究極のドレスアップ! 〜北九州里帰り後編〜


2002年5月1日、あっくんはゴールデンウイークを利用して、スカちんと北九州に里帰りしていた。でもってこの日は、ある目的があって、北九州から関門海峡を渡った山口県下関市にいた。その目的の前に、まずは本屋に直行。

「すいませーん、今日発売のノスタルジックヒーローっていう車雑誌入ってますか?」
「......まだ入ってないですねえ、5月3日入荷予定です」

ショック!

どうやら九州地方は、雑誌の発売が(東京より)数日遅いようだ。実は、2002年5月に発売された「ノスヒロVol.91・122ページ」に、第3回ジャパンの日のレポートが掲載されているんです。とまやんさんやとねさん、MAXさん、風見さん、あっくんが作った1ページ。そこに掲載されている写真や文章は、全て我々の手作りです。だから発売日にどーしても見たかった。が、入荷してないならしゃーないね。ノスヒロは諦めて、前述の目的のために、下関のとある事務所に直行。

実はスカちんの初代オーナー、つまりあっくんの叔父に紹介されて、スカちんのコーティング処理を行うんです。コーティング処理ってーと、ポリマーシークとかフッ素コーティングとか思いつくけど、今回スカちんに施すのは一味もふた味も違う。その名も、

銀系酸化チタンコーティング!

わざわざでかく書かなくてもいいんだが、とにかくものすごい技術らしい。どのくらいすごいかというと、モーニング娘。に和泉節子ママが加入するくらいすごい!(←なんじゃそら)

酸化チタンによるコーティングは、「光触媒」という作用によって、水と太陽光線によって汚れを分解するらしい。つまり、車のボディが雨に濡れる → 晴れて日光があたる → 汚れが分解され、ボディがきれいになるという優れもの!
単なる酸化チタンコーティングなら、そんなに珍しくはない。試しにサーチエンジンで「酸化チタンコーティング」をサーチしてみて下さい。たくさんヒットするでしょう。次に「銀系酸化チタンコーティング」でサーチすると、ほとんどヒットしないはず。

前述の酸化チタンによる光触媒作用は、紫外線がなくてはダメ。そこで、殺菌効果の強い銀を使うことで、暗闇でも効果を発揮できるようにしたものが銀系酸化チタンなんだそうな。

光触媒作用の化学式。あっくん帝国始まって以来のサイエンティフィックな展開!
私立文系出身のあっくんには、この説明がいっぱいいっぱいじゃ。

 

これは銀系酸化チタン水溶液を扱っている会社のパンフ(の一部)。あっくんの解説と完全に一致しているね。(←おい!)
協力:(株)エー・ゼット

それで、こんなすごいコーティングが、何で今までできなかったかというと、酸化チタンをボディに定着させる術が無かったから。それで、酸化チタンを水に溶かして水溶液として吹きつけ、定着させる技術が開発された。この「銀系酸化チタン水溶液」ってのが世界特許のシロモノらしい。

元々これは、車のコーティング用に開発されたわけではない。本来は抗菌、防汚を目的とした抗菌剤。従って風呂やトイレ、病院、食品を扱う工場などをターゲットとしている。つまり、塗装面の保護/艶出しってのは二次効果で、スカちんの内装に吹きつけ、車内を抗菌/消臭するのが(どちらかというと)本業なわけ。

ともかく、コーティング作業開始。まずはスカちんの清掃。ボディの泥を落とさないことにはコーティングできないからねえ。聞けば、作業してくださる方(Iさん)は、山口県で1、2を争うプロのカーウオッシャーとのこと。ボディの洗浄に、薄めたエンジン洗浄剤を使用している。素人がやると、あっという間に塗装面を剥がしてしまう。さらに、スポンジで洗う方向にも法則があるらしい(風が流れる方向、つまり前から後ろに拭く)。う〜ん、洗車ひとつとってもプロの奥義は深いぜ!

