないなあ、こうなったら最後の手段、

高速使おっと!

国道37号線は、眺めが良くて結構好きなルートなんだが、今年はオミット。長万部ICから高速に入ることにした。4〜5年前までは開通してなかった高速、現在は長万部の南、国縫(くんぬい)まで開通している。ゆくゆくは函館まで伸びるらしい。高速とは言っても、ほとんどが1車線道路。遅い車につかまったらアウトだが、37号線よりはマシだろう。果たして何分短縮できるか??

他に選択の余地は無い。国道5号線をまっすぐ走り長万部ICへ。通行券を受け取り室蘭方面へ走る。スカちん以外は一台も走ってない貸しきり状態。ラッキー!

クオオォーーン!!

昨日に引き続き120km/h走行。そうそう、函館でオイルチェックしてみたら、100ccくらい減っていた。念のため、昭和新山でもう一度オイルチェックする必要があるな。

 

左は長万部ICから高速に入った直後の光景。虻田洞爺ICまでは47kmある。進行方向には雨雲が広がっている。
右の写真は、虻田洞爺IC近辺だったと思う。風速2M、気温20度。

しばらく走っていると、急に雨が降ってきた。そうだった、今日は全道的に曇り or 雨だったな。今まで晴れてたのが不思議なくらい。かなりの雨量、まさしく山の天気やねえ。一瞬で表情が変わる。が、これでボディについた塩を洗い落とせるな。ラッキー!

順行車はもちろん、対向車もいない単独走行。雨中とはいえ、スピードを緩める必要は全く無い。かまわずアクセルオン!

トンネルを抜けると、雨は止んでいた。それどころか日が射している。さすがに先行車につかまったが、まあいい。虻田洞爺湖ICまでは10kmを切っている。70km/hに減速。それにしても、追い越し車線の無い1車線の高速って、ほんとストレスたまるね。一般道だったら対向車線に出て追い抜けるけど、それもできないんですぜ!

 

虻田洞爺ICまでもう少し。やっと前方の大トロ倶楽部(爆)とおさらばできる。

虻田洞爺湖ICに到着、ハイカで1.450円支払う。

「懐かしい車に乗ってるねえ!」
「でへへっ」

料金所のおじさんが、せっかく声をかけてくれたんだが、今のあっくんには余裕が無い。気色悪い笑いで返答するのが精一杯(^^;
現在時刻はPM1:20ちょっと前。ここから昭和新山までは20分ちょっとだろう。

よっしゃ!

40分の遅れを10分に縮めたな。高速使うと、長万部から洞爺まで30分なのか。覚えておこう。

虻田洞爺湖ICから昭和新山へは、温泉街を抜けるのが最短ルート。しかしながら、温泉街は渋滞するのは先刻承知。ひとまず国道37号に出て有珠山を迂回する。今考えると、虻田洞爺湖ICの一つ先、伊達ICまで高速を使った方が近かったかもしれないな。

有珠山周辺の地図。虻田洞爺ICから洞爺湖に伸びる波線は、通行止めになっている国道230号線(去年のレポート参照)。地図には書いてないが、IC近辺から洞爺湖温泉街へ抜ける裏道がある。が、温泉街は渋滞が予想されるため、一度37号線に出て、有珠山を大きく迂回する。

通行止めになる道道703号線に入ったのがPM1:40。

ふう〜、間に合ったあ〜(^^;ゞ

ここまで来たらOK、ゆっくりと昭和新山を目指す。それにしても前を走るセダン、トロ過ぎ!道を知らないな、ってゆーか車の運転を知らないぞ。ウインカーも出さないし、何もない直線でいきなりブレーキ踏みやがる。全く後ろを見てないな。はっきし言って、公道に出てくる資格無し!

