四日目(その2)


旭川市内に戻る。宿泊していたグリーンホテル前を通過、国道39号線を今度は西に層雲峡目指して走る。腹減った。考えてみれば、昨日はめん類ばっかりだった。

米食いてえ〜!

上川近辺のドライブインで豚丼を食う。豚丼とは、甘辛いタレで味付けした豚肉をソテーして、ご飯に乗せたもの。うまい!ボリュームもある。といっても、国分寺駅前のスタミナ丼ほどのボリュームではないんでご安心を(←何人に話が通じるんだ?)。豚丼ていうと帯広辺りが有名だと思ったけど、北海道では定番料理なんですかねえ?

さらに39号を西に進む。いよいよ大雪山の懐へ、針葉樹が立ち並ぶ険しい渓谷を縫うように走る。気分は風吹裕矢、まるで流石島レースの森林地帯みてえ(爆)。

層雲峡に到着、ここはロープウェイ、リフトと乗り継ぎ、黒岳登山ができる。ふもとは温泉街。近くに銀河の滝という有名な滝もある。でもこれまで何回も行ってるんで、今回はパス。一気に銀河トンネルを駆け抜ける。もちろんこの辺りは、一度は行く価値のある名所ですよ。

層雲峡から黒岳へのロープウエイ。さらにこの先、リフトを乗り継ぎ、一時間ほど登山すると...(1997年撮影)

 

黒岳から見た俯瞰。1993年撮影。まだらに見えるのは雲の影。この険しい山のふもとを国道39号線は走っている。

 

登山途中で見つけた、シマリス。1993年撮影。この他、北海道にはエゾリスもいます。

 

これが銀河の滝。1993年撮影。写真じゃ伝わらないけど、かなり壮観な眺めです。

トンネルを抜けるとそこは大函、ここは行ったことが無い。ちょっと寄ってみっか。銀河トンネルと平行するように、遊歩道のトンネルがあった。真っ暗なトンネルが口を開けている。いつぞやの崩落事故以来、トンネル恐怖症になっているあっくんは、渓谷で写真だけ撮ってさくさく出発。空が再び曇ってきた。

大雪湖の手前で道が二股に分岐する。右へ曲がれば国道273号を通って帯広方面へ、左へ曲がれば39号を通って北見方面。明日道東(知床)に行くため、北見入りするあっくんは、39号をそのまま走る。ちなみに帯広に抜ける273号沿いには、糠平(ぬかびら)湖、然別(しかりべつ)湖、その他もろもろの秘湯がある。この辺り、大雪山の東側は、まだ行ったことない。来年以降のお楽しみに取っている。もう、かれこれ10回近く北海道に来ているが、まだまだ未知の土地が多いなあ。ほんとに北海道は広い。

さてさて、あっくんは石北峠に突入。雨が降ってきた。まさしく山の天気、あっという間に表情が変わる。路面はウエット、つい数時間前のようなトラクションバリバリ走行などもってのほか(笑)、適度なアクセルコントロールでグリップを稼ぎ、車間距離を十分にとる。

峠の頂上に到着、ここはゆでとうきびや、あげじゃが等を売っている。さっき豚丼を食ったあっくんは、食後のデザート代わりにソフトクリームを購入、濃厚な味わいでうまい。

石北峠から見た、ほんの一部の風景。1997年撮影。2000年の今回は、雨に煙っていた。ここは一枚の写真じゃ、全然イメージ伝わらないね(苦笑)。

時刻はまだ2時過ぎ、昨日と違って時間にはたっぷり余裕がある。さあ、後は北見までノンストップ、夕方4時台にはホテルにチェックインしよう。今度は下り坂、より慎重にアクセルコントロール。ていうか、スカちんは4速でもエンブレが効くんで、コーナーの手前でアクセルから足離すだけ。ウエット状態でも全く動じることはなく、路面に吸い付くように曲がって行く。ブレーキもほとんど踏む必要ない。ほんと安心してドライブできる。レンタカーじゃ限界が分からないんで、運転するだけでストレスが溜まっちまう。

