11日目(12月19日(日))
インバーカーギル → オタゴ・ペンギンプレイス(オタゴ泊)
インバーカーギルは大きな町。道路は広くゆったりしている。
しかも碁盤の目のように整然として美しい。
家々も花を飾ってあったり、植え込んでいたりでとても綺麗だ。
この町のシンボル、ウォータータワーに立ち寄る。
赤いレンガ造りの塔で、1888年建築という。
サウスランド博物館にも立ち寄る。
入館料は取らず、ドーネーション(寄付)2ドル/人というのがいい。
隣のクイーンズ・パークにも入ってみる。
よく手入れが行き届いており、緑の樹木の美しさ、広々とした園内、美しいバラ園が目を引く。
天気が良いので木々の緑が光に映えて一層際立つ。
朝食の買い物のためにスーパーに。
日本のスーパーとは比較にならないほどこのスーパーはでかい。
野菜や果物も品数が豊富で、魚介類も売っている。
ハムなどは10kgを越える塊で売っているものもある。
この国の人たちは全般に背が高く体も大きいので、
食べる量もきっと多いのだろうと勝手に想像する。
パンは種類が多くて値段も安い。私たちはそこで数種類のパンと果物、牛乳を買う。
この町のもうひとつの名所は教会だという。
街中の歴史ある教会の二つ目の教会を訪れたときのこと。
この教会は、ファースト教会(First Pressbyterian Church)といい、
1915年の建築で、国内唯一のイタリア・ロマネスク様式の赤レンガ造りの建物だ。
高い尖塔を持ち、一際目立ち、そして荘厳で威厳がある。
この教会からクリスマス曲の鐘の音が聞こえてくる。人々が三々五々教会の中に入って行く。
今日は日曜日、日曜礼拝に集まっているのかも知れない。
私たちも中に入ってみる。果たしてそのとおりであった。今年最後の日曜礼拝とのこと。
旅行者の旨を断り、写真撮影の許可をもらい教会内へ。
教会の中は厳かな雰囲気だが、早めに来た人たちがそこここに座って談笑している。
両側には大きなステンドグラスがある。とても綺麗だ。
幸いにも牧師さんに会う機会を得る。牧師さんは気さくに話かけてこられた。
気品のある素敵な牧師さんだ。
時間が許せば、しばし教会の雰囲気に浸っていたい、そんな気がした。
思いのほかここで時間を費やしてしまい、昼ごろオタゴ半島を目指し出発。
途中のパパトワカという田舎町で給油。トイレは裏手のキャンプ場と共用とのこと。
このキャンプ場の設備には正直驚かされる。
トイレのほかにランドリー・キッチン・シャワールーム・バーベキューセットなども完備。
この国のアウトドア施設の充実と、人々のそのきれいな利用の仕方にいたく感心する。
また、コイン・ロッカーならぬコイン・ゴミ箱がある。国民性の違いを大いに感じてしまう。
オタゴへの経路は海岸沿いの景色の良い道路を通ることにしてルートを選定。
しばらく走ると砂利道になった。北のレインガ岬以来だ。
かなり長い坂道を下り、やがて、下りからゆるい右カーブの上り坂に。
下り切る手前でドライブにシフトチェンジ。
緩い右カーブの上りになったころ、突然車体が左右に大きく振れ始める。
コントロール不能!ハンドルを切ってもどうにもならない。
これは大変だ・・・。運を天に任す他なし。
どのくらいの時間だったか、きっと数秒程度だと思うがとても長い時間のような気がする。
車は180度スピンしてようやく止る。
幸いなことに何の衝撃もなく、どこにもぶつかることもなかった。
こんな外国の、人気のないところで車が故障したり、事故を起こしてしまったら・・・。
命が縮んだ一瞬だった。
今度は、慎重にスピードをコントロールしながら砂利道を抜けると、
Scenic道路という名前に相応しい美しい海岸線が見えてくる。
海の青さ、空の青さ、雄大な眺めにしばし感動。
車を止め、その美しさに見とれていると、馬を連れた女性が現れ
目の前で悠然と馬に跨り、ゆっくりと砂浜を駆けてゆく。
「月の砂漠を・・・」ではないが、海をバックに馬を駆る姿は正に絵そのものといえる。
とうとうオタゴ半島の先にあるペンギン・プレイスに到着。
「ニュージーランドでペンギンを見る」、家内が出発前から言っていた念願の場所である。
ここから先は個人では入ることはできない。ツアーに参加する。
マイクロバスに乗り、巣の近くまで行って、のぞき窓からの観察となる。
オタゴ半島の半分は自然動物の保護区として自然動物保護団体が管理しているとのこと。
ガイドに従って観察地点まで行って、海から上がってくるペンギンをじっと待つ。
天気が悪いときなど見られない場合もあるとのことだが・・・。
今日は天気がいいから・・と期待して待っていると、砂浜に小さな黒い点が見えた。
ペンギンだ!近づくに連れてだんだん姿がはっきりしてくる。
なかなかこちらに来ない。歩いては立ち止まり、立ち止まっては歩く。
周囲をきょろきょろ見たり、毛繕いをしたり・・・。
前かがみになって歩く姿は、丁度歩き始めた子供のヨチヨチ歩きのようで、あどけなく可愛い。
イエローアイド・ペンギンという種類で、目の周りが黄色になっているのがその由来という。
オタゴで宿を探すことにする。
来た道を戻っていると離れのような感じの一戸だけのが見つかる。
綺麗な花壇があり、牧場がすぐ見える。
ありがたいことに部屋には洗濯機があり、たまった洗濯物を一気に片付けることにする。
夕食は、コテージから2キロくらい先にある1908 Cafeというところで。
歴史のありそうな木造のレストラン。床も柱も黒く光っている。
メニューは小さな黒板にチョークで書いてあり、種類が多く、何を注文しようかと迷ってしまう。
ステーキとシーフードのメインディッシュのみとする。
手持ちの現金が心細くなってくる。
お土産として買ったCDを聞きながら今まで撮った写真をみる。
明日はマウント・クックへの旅。
本日の走行距離 332km。