新山に到着、係員の指示に従って臨時駐車場へ。駐車料金は100円値上げされた500マソ両だった。今年はラッキーなことに、クマ牧場すぐそばの駐車場に誘導された。十分なアフターアイドリング後、オイルチェック。ゲージの半分をちょっと切っている。どうやらシールから漏れるだけでなく、燃えてもいるようだ。まあ、これだけ走れば(18万キロ以上走ってるエンジンなんだから)オイルが燃えるのも当たり前。

おなじみ昭和新山。北海道旅日記の常連さんやね。曇り空だが、ところどころに晴れ間も見える。

 

新山ふもとの光景。写真には写ってないが、右側に火祭りの会場がある。その会場が本来の駐車場。

クマ牧場入口に公衆電話見っけ。早速電話。

「トゥルルル.......もしもし、KUBA!さんですか?はじめまして、KAZです。.....どーも、今どちらにいらっしゃいます?..........え、駐車場に向かってるところ?........KUBA!さんも間に合ったんですね。それじゃ、どこで待ちあわせようかな.......先にクマ牧場に入ってていいですか?.........ええ、そこでお会いしましょう」

いつもの通り、リンゴを多めに購入してクマ牧場へ。いつもと違うのは、札幌のR34乗り、KUBA!さんとお会いすること。

KUBA!さんとは、ひょんなことからネットを通じて知りあった。実際にお会いするのは今日が初めて。「KUBAの研究室」というHPを運営されてて、ENR34の詳細な走行データを記録してらっしゃる。ご職業は高校の教師。教師っつうと、あっくんには怒られたり、酒飲んだりタバコ吸ったり、夜遊びして停学食らったり、ロクな思い出がない(苦笑)。そんな教師の方と、スカイラインを通じて知りあいになるなんて、世の中おもろいね。

目印のため、胸に赤いバラを刺して.....もとい、いつものサングラスをかけておく。KUBA!さんとお会いする前、まずはスナップ君にご挨拶(笑)。......いたいた、相変わらず独特の右手首のスイング角。

こいつら、冬場はやっぱ冬眠してるのかなあ?

 

 

ここにはアライグマも飼育されている。ちなみにアライグマは、リンゴは食べない。クッキーを放り投げてやると、両手を使って上手に食べる。

「どうも、初めまして!」
「......ああ、どーも、KUBA!さんですか、初めまして!」

スナップ君にリンゴを投げてたら、KUBA!さんから声をかけられた。

「よく(2時までに)新山入りできましたねえ。どちらから?」
「札幌を出発するのが遅れたんで、高速を使ったんですよ。もっと早く到着するつもりだったんだけど、白黒車両(^^)が延々と前を走行してましてねえ」

グー君(^^)にもリンゴを放り投げながら、KUBA!さんと談笑。

迷わず食えよ、食えば分かるさ、行くぞ〜っ!
1、2、3、ダアァ〜〜ッ!!

「さて、場所を変えましょうか。洞爺湖が見えるレストラン(の駐車場)に移動しましょう」

同じ昭和新山敷地内とはいえ、KUBA!号とスカちんの駐車場はかなり離れていた。そこで新山の出口で待ちあわせ、合流することにした。

スカちんに戻りエンジンスタート、新山を出発する。道道703号に戻ると、前方にアスリートシルバーのR34が見えた。光のあたり方によっては紫がかって見える車体、あれがKUBA!号だな。3速にシフトダウン、トラクションをかけてKUBA!号を追従、洞爺湖畔まで駆け下る。湖畔ちょっと前のドライブイン駐車場に停車、5代目と10代目が仲良く並ぶ。

この時、KUBA!さんとの話に夢中になってたので、ほとんど写真を撮らなかった。これは、かあちゃんが撮影したもの。後ろのレストランに、思いっきしピントが合っている!

まだまだ新車の匂いのするR34の車内、1998年にデビューしたR34とC210とは21年の隔たりがある。共通するのは直6エンジンと二重丸のテールランプくらいか?でも、20年以上離れてても、テールランプを見たら同じ車種だって分かるなんて、イカしてる(←死語)と思わない?

