スカちんに戻ったのがPM1:30。ちょうどいい時間だな。野付半島を戻り国道244号線へ。あとは根室まで120km。2時間あれば着くな。今日の宿は根室グリーンホテル。何年か前も泊まったことのあるビジネスホテルだ。昨日はひどい目にあったんで(^^)、早めにチェックインしてどさんこワイド見よう。
国道244号線をスムーズに南下する。100km/h以上で走っても大丈夫なんだが、そんなに飛ばす必要は無い。シカさんの飛び出しに注意しながら、いつもどおりの5速80km/h走行。緩やかなアップダウンが続く直線道路、小さな湖(沼?)や湿原を横目に走る。この辺でジャパンのCMが撮影されたのかな?辺りの景色に注意しながらひたすら走る。開陽台で(ジャパンのCMが)撮影されたのかどうかは、東京に戻ってから確認するつもり。この時は、霧多布で撮影されたという情報すら、まだ知らなかった。
国道44号線に合流、左折して根室を目指す。次第に交通量が多くなってきた。後は根室まで通常の市街地走行。途中、湿原か何かの展望台が見えた。ジグザグの階段を上がる物見櫓のような展望台。今考えりゃ、あそこでギター弾いときゃよかった(^^;
根室駅前に到着、時刻は予定通りPM3:30。ホテルにチェックインするにはまだ早いな。そこで、納沙布岬に行ってみることにした。駅前を通り過ぎ、標識どおりに納沙布岬へ25km弱。ちなみに標識どおりに行くと、根室半島を反時計回りに一周することになるはずです。納沙布岬には何年か前に行ったことがあるが、こんなに遠かったっけ?もっと近かったような気がするけどなあ。人間の記憶ってのは、曖昧なもんやね。そうそう、話はワープしますが、この辺は北方領土返還運動の盛んなところ。納沙布岬に行く途中には、こんな看板があったりします。まあ〜、コワイですねえ、恐ろしいですねえ〜(^^;
納沙布岬に到着、スカちんを停める。ほう、北方領土(水晶島)が近くに見えるやんけ。前に来た時は、霧がかかってて見えなかった。リベンジ達成!(^^)
今年は日本の最東端の地までやってきた。う〜ん、思えば遠くに来たもんだなあ。記念に一枚パチリ。
えっ、北方領土が見えないって?そう言われれば、写真じゃ分かりにくいですねえ。それでは、この写真を少し拡大してみますか。
これがアナログ写真のいいところ(^^)。スキャナー取込み時の解像度をUPすると、こんなに見えたりします。水平線の彼方に見えるのが水晶島。ロシア船エカテリーナ号がどーしたこーしたなんて書かれてますね。 |
しばらく岬を散策。ここには北方館というのがあって、北方領土に関する様々な資料が展示されている。無料の望遠鏡も設置されていて、覗き込むと水晶島にロシアが設置したレーダー施設や、海面に傾いた灯台なんかが見える。納沙布岬へ行かれる方は、是非望遠鏡を覗いてみてください。
北方館を出ようとすると、記帳用の冊子が目に付いた。見てみると、北方領土返還のための署名を集めて、総理府かなんかに提出するらしい。日本人である以上、そして何より「ジャパン」乗りである以上、北方領土返還に反対する理由は無い。あっくんも記帳しておいた。
返せ、北方領土!ロシア側にも、いろいろ言い分はあるでしょうが、一番言いたいことがあるのはアイヌの方なんじゃないかな?よく分からんけど、ライダー2号も応援しているぞ! |
外に出てみると、岬はツアー客に占領されていた。早く来といてよかったあ〜。...ん、あのバスガイドのお姉すゎん、なかなかのべっぴんさん。通販のべっぴんさんとは一味違ったべっぴんさん。あのお姉すゎんには、あっくんを引き寄せる磁場がある。
あっくんを探せ!ツアー客に紛れてるんで、どれがあっくんなのか分からんでしょう?お姉すゎんの横顔が印象的。 |
帰りがけに食堂で「てっぽう汁」を食う。てっぽう汁とは、花咲がにの入った味噌汁のこと。かにの殻をはさみでチョキチョキ切りながら食う。とげだらけの花咲がにを味噌汁から出して切るんで、手が痛いこと熱いこと!
時刻はPM4:30、根室に戻ってチェックインするにはちょうどいい時刻。スカちんに戻り、納沙布岬を後にした。根室半島の北ルートを通って根室に戻る。途中湿原にタンチョウ鶴発見。道東じゃ8月でもいるんだなあ。道路わきに停車して一枚パチリ。
根室グリーンホテルに到着、駐車場にスカちんを停める。本日の走行距離290km。チェックインすると、部屋番号は210!
