史上最強の四日目(その1)


AM6:30、モーニングコールで目が覚める。ごそごそベッドから這い出して朝の身支度。AM8:00には出発すっど。今日の予定は、層雲峡経由で大雪山の東側へ、糠平湖、足寄経由で摩周(弟子屈)までのロングドライブ。毎年4日目は無理の無い予定を組むんだが今年はハード。旭川から道東入りするには、去年通った北見ルートが近いんだが、今年は未知のルート大雪山の東側に行ってみようと思った次第。それに、今日はある遠大な計画を予定している。今考えると、実に無謀な計画だったんだが(笑)。チェックアウトを済ませ、外へ出ると小雨模様。またエンジンスタートにてこずるなあ。

キュルルル....
キュル、キュルルル....

しばし休憩。

キュル、キュルルル....

ヴオォーーン!

う〜ん、何回かセルを回すと必ずかかってくれるからいいんだが、やっぱ不安やなあ。

例によって十分な暖気後ゆっくりスタート、国道39号線を北上する。途中コンビニで軽食を買い込み、ついでに給油。道東入りする前に、スカちんにもメシを食わせておこう。
 

燃費情報(その4)

鵡川から旭川までの走行距離 276km
給油量 27L
燃費(1Lあたりの走行距離) 10.2km

リッター11km行かねえなあ。日高の峠越えが効いてるかな?

さてと、ロングドライブの準備完了。旭川を離れ比布(ぴっぷ)方面へ、次第に雨が上がってきた。ラジオから流れる予報では、本日は曇りとのこと。よかよか。交通量もさほど多くない。空が明るくなり、路面も乾いてきた。上川を通過し、いよいよ大雪山の懐へ。険しい渓谷を走る。徐々にスカちんの車体も乾いてきた。

ばっちい!

ボンネットは泥だらけ!北海道の泥を思いっきり引っ被ってる。でも、これがGT本来の姿なんだよなあ。まだまだ、これから行く道東はもっと汚れるだろう。ダートも多くなるから、小石を跳ねて傷つくだろう。それでも走るのがGTの定め。汚れたら洗えばいい。傷ついたら治せばいい。

層雲峡に到着、ロープウェイ乗り場でトイレ休憩。今年も黒岳に登っている余裕は無い。しかし、それにしてもきれいな眺めだ。渓谷に雲がかかって、まるで墨絵のような光景。写真だけ撮っておくかあ。うまく撮れるかな?

さてさて、スカちんは再び5速80km走行。銀河トンネルを抜け、大雪湖へ。ここで道が二股に分岐する。左が去年通った石北峠→北見ルート(国道39号)、右が今回走る三国峠→上士幌ルート(国道273号)。273号は7〜8年前、銀泉台に行った時少しだけ走ったことがあるが、三国峠までは行ってない。未知のルートだ。しばらくは大雪湖沿いに、ゆるやかなワインディング道路が続く。大雪山の東斜面を縫うように走る国道273号、交通量もほとんどない。

気持ちいい〜っ!

いやいや、ほんといい眺めだ。層雲峡までは渓谷のふもとを走っていたが、今度は山の中腹、渓谷がはるか崖下に見える。が、走行中なので写真は撮っていない。ならば、例によってげーじつ的センス溢れる絵画でお見せしましょうかねえ(^^)。

三国峠に突入、標高はどのくらいだろうか?既に5速ではトラクションがかからなくなっている。そうそう、長野県の岡谷市に行く時もそうだけど、高地じゃパワーダウンするみたいやね。なんか、エンジンに元気が無くなる。気圧が低いせいやろか?ともかく4速にシフトダウン....あんま変わらんね(苦笑)。ええい、3速でどうじゃ!

ヴオオォーーン!

やっとこさスピードアップ。峠をきびきび走るには、少なくとも3000回転以下には落とさないことが肝心。

三国峠の風景。ご覧になってお分かりの通り、それほどきついカーブはないが、緩やかな傾斜が間断なく続く。標高は1.000mを越えているはず。

糠平(ぬかびら)町に到着、然別(しかりべつ)湖への標識が出ている。然別湖はまだ行ったことが無い。が、はじめに書いた遠大な計画のため今年はオミット、引き続き国道273号線を走りつづける。途中、糠平湖がちらちら見えるが、なかなかいい撮影スポットが見つからない。糠平湖は人造湖、ダートを駆け抜けた先にめがね橋と呼ばれる、旧国鉄の鉄橋跡があったはずだ。ここも前述の遠大な計画のため、今年はオミット。

途中道路沿いで、作業員が赤い手旗を振っている。道路工事による車線規制だな。ゆっくりと停車、しばらく待つ。作業員がしげしげとスカちんを見ている。よく見るとあの作業員、サングラス姿で葉巻をプカプカ吹かしている。

おっちゃん、なかなかシブいやんけ!

