虻田町に到着。やっぱり国道230号線は、(有珠山噴火のため)通行止めになっている。ひょっとしたらこの先、未来永劫通行止めかもしれないな。去年見つけた迂回ルートに入り、昭和新山を目指す。途中の交差点で、ツートンカラーの車両に乗った国家公務員様が、立て看板を出している。
「この先PM2:00より通行止め」
現在時刻PM1:30。
昭和新山に到着。いつもの駐車場は、早くから来ている観光客が敷物を敷いていて、既に飽和状態。係員の誘導に従い、臨時駐車場(てゆーか単なる荒地)に向かう。途中、誘導員達の会話が聞こえる。
お分りの通り、これはスカちんをご存知の素敵なお姉さまどおしの会話...
と言いたいとこだが、ジャパンを懐かしがるくらいだから、年齢の方はお察しください(^^;
臨時駐車場からクマ牧場目指して、長い道のりをてくてく歩く。いつもの駐車場からなら、こんなに歩く必要ないのになあ。新山のふもとには特設ステージが設置されている。夕方くらいからコンサートや(火祭りというくらいだから)花火大会があるのだろう。え、お前も見ていけばいいって?昨日は仮眠とっただけだし、祭りの後の渋滞に巻き込まれる体力無いっす。
クマ牧場に到着。ここでクマ達にリンゴをあげるのが目的。多めにリンゴを買って入場する。1年ぶりにやってまいりました。それではそろそろ参りましょうか!(^^)
「全国一千万のクマ牧場ファンの皆様、こんにちは!曇天の昭和新山、これから始まるエゾヒグマバトルロイヤルの戦場となる昭和新山クマ牧場から、実況中継でお送りいたします。戦いのワンダーランド、現代に甦ったコロシアムと言われるすり鉢状の檻の中に、今や遅しと待ち受ける一騎当千の強者達、エゾヒグマ5歳軍団であります。既に私の気配に気づいた数頭のクマ達が、筋骨隆々の2本の脚で立ち上がり、両の手を上げて餌を催促しております。去年私が見つけた、右手首を左右にスイングさせる愛嬌のあるクマ、スナップ君はどこにいるでしょう?おお〜〜っと、いましたいました!コロシアムのやや左隅、行水、もしくは自らの飲料水としても使用するであろうプールサイドの左3メートルにたたずんでおります。去年と寸分狂いの無い、愛嬌のある右手首のスイング角、見間違うはずがありません!」
「さあ、熟したとは言い難い、スーパーいなげやでは売り物にならないであろう青い果実をスナップ君めがけて、今放り込んだあ〜!おおっと、リンゴはスナップ君のはるか上方を通過!リングサイドに寝転がっている、戦闘意欲の無いクマの手元まで転がってしまいました。そのクマがリンゴをテイクダウン、自らの口内に運びます。まさに漁夫の利、いしだ壱成降板によって主役の座を射止めた"ピィーーッ"状態であります。これはいけませんねえ、山本さん」
「そうですね、目測を誤らないようにしてもらいたいですね」
「さあ、山本さんのご指摘にもありましたように、リンゴを放り投げる私にも責任の一端があります。第1投目で、おおよその距離感を掴んでおります。入念に狙いを定め、第2投目!今度はスナップ君の手前に落ちました。コンクリートに叩きつけられて砕け散る青き果実。しかしながらその大半は、とっさに這いつくばったスナップ君の手元に納まりました。まずは成功であります。群雄割拠する戦いの38度線、少しの油断もなりません!」
「今度はリングサイドで、自らの腹部をパシンパシンと叩いて催促する、今くるよ君目掛けて放り込みます。おおっと、一旦は今くるよ君の右腕に当たったリンゴ、受け損ねて横に転がり、寝そべっていた高木ブー君の胃袋に納まってしまいました。さあ、今くるよ君が怒った怒った!」
「そうですね、冷静になってもらいたいものです」
「自らの失敗を棚に上げて怒りをあらわにする今くるよ君。この辺は、地元北海道に車の走らない高速道路を建設して開き直る某代議士の影響でありましょうか?もう一度チャンスを与えましょう。おおっと、今度はナイスキャッチであります。回りの羨望の眼差しを浴びて、リンゴにむしゃぶりつく今くるよ君。まさに至福の瞬間、エクスタシーの極致でありましょう。さらにリンゴを放り込みます。おおっと、ノーバウンドで口内キャッチする強者もいます。まるでリンゴが描く放物線が、既にシミュレートできているかのような立ち振る舞い、まさに万有引力の法則を熟知した、一人染めの助染め太郎だあ〜!」
「飽く事無きクマ達の食欲、阿鼻叫喚、酒池肉林の戦国絵巻!しかしながら、ちょうど私の手元のリンゴが底をついてしまいました。興奮冷め遣らぬ昭和新山クマ牧場から、この辺でお別れしたいと思います。山本さん、どうもありがとうございました!」
