2006年のマリエン(その2)


緊急特集、これがジャパンの弱点だ!

1. 外装

言うまでも無く、外装は錆との戦い。特にケンメリ・ジャパンは、生産台数増加のため、コーティング材に鉄板を漬け込む時間を短縮したと聞く。このため、箱スカより錆びやすいという特性をもっている(苦笑)。
 

ボンネット先端部:

ジャパンは、ボンネットの先端にモールがついている。ここが雨水の通り道となり錆び付き、さらにエンジンの熱が錆の進行を加速させる。末期になると、ボンネットと骨組みが分離、走行中にボンネットが開いて視界を塞いでしまう。

対策:

とにかく雨ざらしにしないこと。ボディカバーをかけるだけでも効果がある。また、裏からの錆止め対策は必須。あっくんは定期的にノックスドールを吹いている。

ワイパー基部の雨樋:

ここは、プラスチックのカバーに覆われて見えないが、一度外してみてください。雨水の通り道(雨樋)になっているため、間違いなく錆びている。

対策:

あっくんは、5〜6年前に雨樋を新造し、さらに入念な錆対策を行った。

フロント/リアタイヤハウス後部:

そもそもタイヤハウス自体が錆びる。特に、タイヤが跳ね上げる泥や小石が当たる後部は悲惨。ボコボコのジャリジャリになります。

対策:

北海道のダートを走ることを宿命付けられているスカちんは、大型のマッドガードを装着。純正ガードはフェンダー折り返し部を挟み込んで固定するから、フェンダーが錆びやすくなるし、マッドガードも外れやすい。スカちんの場合、フェンダー折り返し部に穴をあけ、そこにボルト止めしている。さらにステーも追加して補強。タイヤハウス周りは、ノックスドール吹きまくり。

フロントウインドウ上部窓枠:

雨天走行を重ねていると、じわじわと錆が進行する。放っておくと窓枠はもちろん、ルーフにまで錆が進行する。

対策:

一度フロントウインドウを外して、がっちりとシーリングをやり直した方がいい(写真参照)。オリジナルのままだと、間違いなく錆が進行してます。

トランク両サイド:

ここは雨水が溜まる。犯人はリアウインドウサイドモール。ここから雨水が入ってくる。ケンメリはCピラーのモールから入ってくるんじゃないかな?

対策:

ご覧のように、内側からシーリング。写真じゃ見えないが、リア窓枠までシーリング材を注入している。

給油口カバー:

付け根部分の素材が貧弱で(亜鉛製?)、ツメが磨耗したり、折れたりします。

対策:

開閉は優しく。ガソリンスタンドの人には触らせないように。できれば予備を持っておきたい。

この他にもドアやサイドステップ部など、いろんな部分が錆びる。対策としては、

・腕のいい修理工場で板金(ワンメイク叩き出しで部品新造/防錆処理を施してくれる工場を探す)。
・雨ざらしにしない。屋根つき車庫のない場合、ボディカバーは必須。

この2点。ボディは特に大事。旧車選択の必要最低条件は、ボディがしっかりしていることです。

2. 内装

内装は紫外線との戦い、これにつきる。最近は特に、オゾンホールの影響で、一昔前と比較して紫外線量が格段に多い。
 

ダッシュボードの割れ:

熱と紫外線で、ダッシュボードが割れてくる。ジャパンに限らず、全ての旧車に共通するウィークポイント。

対策:

できるだけ直射日光を当てないこと。サンシェードやボディカバーで対処する。尚、スカちんの場合は、抜本対策としてダッシュボードに合成皮を貼っている。

リアトレイの割れ、リアシートの破れ:

ここも直射日光と紫外線で痛んでくる。

対策:

これまた直射日光に当てないこと。スカちんはUVカットネットを装着。

ヒーターコア:

足元にLLCが流れ出て来たらやばい!ヒーターコアはセンターコンソールの奥にあります。いつの日か、必ず破れます。

対策:

