八日目(その1)


8時ごろ起きてカーテンを開ける。今日の天気は予報どおり雨、窓を開けると肌寒いくらい。ちょうどいいや。いよいよ今日は北海道最終日、新冠でのんびりして夕方5時までに苫小牧まで戻る。夜は苫小牧発八戸行きのフェリーで過ごす。これまでの旅の疲れが、気づかないうちに蓄積されているだろう。だから今日は無理しない。実を言うと、これからオグリに会って、後は東京に帰るだけだから、8日目、9日目はあまり書くことがないっすm(__)m

チェックアウトを済ませ駐車場へ。今日は雨で気温が低いから、いつも以上に暖気に時間がかかる。その間にトランクの荷物整理。今まで着た衣服、購入したおみやげ、さらにはワックス、ウェス、予備のファンベルトや工具類等がシェイクされて散乱していた(^^; 念のためトランク両サイドも見てみる。大丈夫だ、雨水は入ってない。

私が説明するまでもなく、ジャパンのウィークポイントはトランク内部の両サイド部分。ここにまず間違いなく雨水がたまる。リアウインドウのサイドモール部分(←見るからに水が入りそうなデザインですね)から水が入ってきてここに溜まるわけ。数年前このサイドモールを交換、同時に防水加工した。それ以来トランクが水浸しになることはなくなった。ついでにドランクサイドも板金、防錆処理を施した。旧車維持は常に水、すなわち錆との戦いです。

ゆっくりと出発。雨が降ってるし、前述のように見えない疲れが溜まってるはずなんで、いつも以上に慎重に運転、昨日通った静内中札内線を北上する。まずは二十間道路にでも行ってみるかあ。競走馬ふるさと案内所を右手に走る。車やバイクの旅ではない場合は、この案内所でレンタサイクルを借りてください。ところで二十間道路への道は、初めての方でもまず間違いなくたどり着けます。静内町の電柱という電柱に、「日本一の桜並木」というふれこみで案内板が出ているから。そういえば3日目のレポートにちょっと書いた日高ケンタッキーファームも、しつこいくらいに同様の案内板が出ています。

その電柱案内板のとおりに左折して、坂を登ったところが二十間道路。8kmの一直線道路沿いに立ち並ぶ桜並木。一度春(5月)に来てみたいもんだ。二十間道路に入ってすぐのレックススタッド前に停車。ここはあっくんのTシャツを噛み破ったダイナガリバー、とても人懐っこいアサティス、メリーナイス、アイネスフウジン、ニッポーテイオー、ヤマニンゼファー、ジェニュイン等の種牡馬がけい養されている。見学時間は午前中だけ。以前は夕方4時くらいまで見学可能だった。ホースグッズも販売していて、喫茶店もあったんだが(←ここのコーヒーが抜群にうまかった)、今はどちらもやってない。マナーの悪い見学者が多いらしく、規制したらしい。で、本日は雨のため、

見学中止

とのこと。ちなみにあっくんは、ここには何回も来たし、今回ははじめから見学する気はなかったので、特に問題なし。この写真を撮る事だけが目的だった。

これが二十間道路。向かって左側がレックススタッド。これを書いてる2001年2月現在、あっくん帝国のトップページにある写真と同じ場所、同じアングルで撮影しました。

 

8km続く桜並木。1993年撮影。この日は暑かったなあ。どうです、ゆったりとした気持ちで走ってみたくなりません?

スカちんに乗り込み出発、広々とした二十間道路を駆け抜ける。アロースタッド(アンバーシャダイ、メジロライアン、タマモクロス、ロイヤルタッチ、タイキシャトル)、静内SS(ウイニングチケット、サクラユタカオー、サクラチヨノオー、サクラローレル)を横目に走る。今日は雨のため、どこも見学は中止。ていうか、放牧そのものを中止している。この辺りも昔うろうろしたので、今回はそれほど興味なし。それにしても種牡馬の写真を掲載できたら、もっと詳しく紹介できるのになあ。

二十間道路を左折、新冠を目指す。一山越えたらすぐ新冠なんだが、ここもなかなか楽しいワインディング道路。眺めもいい。が、これだけ雨が降っているし、今年も峠を十分走った。いくら峠バカのあっくんでも、年がら年中攻めるわけではないっす。確実にグリップ走行、雨が強くなってきた。

サラブレッド銀座へ左折する。後は優駿SSまで一直線、この辺はスタッドや牧場の密集地。特に八木牧場の光景が有名。競馬ファンでなくても、川を渡る馬の親子の写真をどこかで見たことあるでしょう?その写真、多分間違いなく八木牧場の写真です。ここは馬房と放牧地の間に川が流れているため、毎日朝夕、川を渡る馬達を見ることができる。