「失礼しました!」
昭和新山ふもとの特設ステージ。がんばれガオレンジャー!昭和新山を撮影したら偶然写ってたんです。著作権違反じゃないよ(^^) |
いやいや、楽しいひと時でした。さてと、そろそろ行こうかねえ。駐車場に戻りエンジンスタート。一路洞爺湖を目指す。駐車場を出るとき、係員が一言。
火祭りの今日、昭和新山のふもとに来るのは至難の業。新山からずっと洞爺湖に下った空き地に、国家公務員様が車両を誘導している。この時間は、もう新山に行くことは出来ないようだ。早く来てよかったあ〜!さて、時刻はPM2:30。この後は、温泉浸かって苫小牧入りするだけだから、時間には余裕ある。そこで、去年噴火した火口を見学することにした。洞爺湖畔のセイコーマート(←北海道のコンビニ)で、噴火口までの道を聞いて出発。温泉街はかなり渋滞している。火祭りだからしゃーねえなあ。有珠山を大きく迂回して、国道230号線付近の噴火口に到着。そこで撮ったのがこの写真。
緩やかなカーブを描いて下ってるのが国道230号線。これは2年前まで、あっくんが虻田町から洞爺湖入りする時に使っていたルートです。道路に走る亀裂が痛々しい。ちなみに写真上部に見えるのが噴火口。曇ってて分かりにくいですが、山の中腹から水蒸気が立ち上がってます。ちょうど谷になってる部分に雨水が溜まって、池になってますね。
ちょっと角度を変えて撮った写真がこれ。単なるスナップ写真です。白いセダンが池に沈んでますね。この写真は、公開するつもりは無かったんですが、あっくんが立っている場所まで上り坂であることをお見せしたかったわけ。つまり、2枚の写真から、230号線が噴火口から下り坂→谷底(池)→上り坂になってることをお伝えしたいわけです。何が言いたいかというと、
噴火による隆起で、1つの山が形成され、斜面を登っていた国道230号線を引き裂いたわけです。なんという噴火のエネルギー!ちなみに噴火口近辺まで、徒歩で往復30分くらいで行けるとのことでしたが、火祭りによる渋滞を考慮して、そこまでは行きませんでした。
時刻はPM3:00過ぎ。今年の洞爺湖観光はこれで終わり。いつもはガラガラの湖畔も、観光客で埋め尽くされている。渋滞に巻き込まれながら、洞爺湖畔を離れた。火祭りの影響で、例年より1時間はロスしたな。やっと渋滞が解消した壮瞥町を走る。次の目的地は、毎年行く温泉。この秘湯をサーチしてみたが、例によって一件もヒットせず。今年もこの温泉名は非公開とさせてください。温泉に到着、入浴料500円を払って入るとラッキー!
「どーも、お世話様でしたあ〜っ!」
受付のおじさんにお礼を言って出発。窓を全開して、タオルで髪を拭きながら走る。交通量も少ない。スムーズに支笏湖への峠を走る。路面は霧がまとわりついて、ややウエット。確実なグリップ走行で、坂を下る。....なんかハンドリングが変だ。思った以上に曲がる。よーするにオーバーステアみたい。なぜじゃ?
今年も支笏湖はオミット。湖畔を車窓から眺めただけで、一路苫小牧へ。20km近く続く直線道路を駆け抜ける。温泉に浸かった後だから、全身がぽかぽかして気持ちいい。眠くなっちまった。早いとこホテルのベッドに寝そべりてえ〜っ!
支笏湖から苫小牧まで20km続く直線道路。5速80km/hの世界。ステアリングを切る必要がないから、眠いこと眠いこと! |
苫小牧市街に到着。時刻はPM6:00近い。駅前のダイエーでビールに焼酎、簡単な惣菜を購入してホテルにチェックイン。今年の宿はホテルニュー王子。実は、毎年立ち寄る炉端焼きのおかみさんも夏休みで、今年は行けなかった。1週間前に電話で確認しておいたので、ホテルも(いつも泊まるイーストジャパンではなく)駅近くに変更したわけ。本日の走行距離291km。有珠山周辺をうろうろしたため、去年より10km多い。部屋に入って、長万部で買ったかに飯弁当を食う。う〜ん、これで今年もこの味は食い納めかあ。
食い終わって、間髪入れずに今度はジンギスカン。ホテルニュー王子の近くに、サッポロビール園苫小牧支店がある。
「ご馳走様でしたあ〜!」
ふひ〜っ、腹いっぱい!なんだかんだ言っても、けっこう食ったなあ。ホテルに戻り、焼酎をゆっくり飲みながら野球観戦。明日の予報は雨。やはり今年の北海道は天気が悪い。よかよか、毎年旅してたら、こんなこともあります。さてさて、あっという間に過ぎ去った2日間。早いものです。