史上最強の一日目(その3)


夕闇迫る東北自動車道。ヘッドライトを点灯するにはまだ早い。スモールランプだけ点灯して走る。吸っていたタバコの火を消す。....なんか灰皿が暗いな.....

!!

灰皿横のライターを引き抜く。

点灯してない!

スカちんのライターや灰皿には、夜間用のライトが備わっている。スモールライトを点灯したら、計器パネルと同じく点灯するようになっている。それが点灯してない!よく見るとパネルも真っ暗!さらに計器版右隅の「TAIL」ブルーランプも点灯してない(注:210は211と異なり、正常時に「TAIL」が点灯します)。ということは、テールライトも消えてるってこと!? ヘッドライトを点灯してみる。辺りはまだ明るくて、点灯してるんだか、してないんだかわからない。
とっさにパーキングに停車、外に出てみる。

ヘッドライトは点灯するが、テールライトは点灯してない!

点灯してないのはテールライトにフロント車幅灯、そして計器パネル。考えられるのはヒューズ、これしかない。ボンネットを開けてヒューズボックスカバーを外す。

...Very、切れてない!

マイクベルナルドのものまねやってる場合じゃない!全てのヒューズは正常。原因がリレーやハーネスだったら、手の出しようがないぞ。落ち着け、あっくん!

ヒューズボックスカバーの一覧表を見る。「テールランプ」のヒューズは上段、右から2番目か。何度見てもVery、切れてない!(←おい!)
テールライト無しで夜の高速を走ることは出来ない。2001年の北海道旅行は、1日目で強制終了かあ〜?

消去法でいくと、今のあっくんにできることはただ1つ。運転席横の小物入れを探す。予備のヒューズがあったはずだ.....あった!2個だけ10Aのヒューズが残っていた。テールライト用のヒューズを交換.....一瞬端子がショートした。

ブーーーッ!

コクピットで、ライト消し忘れ警告用のブザーが鳴った!

よっしゃ!

テールライト、計器板ライトも復活!ふぅ〜っ、単なるヒューズ切れでよかったあ〜(^^;Λ
それにしても、見た目には何ともなくても切れることがあるんかい?改めて(切れたはずの)ヒューズを見てみる。どー見てもvery、切れてない!(←しつこい!)
まあいい。切れたヒューズ君、これまで長い間ご苦労さん。パーキングの灰皿に放り込んで出発した。

古川を通過、辺り一面が闇に包まれる。残りの予備ヒューズはあと1個。心もとないなあ。次のSAで買い足すことにした。長者原SAに到着、スタンドに駆け寄る。

「すいませーん、10Aのヒューズ5個下さい」
「はい、どうぞ。525円になります」
「どうも!.......って、違う違う!真空管みたいな筒状のヒューズですよ」

受け取ったヒューズは、U字型の平べったいタイプだった。

「ああ、管式のヒューズね。ここには置いてないなあ」
「この先のSAは?」
「50km先の前沢になるね」
「どうも!」

急いで出発。それにしても、今時のヒューズは形までも違うんかい。現行車の知識が全く無いあっくんでした(^^;

前沢SAに到着。たしか前に、ここでカツカレー食った記憶があるなあ。バイトのウエイトレスが、なかなかかわいい子だった。ミニスカートにエプロン姿ってのがいいんだ、これが。

んなことはどーでもいい!

スタンドを目指す。

「すいません、管式10Aのヒューズ置いてますか?」
「ありますよ。5個セットになるけどいい?」
「ええ、その方が助かります」
「税込みで210円になります」

いい値段だ!(爆)

支払いを済ませ、ヒューズを小物入れに入れる。これで電気系統は、トラブっても大丈夫だろう。しばし前沢SAで休憩。時刻はPM7:00過ぎ。時間はたっぷり余裕あるぜ。それにしても、今年はトラブルに見舞われるなあ。

「丈夫な車なんだから、安心して行ってらっしゃい!」

スカちんの主治医の言葉を思い出す。東京を出発して、既に400km以上走っている。巡航速度は110〜120km/h。最高速度も160km/hは出している。どっか悪ければ、とっくに症状が出てるだろう。テールライトも結果的には単なるヒューズ切れだったし、案ずるまでもねえな。

よっしゃ!