仕方がないので、KUBA!さんのフォトギャラリーから拝借させて頂きました。

 

これもKUBA!さんが撮影されたワンショット。天ぷらアイスって、まだ食ったことないなあ。熱いんだろうか、冷たいんだろうか?

R34って、ある意味「完成されたスカイライン」だと思う。何回か乗ったことがあるが、走行性能/バランスってのは歴代スカイライン中でもピカ一やね。エンジン/足回りの進化が究極まで熟成されている。だからこそ、次の進化が難しかった。と言うより、走りの面からは、それ以上進化する必要がなかったんじゃないかな?それでも無理やり11代目を作ってしまったから、V35はああなってしまった。それもこれも、スカイラインの販売面と排ガス対策から、次世代車を作らざるを得なかったからねえ。つまり日産も「仕方なく」作ったんだと思う。

あくまでも「GTカー」としての面から言ってるんだけどね。「レーシングカー」としての面からはノーコメント。あっくんはGTカーとレーシングカーとは全くの別物と思ってるし、そもそもスカイラインを「レースに勝つことを宿命づけられた車」とも思ってない。「常勝を宿命づけられた○○軍」なんて、某プロ野球チーム関係者が言ってるでしょ?あの言葉ほど、他チームを冒涜した言葉は無い。競馬をやってるとよく分かる。「レースに勝つことを宿命づけられたサラブレッド」とは言うけど、「レースに勝つことを宿命づけられたオグリキャップ」とは言わない。ギャンブルってのは、残酷なまでに平等なんですよ。

何の話だったっけ?思いっきし脱線してたね。この後、壮瞥町にある、毎年立ち寄る温泉まで移動することにした。場所を知ってるのはあっくんだから、スカちんから出発、曇り空の洞爺湖畔から壮瞥町へ。この辺は(も)、毎年恒例の道。スカちんの後ろをKUBA!号が走ってること以外、去年と全く同じ。

国道453号線からちょっと外れたところに、その温泉はある。宿泊施設もある湯治場ってかんじの温泉。穴場中の穴場だ。入浴料500G支払って温泉へ。昨日はシャワーだけだったから、入念に全身を洗った後、まずはジャグジーから。相変わらず、ここのジャグジーはすごいの一言!泡で全身が浮くジャグジーって、そうはないでしょ?ほんと疲れがすぅ〜〜っと抜けて行くのが分かる。

お次は露天風呂。のんびり浸かってKUBA!さんと談笑。主に、北海道の暮らしについて話した。北海道って広いから、車が無くては生活できないこと、冬は極端に行動範囲が狭まること、場所によっては、終バスが18時30分(!)の地方があること等。

あっくんは老後、北海道に移住しようという遠大な計画があったが、諦めることにした(笑)。食料品を買うにも何十キロも車で移動しなければならないし、病院も遠いだろう。札幌だったらいいかもしれないが、冷静に考えてみると東京競馬場が遠いしね。

この後、温泉から上がって庭のベンチに座り、しばらく話し込んだ。

時刻はPM5:00過ぎ。あっという間に時間が過ぎていた。

「それじゃ、そろそろ行きましょうか」
「どーも、お世話様でした!」

温泉のおじさんにもご挨拶、出発することにした。KUBA!さんとは支笏湖畔までランデブー、今度はKUBA!号を先頭に大滝村を駆け抜ける。美笛峠辺りで雨に降られたが、トンネルを越え一気に峠を駆け抜けると、またまた晴れてきた。

大滝村を走るKUBA!号。ここは道幅も狭いので、すぐに詰まってしまう。そのおかげで、ブレなく写真が撮れた。

 

 

夕闇迫る支笏湖畔を駆け抜ける。大きなテールライトがかっこいいねえ。右の写真は、美笛峠を越えた辺りで見えた虹。

 

 

支笏湖畔といっても、支笏湖はほとんど見えない。左の写真のように、木々の間から時々湖面が見える程度。どーでもいいけど、またまた晴れてきたねえ(^^)。

支笏湖畔を走るのは国道453と276の重複道路。これが支笏湖を抜けたあたりでT字型に分岐する。KUBA!さんは左折して453号に入り札幌へ。あっくんは右折して276号で苫小牧へ。

「それじゃ、お気をつけて!」

手を振りあってKUBA!さんとお別れした。KUBA!さん、慌ただしく、かつ一方的な予定でスイマセンでした。いつの日か札幌に行くときは、また連絡させていただきます。本当にお疲れさま&ありがとうございました!