おおっと、CBスタッドかあ。ちょっと寄ってみっか。別に馬を見たいわけではない。これまで特にこの辺りには何回も来てるんで、オグリキャップだけで十分。6日目に書いたように、ちょうど屈斜路湖や阿寒湖には行かず、その時間があったら摩周湖だけ見たいのと同じです。ここに寄ったわけは、ナリタブライアンがいた所だから。広い駐車場に停車する。スカちんから出ると、雨が小降りになった。ラッキー!これじゃ傘は必要ない。ほう、おみやげ屋さんはまだあるんやなあ。たくさんのブライアングッズが売られている。おおっと、ブライアンが放牧されていた場所もそのまま残っとるやんけ。「ナリタブライアン」という木札も当時のまま。でも、主を失った放牧地って物悲しいね。その放牧地の横に、第14回ジャパンカップ優勝馬マーベラスクラウンがいる。この馬は種牡馬ではない。せん馬(去勢された馬)なので、おそらく見学用にけい養されているだけ。このままのんびり余生を送ってもらいたいもんだ。

前来た時はなかった、新しい建物が建設されている。そばへ行ってみると、

ナリタブライアン記念館 9月オープン予定

あっくんが行った時は、まだ開館前だった。窓越しに除くと、(おそらく等身大の)ブライアン木馬を中心に、様々なグッズが飾られている。ファンの人気も根強いんだなあ。

在りし日のナリタブライアン。1997年撮影。えっ、掲載許可を取ったのかって?あたしゃ白影を撮ったんですぜ。そこに偶然、一頭の馬が写ってたわけ。これは不可抗力です(^^;

さて、行くかあ。小降りになった雨の中、優駿SSを目指す。この分じゃ、オグリは放牧されているかもしれない。雨のため放牧中止でも、馬房から顔出してくれるだけでもいい。5分程度で優駿SSに到着。

おおっ、放牧されとるやんけ!

他のスタッドではみんな放牧中止だったのに、優駿SSだけは放牧されている。この辺は各スタッド毎の特徴が出ていて面白い。3日目に聞いたように、ほんとにオグリは元気のようだ。体調不良だったら、雨の日には放牧されないだろう。チクショウめ、うれしくなってくるぜ!(←いつの時代のセリフだ?)

例によって、元気なオグリを見たら急に腹減った。生姜焼き定食に決定、喫茶優駿に入る。この間、優駿SSの場長が生姜焼き食ってるのを見て、密かにオレも食おうと決意していた。あっくんは、人がうまそうに食ってるのを見たら、すぐ同じ物を食いたくなる。昔、傷だらけの天使のショーケン見て、コーンビーフを食いたくなったのはオレだけではないだろう。
生姜焼き定食を食っていると、

「ダメだダメだ!うちは取材はお断りだよ!」

またまた場長のでかい声!(爆) どうやら、雑誌の取材を申し込まれているらしい。カメラを持った取材人と話しながら、喫茶優駿に入ってきた。しばらく場長と取材人との会話が続く。非常に興味のある会話だったが、ここでその内容を公開するわけにはいかない。すんまへん。それにしても、場長と秘密の会話ってのは不可能だな(^^;

生姜焼きを食い終わって、再びオグリの放牧地へ。雨は降ったり止んだりしている。何枚か写真撮影、マヤノトップガンとオグリの2ショット。でも、ここで掲載するわけにはいかない。かあ〜っ!写真がないと間が持たないので、こんなものでもご覧下さい。

サラブレッド銀座に入ってすぐの展望台からの眺め。1993年撮影。この左側に優駿SSがある。

 

牧場のお馬の親子。どこだったか忘れちった。これは1997年撮影。

写真撮影を終えて、遠くからぼーっとオグリを眺める。たしか中央(競馬)では、オグリの子供は重賞未勝利だったなあ。オグリワンのオープン勝ち(ききょうS)、アラマサキャップのクイーンS(GIII)2着くらいだったかな?欲を言えば、オグリの子供の重賞勝ちを見てみたいが、オグリ自身が元気だったらそれでいいや。

時刻は昼時。さて、最後に温泉で旅の疲れを落としとこうかねえ。ここ新冠近辺にはこれまで温泉は無かった。温泉の多い北海道では珍しい。それが数年前に温泉が出たと聞く。ただそれだけ。場所、名称等詳しいことは全然知らん。誰かに聞けば何とかなるやろ。駐車場にいたタクシーの運転手さんに聞いてみる。

「すいません、この辺に温泉があるって聞いたんですけど、ご存知ですか?」
「国道235号を静内方面へ5分ほど走ると、標識が出てるよ」
「どうも!」

スカちんに戻りエンジンスタート、ゆっくり出発。再び雨が激しくなってきた。しかしオグリはそんなことお構いなしの様子。相変わらず草を食んでいる。

「元気でな、また来年!」

そぼ降る雨の中、優駿SSを後にした。

8日目ここまでのルート。まともに牧場巡りしようと思ったら、一日じゃとても回りきれないよ。