大雪山のチャールズブロンソンやね。こんな人里離れた峠道での作業、おべんと忘れたらえらいこっちゃ。おっちゃん、ちゃんとおべんと持って来ちょるやろね?(←余計なお世話じゃ!)

手旗が白になってスタート、国道273号線を上士幌方面へ。そろそろ道道に入らねばならない。地図を開いて確認する。しばらく走ると、道道468号線の左折標識が見えてきた。スカちん以外は一台も走っていないが、いつものクセでウインカーを出して左折する(←当たり前じゃ!)。

でっ、でっ、でっ!?

道がゲートで封鎖されている!急停車&路側帯に待避!

通行止め!!

....そうか、連日の雨で、いくつかの道道が通行止めになっているってラジオで言ってたが、ここもそうか。

あ い た!

まずいぞ。ここが通れないってことは、上士幌へ大きく迂回しなければならない。かなりの時間をロスすることになる。時計に目をやるとAM11:00過ぎ。さて、どーしたもんか...

さっき言った遠大な計画とは、チミケップ湖っていう秘湖に行くことだったんです。チミケップ湖とは、北海道の三大秘湖に数えられる穴場中の穴場。交通の便が悪く、よっぽどの物好きでないと行かないところ。上士幌をショートカットして、足寄から北東に伸びる国道/道道を使ってチミケップ湖入りしようと思ってたんだが、どうやら無理のようだ。う〜ん.... ここが通行止めってことは、迂回してもチミケップまでの道道が走れる保証はないな。よし、予定変更!

チミケップはやんぴ!(←止めるの意)

来年以降のお楽しみにとっておこう。チミケップ湖をオミットするとなると、時間にはうんと余裕ができる。ならば、さっき通り過ぎた然別湖に行きましょう。国道273号線に戻り、今来た道を逆走する。またまた道路工事による一時停車、再びブロンソンと目が合う(^^;

糠平町から今度は然別湖へ、すぐに着くかと思ったら、20km以上続くワインディング道路が待っていた。急な斜面をくねくね登る狭い道路。2速じゃないとトラクションがかからない。どーせ2速でしか走れないんなら、行くかあ〜っ!

ヴオオォーーン!!

カカッ、カラカラカラッ...

去年のようなキュルキュルっていうタイヤの哭く音じゃない。これは横Gで車体が傾き、マッドカバーが路面とこすれ合う音。ノーマルサスでも十分踏ん張ってくれてるのがわかる。木々が覆い被さっているため、曇りとはいえ路面はウエット。が、この程度の湿り具合だったら、どーってことない。かまわずアクセルオン!ポテンザRE710kaiががっちりグリップする。おまけに非力なL20、少々のオーバーアクセルなんてどーってことない(^^;

ヴォオオーン!ヴォッヴオオオーン!

L20がうなりを上げて、Rのきつい坂を上がる。インテグラやランサーのように、レスポンス良くは登れない。シフトチェンジ中にアクセルをあおってクラッチミート。高倉健以上に不器用で重々しい走りだが、エンジン回転数さえ落とさなきゃ何とかなる。がんばれスカちん!

然別湖に到着、駐車場に停車する。十分なアフターアイドリング。それにしても、あんなタイトなワインディング道路を20km以上走ると疲れるぜ。でも、疲れるような走りをするオレが悪いっちゃあ悪い(^^;

アフターアイドリング中に撮った一枚。マッドカバーから泥水が垂れ落ちている。ご覧の通り、ボディーは泥だらけ!

然別湖に行ってみる。なかなかきれいな湖。標高は1.000mを越えている。たしか、日本で最も高い場所にある湖のはずだ。緑色の湖面を雲が流れていく。時々、雲の切れ間から青空が見える。夏の日差しが戻ってきた。

暑っ!

雨上がりの湖っていいもんやね。しばし湖畔で休憩、遊覧船が出て行く。それにしても、けっこう広い湖やねえ。何枚か記念撮影。


 
 

はっはっは、赤影参上!
この後、もう一回くらい出現するかもしれません。

なかなかいい湖だった。時刻は昼時。走行中にパンかじってたんで、そんなに腹は減ってない。食堂には立ち寄らず、おみやげ屋さんを散策しただけで出発した。

然別湖から再び国道273号線を目指す。今度は下り坂なので、馬なり...じゃない、エンジンブレーキだけでスムーズに下る。それにしても、エンブレ効き過ぎ!(苦笑) アクセル踏まないと、坂を下らないね。
再度273号線に合流、糠平町から上士幌を目指す。三度、道路工事による一時停止。

ブロンソンも呆れ顔(^^;

層雲峡からここまでのルート。ちょっと分かりにくいですが、
(1)三国峠→糠平湖→道道468号(通行止め)
(2)引き返して然別湖→糠平湖→国道241号
と進んだわけです。