再び単独走行となったスカちんは、苫小牧までの一直線道路を駆け抜ける。車の往来は少ない。KUBA!号と分かれた所は、正確には(KUBA!さんが走っている)札幌方面、千歳方面、そしてあっくんが走っている苫小牧方面へと3本に分かれる。従って交通量も3分割され、非常に走りやすくなる。

クオオォーーン!!

嬉しそうなサウンドを響かせるL20。自然と100km/hオーバーになってしまう(笑)。20kmの直線道路を駆け抜け、動物さんの火葬場/ラブホテルを通り過ぎると、そこは苫小牧市街。駅前のダイエーに行って、ビールに焼酎、水、総菜等を買い込む。明日の朝食うサンドイッチも買っとくか。

そうそう、10年近く前、ここのダイエーでチーズかまぼこを買ったことがある。ビールを飲みながらそれを食うと、すごくザラザラして、大ざっぱな味!カルシウムたっぷりって感じのジャリッとした味だった。どこのメーカーかと思って包装を見てみると、

ワンちゃんの絵が描いてありますた!(核爆)

チーズかまぼこやビーフジャーキー等の珍味売り場と、ペットフード売り場って、見分けつかなくない?(←つくよ!)
で、自分だけ食うのも悔しいんで、かあちゃんを騙くらかして食わせた記憶がありんす。

買い物を済ませ、本日の宿泊地ホテルイーストジャパンへ。広い駐車場の片隅に停車&十分なアフターアイドリング。本日の走行距離292km。昨日今日と、2日で1.000km以上走ったな。スカちん、明日までゆっくり寝てろや。

チェックインを済ませ、ベッドに大の字になる。野球中継を見ながら早速ビール。

時刻はPM8:00過ぎ、そろそろ晩飯食いに出かけましょうかねえ。ホテルイーストジャパンから徒歩5分ちょっと、2年ぶりに立ち寄る炉端焼き「秋田屋」。

「こんばんわ〜!」
「いらっしゃい、よく来たねえ」

おかみさんの手料理を頂くのも2年ぶりやね。

「今日はいい毛ガニが入ってるよ、食べる?」
「ほんと!食べる食べる!」

今年は毛ガニの本場、道北に行くから、毛ガニはそこで食おうと思ってた。が、うまいものは何回食ってもうまい。甲羅をパカッと割って「ふんどし」を外す。

うんめえ〜〜!

かにみそを指ですくって食う。焼酎に合うんだ、これが!

ところであっくんが普段飲んでる焼酎は「いいちこ」だが、北海道では「サッポロソフト」ってのを飲んでる。クセが無くて、いかにも水のいいところで生まれたってかんじの焼酎。大自然の恵みってのは、ほんとありがたいね。

その他、あら煮やウニ等、次々と北の大地の恵みを食してたら、あっという間に時間が過ぎていた。

「どうも、ごちそうさまでした!」
「気をつけて旅するんだよ」
「はい、また来年、寄らせていただきますね」

おかみさんの店に寄らせて頂くのは何回目だろう?毎年、本当にありがとうございます。おかみさんもお元気で!
さーて、あっという間に過ぎ去った2日間、何人の人に出会っただろ?今年は特に、ずっしりと中身の濃い旅やね。夜空を見上げると、大きなお月さん。

「お月さん、何食ってんのかなあ?」
「お月さんも、きっとラーメンだよ」

大昔、九州地方に流れてたマルタイラーメンのCMフレーズを口ずさみながらホテルに戻った。

明日もいい一日になりそうだ!(^^)/

本日走ったルート。走行距離292km。