フロントマンが怪訝そうな顔をする。
「いや、210ってのは、あたしの車の形式番号なんですよ。210号室は初めてだなあ」
「宿泊料金の方も21.000円にしときましょうか?」
「いやあ、2.100円だったら大歓迎なんですけど...」
シャレの通じるフロントマンと二言三言交わしてチェックイン、しばしベッドに大の字になり、どさんこワイドを見る。札幌駅前で、のど自慢大会やっているみたい。ローカル番組っていいね。九州に行けばめんたいワイド、仙台に行けばOH!ばんです(^^)
さて、晩メシに出かけましょうかねえ。今宵は海の幸をたらふく食うど。商店街に出て店を探す。夕方6時台から、けっこうにぎわってる遊食酒場「壱炉」発見。ここにしましょう(^^)。
「全国三千万人の居酒屋ファンの皆様こんばんわ!暮れなずむトワイライトタイム、日本の最東端根室までやってまいりました第356回全日本居酒屋選手権、遊食酒場"壱炉"から実況中継でお送りいたします。海の幸豊富な港町根室、否応無しに高まる期待を胸に入り口の扉を開けます」
「そうですね、油断しちゃいけません」
「さあ、店員の招きに誘われて、奥のテーブルへと進みます。日本文化のインフラストラクチャーとも言うべき座布団に腰を降ろしたとたんにお通しだあ〜!ボイルしたイカゲソときゅうりをシーチキンで和えた一品、これは珍しい手法であります。さあ、古の慣しに従いパキリと割った割り箸で、そのお通しを口に運びます。
シーチキン自体の油分が見事にイカゲソときゅうりの調和を成立させております。思い起こせば幕末の動乱期に、薩摩藩西郷隆盛と長州藩木戸孝允との仲を取り持ったのが、あの坂本竜馬でありました。さしずめこのシーチキンは坂本竜馬、そしてお通しは一品料理の薩長同盟なのでありましょうか。山本さん、うまいですねえ」
「そうですね、ビールが欲しくなります」
「さあ、山本さんのさりげない催促に促されて、生ビールを注文しましょう。まずはビール、とりあえずビールと軽んじられて幾年月、居酒屋業界の前座、決してメインエベンターとはなれない、それでいて万人に愛されるビールをゴクリ、ゴクリと喉に流し込みます。ぷはああ〜っ、まるで新たな精が宿ったようなこの感触!山本さん、いかがですか?」
「そうですね、おいしいです」
「さあ、ひとまず山本さんも落ち着かれたところで、海の幸を注文しましょう。北海の幸と言えばホッケを第一に彷彿とするわけですが、ここは店長お勧めのサンマを焼いてもらうことにしましょう。つい最近、北方近海で漁が解禁されたばかりのサンマ、ドカベンの岩鬼正美が頭の先から尻尾まで丸ごと食することで一躍有名になったサンマであります。程なく出てまいりました。早速箸をつけます。うまい!芳醇な脂の乗った秋サンマであります。さらに、私の苦手とするワタまでも付随しておりますが、ここはひとつトップロープからのフランケンシュタイナーを食らう覚悟で食してみましょう。
サンマの心の臓、肝の臓、そしてホルモン(爆)、全てに独特の苦味が全くありません。実にうまい!新鮮なサンマはこうも違うのか、まるでブルジョアの象徴とも言うべきウニの味わいにも酷似しております。チビリ、チビリと嗜む焼酎も進みます。生前このサンマ君は、私の胃袋に納まろうとは夢にも思わなかったことでありましょう。しかしながら、サンマ君の栄養素は、やがて私の血となり肉となり、明日への活力源となるわけであります。ありがとうサンマ君。君の人生、いや魚生は決して無駄ではなかった。よくぞ天寿を全うした。サンマ君に乾杯!」
「さあ、いよいよ本日のメインエベント、つぶ貝の刺身であります。茹でることなく、生の鮮度をそのまま保ったつぶ貝が、つぶ貝ボンバイエのテーマに乗って威風堂々と入場してまいりました。テーブルの上に鎮座したつぶ貝、艶のあるきれいなピンク色の肌をしております。早速口に運んでみましょう」
「なんという歯ごたえ!岩場の女性自身、北海のビーナスと言われるアワビのそれを完全に上回っております。ほのかな海の香りが口中に広がって行きます。同時に鮮度抜群の甘さまでも押し寄せるというツープラトン攻撃!山本さん、これはたまりませんねえ」
「そうですね、感動しました!」
「感動した!まさに日本国首相と同じ言葉が、山本さんの口から発せられました!それほどのうまさを誇っておりますこのつぶ貝!否応無しに、ジャパン酒が欲しくなってまいりました。おお〜っと、極彩色の皿に彩られて、ジャガバタ軍団の乱入だあ!北の幸は海だけではないと言わんばかりに、強烈なアジテーションを展開しております。さらに、あきたこまちおにぎり軍団までも掟破りの乱入だあ!そして一方、青コーナーからは、先ほど試合を終えたばかりのはぐれてっぽう汁軍団が加勢に出ます」
「これは収拾がつかなくなってきました。リング上の混乱はまだ続いておりますが、放送時間の方が無くなってまいりました。遊食酒場"壱炉"から実況中継でお送りした全日本居酒屋選手権、そろそろお別れの時間です。山本さん、どうもありがとうございました!」