気合を入れなおして前沢SAを後にした。

盛岡に突入、ラジオを点けるとニッポン放送プロ野球中継が流れる。夜はこの辺でも東京のラジオ局が入るんだな。......ちょっと待てよ、さっきテールライトの一件で、何度もエンジンをストップした。それでも1242KHzはキープしている。つまりメモリが初期化されてないことになる。なぜ!?.....

わかった!

ラジオを点けっぱなしにしてエンジンを切ると、メモリが初期化されるんだ。さっきはラジオを点けてなかったから、ずっとメモリはニッポン放送を記憶したまま。つまり、

・エンジンスタート→ラジオON
・ラジオOFF→エンジンストップ

こうすれば、メモリが初期化されることは無いわけだ。

ラッキー!

完全にメモリが逝ったわけではなかった。些細なことだが、うれしくなってくるぜ。いつ、どこがトラブるか、案ずるのはやーめた!もっとスカちんを信頼する必要があるな。

順行車はもちろん、対向車までもいなくなる。照明の無い漆黒の闇をスカちんは走る。ならば、そろそろ参りましょうかねえ(^^)。

第一回勇気ありシリーズ:君はヘッドライトを消して何秒間走れるか?

ライト消灯、あたり一面真っ暗闇!...1秒....ライト点灯!

ぎゃ〜あっはっはっ!おもしれ〜っ!

このえくすたしい(爆)、人間の深層心理には自己破壊願望があるとか無いとか、ユングかフロイトの本で読んだことがあるが、それと関係あるのかな?もう一度トライ!

ライト消灯!...1秒....2秒....ライト点灯!
おっかなくて3秒は持たねえなあ。もう一回、もう一回!
ライト消灯!...1秒....2秒.... ぎゃ〜あっはっは!

バカか、オレは!

花輪SAに到着。例年どおり、ここが最後の休憩地点。時刻はPM10:00。今年は早く到着したので、食堂が開いていた。記念にカレーうどんを食う。
食い終わって外に出ると、星空がきれい。夏の大三角形が大きく見える。さて、東北自動車道も残り80km(去年のレポートでは50kmと書いたが間違い)。一気に行くかあ。

これが去年レポートした花輪SAのオブジェ。あなたの目には犬に見えます?
あっくんにはキツネにしか見えない。

やや霧がかかっているようだが、走行には支障ない。例年通り、車線を無視して好き勝手走る。深夜でも首都高じゃ、こんな走行は無理。やっぱ飛行機で一足飛びに北海道入りってのは、もったいないっすぜ。

東北自動車道終点、青森に到着。ハイカで13.500円支払う。今年は特にいろいろあった680kmでした。あとは標識どおりにフェリー埠頭を目指す。途中ガソリンスタンドの値段を見ると、リッター(ハイオク)112円。今年は北海道の勝ちと踏んで給油せず。コンビニでビールとつまみを購入して、フェリーターミナルに到着。本日の走行距離757km!去年と全く同じだ。考えてみれば当たり前なんだけどね。

ゴキュッ、ゴキュッ、ゴキュッ...

レッドGTさんから頂いた笹かまをつまみにビールを飲む。う〜ん、醤油が欲しくなるね(笑)。それにしても、おいしい笹かまでした。ビールを飲み終わってシートをリクライニング、しばし就寝。今ごろは仙台のみなさんも夢の中かな?

1時間以上は寝ていたようだ。時計を見るとAM1:30過ぎ。乗船手続きを済ませ、フェリー乗り場まで移動、荷物をまとめる。程なく乗船が始まった。そうそう、フェリー内の床はワイヤーフック用の鉄輪がたくさん設置されてます。スポイラーがこれに引っかかることがある。今まで何回か、これでエアロパーツを破損する車両を見ています。シャコタン&チンスポ装着の方は、破損覚悟で乗船しましょう。

乗船すると特等室へまっしぐら、一気に素っ裸になりシャワーを浴びる。う〜ん、オレって海の男だぜ(←どこが?)。いつもの通り、船内の自販機でクラシックビールを購入、ゆっくり飲む。さてさて、明日はどんな一日になるだろう?気がかりなことが1つある。それは昭和新山。新山の何が気がかりかって?それは二日目のレポートのお楽しみ!(^^)