史上最強の七日目(その2)


日高山脈に突入。景色は一変、険しい山岳地帯になる。エアコンを「頭寒足熱」にしてるので、5速じゃトルクが足りない。3速にシフトダウン。

ヴオオォーーン!

やっとこさ坂を上がる。コンプレッサーの抵抗が大きくなってるかな?旅行後に、ファンベルトもまとめてチェックじゃ。

野塚トンネル突入。十勝側から入ると、ちょうどトンネルの入り口あたりが頂上。トンネル内は緩やかな下り坂になっている。5速にシフトアップ、トンネル内の路面はドライなので、速度は100km/h近くになる。4kmちょっと続く野塚トンネル。静内中札内線のトンネルは、何キロになるのだろうか?

トンネルを抜けると、そこは日高。緩やかに下る鉄橋を渡った休憩所に停車する。日高の岩清水が流れ落ちている所だ。去年はここで、バイオレット乗りの方と出会ったんだなあ。今年は摩周で買った水がたくさんあるので、日高の名水は一口飲んだだけで出発。雨が再び激しくなってきた。

青い鉄橋の先が野塚トンネル。雲がかかっている日高山脈の向う側が十勝。

天馬街道を下っていくと、そこはもう牧場地帯。雨とはいえ、馬の親子が放牧されている。

ピーッ、ピーッ、ピーッ!

??こんなところで電波発信源は何じゃ?念のため50km/hにスピードダウン。すると、対向車線をツートンカラーの国家公務員車両が駆け抜けて行った。前方走行車に電波を浴びせてたんだな。この雨の中、ご苦労なこった。まあ、北海道じゃ見さかいなく飛ばす連中が多いから、仕方ないか。

優駿ビレッジAERUに到着、駐車場に停める。雨を避けて本館に入り、おみやげ屋さんを散策。たしか、AERUは第3セクターが運営してるんだったな。決して楽な経営ではないだろう。毎年ここに立ち寄るあっくんとしては、頑張って欲しいと思う。

AERUのパークゴルフ場。木の間から見える休憩所からスタートする。雨の中、乗馬している人がいますね。

それにしてもよく降る雨やねえ。これじゃとてもパークゴルフは無理だ。でも、そのおかげでAERUをゆっくり散策することができる(^^)。乗馬受付の事務所まで歩く。ここには様々なホースグッズが売っている。おっ、このゴーグルかっちょええなや。買お。購入時に事務所の方としばらく談笑。

「AERUはたしか、公式ホームページがありますねえ。たまに覗いてますよ」
「そうですか、ありがとうございます」
「掲示板も、こまめに対応してらっしゃるようで、けっこう大変でしょ?」
「ははっ、まあ...」

詳細は省くが、この時掲示板運営のコツや、荒らし対策等を話した。あっくんのような個人ページならともかく、AERUのような公式ページは、荒らし対策は特に重要。

「ずいぶんとお詳しいですが、ホームページお持ちなんですか?」
「ええ、個人の趣味でちょっと...」
「どんなページなんですか?」

やばっ!

自分のページの話だけはしたくない。だってさあ、

あっくん帝国を運営してます!

なんて恥ずかしくて言えないでしょ?安易な名前にするんじゃなかったと、後悔することしきり(笑)。もっと、まともな名前にするんだった。

「いや、ほんと個人的な趣味のページでして(^^; ...車関係のページをやってます」

何とか話題を変えなきゃ...(^^;

「ところで、ここにはダイユウサクとニッポーテイオーがいましたよね。会えますか?」
「ええ、今日は雨なんで、馬房に行けば会えますよ」
「そうですか、早速行ってみます。色々ありがとうございました!」

帰りがけに、ふとテーブルに目をやると、一冊の雑記帳が置かれている。観光客が旅の記念に一筆啓上する例のやつね。あっくんもカキコしておこう。

これはもちろんレプリカ。たしかこんなカキコをしたと思う。ちなみにあっくんは、書道5段の腕前!我ながら達筆やなあ〜。

スカちんに戻り、馬房まで移動する。徒歩だと軽く15分はかかる距離。AERUって広いんですよ。馬房前に停車。近くにいた係りの人に許可を得て馬屋に入る。

でかっ!

ダイユウサクって、こんなにでかかったっけ?馬体は700kgくらいあるんじゃねえかあ?この馬は、第36回有馬記念(平成3年)で有名になった。全然人気無かったのに、メジロマックイーンを抜き去り、レコードで駆け抜けた。馬券はもちろん万馬券。

これはびっくりダイユウサク!