ていねいに洗浄されたフロント足回り。ポテンザ01が黒光りしている。リアホイールを洗浄しているIさんも写ってるね。

 

コーティングを行ったガレージ前の光景。左は叔父のレガシー。あっくんも少し乗ってみたが、ジャパンとはトルクが全然違うね。ちなみにこの車にも、チタンコーティング処理が施されている。

「塗装面、けっこう傷ついてますねえ」

Iさんがスカちんのトランクを指さす。

「そうなんですよ。今までAURIというコーティング剤でごまかしてましたけどね」

去年、トランクをはね上げるトーションバーのステーを溶接したとき、トランク表面に小傷がたくさんついてしまった。仕方がないので、今までAURIを塗り込んでたわけ。

「チタンコーティングじゃごまかせない(傷の補修はできない)んで、傷を消しておきますね」

Iさんは機材を取りだしトランクをマスキング、ローターでていねいにコンパウンドをかけはじめた。

ありがたや、ありがたや!

大きなライトを当て、何度もチェックしながらトランクを磨く。

何度もチェックしながら丁寧にコンパウンドをかけるIさん。スカちんも実に気持ちよさそう。

「あんまりかけると、塗装がはがれちゃうからねえ」

見てみると、あれだけあった小傷がきれいさっぱり無くなっていた!

「おおっ、こんなにきれいになるんですか!ありがとうございます!」

いよいよチタンコーティング作業。コンプレッサーを取りだし、まるで塗装しているようにチタンの水溶液を吹きつける。

ボディをはじめとしてホイール、タイヤ、バンパー、ウインドウ、ゴムパーツ、ライト、おまけに内装まで何でもござれのコーティング!

「UVカット効果もあるから、ウインドウのコーティングもOKですよ。一度定着すれば、1年は効果があります」

実際はもっと効果があるそうだが、誰も信じないんで1年間保証にしているらしい。ちなみに銀系酸化チタンコーティングは、山口県の某自動車ディーラーでは、ディーラー標準(!)として採用されているとのこと。

ボンネットコーティング中の光景。この後ドアを開け、室内全体にも同様にスプレーした。

 

これが銀系酸化チタン水溶液。これ1本で、5〜6台の車をコーティングできる。

「ブレーキディスクにかかっても大丈夫なんですか?」
「全く関係ないです」

殺菌/防汚効果もあるんで、下着や靴下、食器やカメラ、携帯電話、キーボード等々、人畜無害であらゆる物に適用できるらしい。ちなみにあっくんのメガネをコーティングしたら、それ以降曇らなくなった。普通に水洗いして日光で乾かせば、(前述のように殺菌効果もあるんで)タオルやおしぼり、シーツなんてのにも使える。

コーティング直後のボンネット。時代を感じさせる「水肌」の塗装面がくっきり!

「これでできあがりです」

もう済んだの!?

時間にして約20分、チタンの水溶液を吹きつけただけで終了!拭き取りは全く必要ないらしい。

後は日光で乾かすだけ。見てみると、今までのAURIによるギラギラした艶ではなく、塗装面本来が持っている落ち着いた光沢が復活していた。

作業終了後、ガレージから出して乾燥させる。乾きさえすれば、手で触れてもOK。信じられないほど扱いやすいコーティングだ。

 

一見して落ち着きのある発色になったスカちん。ワックスも何もしていない、塗装面が持っている本来の表情になった。

また、銀系酸化チタンコーティングは、特別な技術が必須というわけではない。あっくんは予備の銀系酸化チタン水溶液を1本頂いた。これを香水のようにシュッシュッと吹いて、布で拭き上げるだけでOK。それで塗装面の保護、抗菌、防汚、UVカット、消臭効果があるというんだから、まさに魔法の水やね。小さなお子さんをお持ちの家庭では、哺乳瓶や涎(よだれ)掛け、オムツ、おもちゃ、テーブル、手すりや壁等々、あらゆる物に適用できる。体にふりかけると、しばらく魔物に出くわすことがなくなるかもしれないね(←それは違うど!)。

コーティング処理後、何日か経過した後のボンネット。ワックスをかけなくても、ご覧のような発色。

ところで本レポートをお読みになって、この銀系酸化チタン水溶液に興味を持たれた方も多いと思う。しかしながら本品は、まだ販売ルートが確立してない。従って、大阪や東京、あるいは北海道などで本品を入手することは、現時点では難しい。が、もうちょっとすると流通ルートが確立する見込みとのこと。そうなれば、適価(?千円)で入手できるようになるはずです。

どーしても今すぐ手に入れたいという方は、本レポートをもう一度、よーーく見返してください。「あっくん帝国」は、営利目的としたページではないので、商売のことは書けないが、ヒントはどこかにあるはずです。