石北峠を過ぎると、雨が上がった。白樺林が続く直線道路になる。この辺は「きつねの里」といって、キタキツネ牧場(笑)が散在する。国道沿いに、何匹もキタキツネが鎖につながれている。4〜5年前、ここからちょっと入った「おけと湖」に行った時、何匹もの野生のキタキツネに道路封鎖(爆)されたことがある。観光客が「餌付け」するんで、車見たキタキツネがすぐに飛び出してくるわけ。何度急ブレーキ踏んで停車したことか... 野生動物にとって何が一番幸せなのか、もうちょっと考えてあげましょうね、みなさん。

これは1993年に、銀泉台という登山用ベースキャンプ地(?)に行く途中の光景。スカちんを見て飛び出してきたキタキツネ達。運転席から撮影。もちろんエサはやらない。

さてさて今年のあっくんは寄り道することなく、39号をひたすら東へ直進する。留辺蕊(るべしべ)を過ぎると、自然と道路が混んできた。後は北見まで通常の市街地走行、特に書き記すことはない(^^;

北見市に到着、ここは札幌同様、街が碁盤の目のようになっているんで、慣れれば住所だけで動ける。今日の宿は北見グリーンホテル、住所は北5条西3。北見駅前を基点にして、1ブロックごとにカウントすればいい。北へ5ブロック、西へ左折して3ブロック... ホテルはすぐに見つかった。なかなかきれいなホテル。本日の走行距離272km(けっこう走ってるなあ)。チェックインしてベッドに寝そべり、テレビをつける。ただ単に、朝から晩まで観光地を巡るだけじゃ面白くない。北海道のローカル番組を見るのもひそかな楽しみ。もちろんメニューはどさんこワイド(笑)。今日はゆっくりして、明日の知床観光に備えよう。

7時過ぎにビールを買いに出かける。商店街はすでに閉店してて閑散としている。深夜と勘違いしそう... そうだった、東京と同じ感覚で出歩くわけにはいかんかった。散策すると、かろうじて酒屋は開いていた。この酒屋、なんか前も来たことあるなあ。ビールを買うついでにちょっと聞いてみた。

「すいません、この辺に焼き魚が食える食堂はないですか?」

めん類、肉と食ったんで、無性に焼き魚が食いたかった。

「食堂はないけど、炉端焼きの居酒屋だったらいい店知ってるよ」

居酒屋の店名と場所を教えて頂いた。

「どうも、ありがとうございました」

お礼を言って、教えられた通りに居酒屋を目指す。居酒屋の名前は「ユーカラ」。前述のように碁盤の目を歩くんで、迷うことなく到着する。

...ちょっと待て、この店たしか前も来たことあるぞ!

しかもこの店、今回あっくんが泊まっているグリーンホテルの隣!(爆)

どうやらあっくんは、酒屋→居酒屋と、無意識のうちに4年前と同じルートをたどってきたらしい。こういうのをデジャブー現象っていうんですっけ?(←ちょっと違うぞ)

ひょっとして昨日、富良野でラベンダーのにおいを嗅いだせい?(←おい)

ここは北見では有名な店らしい。平日とは言え、店内は活気づいている。居酒屋なんだから、まずサワーを注文、それから羅臼産のホッケ(大)1枚、ライス(みそ汁/おしんこ付き)を2人前注文した。これでホッケ定食大盛りのできあがり!

うめえ〜っ!

東京のスーパーで買うホッケとはホッケが違う。すごく脂がのっていて、味が深い。しかもでかい!ホッケの隅々まで箸をつつく。腹いっぱいになったぜ。いやいや、満足満足!(^^)

「どうも、ごちそうさまでした!」

レジを打つ店員さんがけげんそうな顔をしている。そりゃそうだ、あっくんは居酒屋に飲みに来たわけじゃない。メシ食いにきたんだからなあ(爆)。

さてと、明日のためのエネルギーも120%充填したし、お次は......

寝よ。