不安なら、早めに点検を!ラジエータと同じく、ヒーターコアはOH可能です。
その他、スカちんは銀系酸化チタンを全体に吹きかけ、さらにサイドウインドウは、「UVとめ太郎」を塗りこんでいる(これまたシート保護になる)。
また、直射日光を当てないためにも、ボディカバーをかけている。つまりボディカバーは、雨対策、紫外線対策両方の効果があるわけ。カバー内側が起毛タイプの上質タイプをお薦めします。
また、ボディカバーは、1週間に1度は外して、ボディに皮膚呼吸させてやること。これ、重要。カバーかけっぱなしだと、塗膜にしわが寄ったり、ブツブツとムラになったり、亀裂が入ったりします。

3. エンジン回り

L型エンジンの特性は丈夫なこと、壊れないこと、これに尽きる。しかしながら、弱点もあります。これはケンメリ・ジャパンに限らず、L型エンジン共通の弱点やね。
 

ウォーターポンプ:

写真じゃ見えないが、ファンの付け根にある。これがL型エンジン最大の弱点。徐々に磨耗し、最終的には金属疲労でねじ切れてしまう。こうなったら悲惨、ファンが外れてラジエータを破壊してしまう。

対策:

走行距離不明だったら、今のうちに交換しておくことをお薦めします。

ヘッドガスケット:

弱点というより、当たり前の話。徐々にオイルが漏れてしまう。さらにL型エンジンの特徴として、6番近辺のガスケットが抜けやすく、ここからはLLCも流れ出てくる。

対策:

言うまでも無く、早めに交換しましょう。

スタッドボルト:

これも6番近辺、一番奥のスタッドボルトが弱点。構造上、このボルトに一番負荷がかかっている(R30で改良された)。これが折れると、次第にエキマニが熱で変形して、使い物にならなくなる。さらに末期になると排ガスが逆流して、エンジンが吹けなくなってしまう。

対策:

あなたのスタッドボルトも折れているかもしれません。一度、点検してみてください。

4. 足回り

足回りは、社外製の強化部品を装着してらっしゃる方も多いでしょう。が、全ての方がチェックすべき部品がある。それは、ブッシュなどのゴム緩衝パーツ。
特に、リアのロアアームが腐るケースが多い。これは、ロアアーム取り付け部のゴムパーツが潰れて、走ってるうちに外れ、残されたロアアームがヘタってしまうから(それだけロアアームには負担がかかっている)。よほど気をつけておかないと、足回りのゴムパーツの劣化は気づきにくい。
フロント/リアに限らず、足回りのブッシュ類は交換しておくことをお薦めします。多分ここは、ほとんどの旧車が手付かずのままだと思う。ちなみにスカちんは、2004年に一式交換。今なら、まだ新品パーツが出ます。

5. 電装系

これもケンメリ・ジャパンに限らず、全ての旧車に共通する課題。腕のいい電装屋さんを見つけることが解決への近道。しかしながら電装系のトラブルは、症状が一定しないため、対処は困難。さらに、対処しようにも部品が出てこないのが電装系。実は、スカちんが一番苦労しているのは電装系なんです。この辺のパーツは、C210とC211では、ほとんど互換性が無い。

このため、電装系パーツは、常に予備パーツを持っておくことをお薦めします。今は持って無くても、日常から常に探しておくこと。新品パーツが出る場合は、迷わず買っておきましょう。特にECUやイグナイタ、エアフロといった、トランジスタを使用しているパーツを見つけたら迷わず買い。C210と違ってC211なら、まだ出てくる可能性があります。また、インジェクタも予備に持っておきたい。
 

これがスカちん常備の電装パーツ群。具体的には、燃料ポンプ、点火コイル、デスビ、オルタネータ、ファンベルト、イグナイタ、IGNリレー等。
オルタが発電しているにも関わらず、バッテリー上がりが頻発する場合、まずはヒューズBOXとリレー群を疑ってみてください。リレーが劣化すると漏電します。

また、電装系は定期的に使用するのが、長持ちさせるコツ。あっくんは、

・コンプレッサー(クーラー)
・フェンダーミラー
・ウオッシャー液(ワイパー)
・リア熱線デフォッガー
・フォグライト/パーキングライト
・リアクォーターウインドウ
・リサーキュ

等を用も無いのに、最低でも月に一度は動かしてます。

こんなとこかな。あまりに細かなマイナートラブルは書ききれないや。とにかく絶版部品のオンパレードですから、日常のケアを怠らないようにして、長持ちさせるよう心がけましょう。それじゃ、会場写真に戻ります。