13日目(12月21日(火))

レイク・テカポ → ゲラルディン → クライストチャーチ

朝5時、明るい。朝日がさしている。
湖の向こうにニュージーランドアルプスの山々が白く輝いて見える。
カメラを持ち出しパノラマ風に撮影。その後しばしの散歩。
だんだん雲行きが怪しくなり、やがて、雨に変わる。ほんの一瞬の晴れ間だった。

モーテルを出て、すぐ近くの小さな教会に立ち寄る。
テカポ湖湖畔の有名な「善き羊飼いの教会」という名の石造りの教会だ。
教会は辺りの風景とマッチしていて、素朴で親しみを感じる。
中は本当に狭く、正面の祭壇には湖を望む窓がある。
丁度額に入った絵のように見える。
晴れていればさぞかし綺麗な景色だろうに・・・。

教会の側に羊犬(シープドッグ)のモニュメントがあり、カメラに収める。
精悍さを感じさせる、イングランド・シープドッグの像である。

ニュージーランドでのドライブも終盤に近づき、クライストチャーチへ向かう。
8号線の両側にはルピナスが延々と続く。「ルピナス街道」と勝手に名付けてみる。
しばらく走行の後、雨に濡れたしっとりした緑がだんだん鮮やかに・・・。
クライストチャーチまであと186キロの地点で8号線から79号線に入る。
牧場が広がり、あちこちで羊がのんびりと草を食んでいる。
パッチワークのような景色が広がり、丘陵地帯がどこまでも続いている。
いつしか雨も上がり、緑が一層色鮮やかになっている。綺麗だ・・・。

ゲラルディンの町で休憩を取る。小さいけれどおしゃれで、清潔そうな町だ。
軒を並べる小さな店はクリスマスムードたっぷりだ。
お土産になりそうな小物が所狭しと並んでいる。家内はここでお土産を調達する。

再びクライストチャーチへ向かう。だんだん雲が切れ始め、青空が広がってくる。
途中、道路脇の牧場には、防風林がある。その高さはかなりある。
それが直角に綺麗に剪定されている。どうやって刈り込んでいるのだろうか。

とあるワンウェイ・ブリッジに来たとき、
眼前に素晴らしく綺麗な景色が広がり、急停車。
吸い込まれるようなコバルトブルーの川がゆったりと流れ素晴らしい景観。
ラカイア峡谷だ。
川の上流からモーターボートがものすごい勢いで下ってくる。
点にしか見えなかったボートはやがてすぐ近くに来て止まった。
ボートからの眺めもさぞかしのものだろう。

クライストチャーチの街に帰ってきた。
お天気も良くなり、予定より早めの到着なので
サイン・オブ・ザ・タカヘ(Sign of the Takahe)と
見晴らしの良いゴンドラ駅まで行ってみることにする。

サイン・オブ・ザ・タカヘは、街の南部、カシミア道路を登った高台にある。
石造りの建物で、庭も綺麗だ。中世を思わせる建物の内部には甲冑が飾ってある。
窓からの光を背にして立っており、今にも動きだしそうな気がする。
その昔、この山道の休憩所として使われていた歴史的な建物である。
現在は、結婚式場やレストランとして利用されているそうだ。
敷地内に展望台があり、クライストチャーチの街並みのみならず
遥かかなたの山々まで展望できる。

ゴンドラの頂上までの道(Summit Road)は狭く、くねくねと曲がっている。
しかも、急勾配で、ガードレールなし。車の左側に断崖が続く。
お尻の辺りがムズムズしてくる。家内もそのようだ。
こんな道だと知っていたら走りたくはなかった。
しかし、ヒルトップからの眺めは素晴らしい。コバルトブルーの続く海岸線、
砂洲上に延びた細長い半島、真っ青な空と打ち寄せる波の白さ、入り江のヨットハーバー・・・。
見渡す限り素晴らしい景色の一語に尽きる。

クラウン・プラザ・ホテルに到着、なんだかホッとする。
以前に二泊していたので今回が三泊目。フロントのキャサリンが笑顔で迎えてくれる。

今夜の夕食はホテルでディナーとする。
クリスマスのシーズンなのでクリスマス・ビュッフェ(バイキング)、グラスワインを注文。
ニュージーランドは周囲が海に囲まれているので海のものが豊富にある。
生のカキやサーモンなど美味しくいただく。
クリスマスムードをたっぷり満喫した夕食になる。

食後まだ明るく、お天気もいいのでホテル周辺の散歩に出る。
日を追うごとに時間的余裕が持てるようになってきた。

明日は、市内観光をした後、オークランドへ・・・。
本日の走行距離 260Km。



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