というフレーズは有名。ちなみにこの年は、松田優作氏が亡くなった年で、それでダイユウサクが勝ったなんて言われたもんだ。しかしながらこの馬は、元々「ダイコウサク」という名前にするつもりだったらしい。馬主さんの子供が「コウサク」という名前だったんで、馬名も「ダイコウサク」にしたわけ。ところが馬名登録時、JRAの人が「コ」を「ユ」と読み間違えて登録してしまった。こうして「ダイユウサク」が誕生したわけ。もし「ダイコウサク」という名前のままだったら、有馬記念勝てなかったかもしれんね(^^)。

その隣の馬房にニッポーテイオーがいる。こいつは気性が激しそうだな。馬房の中をぐるぐる回っている。外に出たくても、今日は雨が降ってるからダメやど。こいつの主戦場はマイル(1.600m)だった。JRAのポスター(ヒーロー列伝)には、

マイルだったら譲れない!

というフレーズで紹介されていた。このヒーロー列伝のフレーズは、けっこう印象的。ざっと並べただけでも、

マイルだったら譲れない!:ニッポーテイオー
四白流星 六馬身:メリーナイス
風か光かタマモクロス:タマモクロス
ミルリーフの血:イナリワン
逆指名:スーパークリーク
弾丸シュートだ!:サッカーボーイ
ありがとう:オグリキャップ
帝王は皇帝を超えたか?:トウカイテイオー
淀を愛した孤高のステイヤー:ライスシャワー
先頭を どこまでも先頭を:サイレンススズカ

なんて、かっこいいフレーズが並ぶ。あっくんは、やっぱオグリキャップの「ありがとう」が印象的。ん、何の話しだったっけ?....おお、ニッポーテイオーじゃ。とにかく、オグリとニッポーテイオーとのマイル対決が見たかったなあ。

さらに別の馬房を覗くと....

かわいい〜っ!

ミニチュアホースの赤ちゃんがいる。体長50〜60cmくらいか?生後1ヵ月くらいだろう。母馬に寄り添って、お乳を飲んでいる。人間のガキんちょは全然かわいくないけど、動物の赤ちゃんって、何でこんなにかわいいんや?

写真を撮りたいが、馬房内は暗すぎる。フラッシュを焚くわけにはいかんから、スカちんに戻ってPENTAX SPを取り出す(注:馬をはじめとした、草食動物の写真撮影にフラッシュは厳禁です)。でもって絞り全開、シャッタースピード1/15で撮影した写真がこれ。

奥に母馬がいますね。ピンクのリボンからも分かるように、この赤ちゃんは女の子。

 

体長は、ほんと50〜60cmくらい。ニッポーテイオーと違い、実におとなしい子でした。

 

この写真の右側に馬房がある。それにしてもよく降る雨だ。暗くならないうちにホテルにチェックインしよう。

時刻はPM4:00過ぎ。なんだかんだ言って、けっこう長居したなあ。そろそろ行くか。スカちんのエンジンスタート、裏道(道道1025号線)を使って静内を目指す。相変わらずの雨なので慎重に運転、70km/hしか出さない。途中、何台かの車に追い抜かれたが、あんなに飛ばして大丈夫かいな?けっこう路面に泥があるから、すべる時は一発ですべるど。あっくんは、ここまで来て事故る訳にはいかない。

静内中札内線に合流、あとは静内まで一直線。この道がいつの日か、ピョウタンの滝と繋がるわけか。そうなったら帯広〜静内間は1時間見とけばいいな。

今日の宿は、新冠のレコードの湯。去年見つけた温泉だ。静内でたこ焼きといか焼き、ビールを買って新冠を目指す。いか焼きって知ってます?具がイカだけのお好み焼きと思えばいい。シンプルでなかなかうまいっすよ。何故か静内に、本場関西の店があるんですねえ。

新冠レコードの湯に到着、広い駐車場の隅っこに停車する。本日の走行距離225km。旅の後半は、毎年無理しない予定を組んでいる。チェックインして、いか焼きをつまみにビールを飲む。どさんこワイドも今日で見納めだなあ。

PM6:30過ぎ、食堂に行ってカニめしを食う。長万部のカニめしとは違ったノーマルカニめし。ずわいと毛がにのミックス。値段もお手ごろの800円。ボリュームもあって、けっこううまかったっす。

部屋に戻って一服した後、温泉に入る。温度の高い露天風呂、気持ちいいねえ〜(^^)。まだ雨が降っているなあ。ここで星空を見たかったがしゃーない。また来年やね。でも、明日は止んでくれないとオグリに会えないなあ。

「おじちゃん、そこにいるとあぶないよ!」

小学生くらいのガキんちょが呼んでいる。おじちゃん?どこにいるんじゃ?ここには、わししかおらんぞ....

オレかあ〜!?

ガキんちょが露天風呂に飛び込んで泳ぐ。かわいくないが、まあいい。家の風呂じゃ泳げんもんねえ。ガキんちょのオヤジさんも入ってきた。あっくんは隅っこで、ぼーっと外の景色を眺める。

「たかしー(←仮名)、そろそろ戻って体洗うぞ」

まだ洗ってなかったんか!

体洗ってから温泉入るのが常識やろうが!こいつら、家の風呂と公衆浴場の区別がつかんのか。このち○ち○丸出し野郎が!

....シャレになってねえ〜!(核爆)