10日目(12月18日(土))
ミルフォード・サウンド → テ・アナウ → インバーカーギル
晴れている・・・! 早朝、再び入り江周辺を散策する。
短い時間に刻々と変わる姿を少しでも目に焼き付けておきたい、もちろんカメラにも・・・。
昨夕とは異なる姿を堪能する。
ロッジの後ろの山が薄っすらと雪化粧をしている。夜のうちに雪が降ったようだ。
10時30分のフィヨルド・クルーズの便に乗るために乗船場に向かう。
チケットを購入して、出航までしばらく待合室で待機。
オーバーナイト・クルーズの一行が到着、下船してくる。
そのとき、なんと一昨日トランツ・アルパインで一緒だったマルーを見つける。
彼女からはその後の旅行の話を聞いておらず、これには正直驚く。
再会を喜び合うのもつかの間、彼女は急いで次の目的地へと出発して行く。
湾内に虹がかかる。なんだかいい予感がする。
昨夕会ったドイツ人によれば、昨日はお天気が悪く視界も良くなかったとのこと。
今日は期待ができそうだ。
やがて、出航。晴れてはいるが風はかなり強くて寒い。
進行方向両舷に見上げるようにそそり立つ岩肌。すごい迫力で迫ってくる。
しばらくして滝が右側に見えてくる。スターリンの滝という。
この地を探検した船長の名にちなんでつけられたそうだ。高さはナイアガラの3倍という。
遠くからの眺めではそれほど高くもみえないが、とにかくスケールがでかい。
このクルーズでは、たまたま隣にいたアメリカ人の母娘と話す機会を持つ。
デッキで「ナイアガラの滝を見たことがあるか」と聞かれ、「イエス」と答えたことがきっかけだ。
お陰でいろいろな会話を楽しむことができた。
娘さんはオーストラリアに留学中、お母さんは米国メイン州から来たという。
私は、撮影に忙しく大半は家内が対応する。とても感じの良い、知的な感じのする母娘である。
お母さんはゲルゲット、娘さんはレベッカという。
昼食は、朝、ロッジのセルフサービスで作ったサンドイッチと特大のクッキーやリンゴ。
腹ごしらえも十分。
昼過ぎミルフォード・サウンドを後にし、インバーカーギル(最南端の町)を目指して南下する。
天気は晴れ、気温8.5℃。
走り始めるとまもなく、そそり立つ岩壁の底を走るドライブとなる。
ホーマー・トンネルを抜け、しばらく走ると昨日と違って青空が広がる。
道路の側を川が流れている。ビューポイントで、車を止めて川に下りてみる。
水量は豊かで勢いよく流れている。水の色はエメラルドグリーン。
両岸の木々は太陽に映えて鮮やかで、自然の中にいる心地よさを体全体で感じる。
しばらく南下を続ける。気温4.5℃。
間もなくして昨日も通ったテ・アナウの町で給油。
少しの休憩の後、再び南下を続ける。天気が目まぐるしく変わる。
雨はかなり強烈に降ったり止んだりを繰り返す。
インバーカーギル少し手前の小さな町のインフォメーションセンターでトイレ休憩したときのこと。
またしても、本当に偶然だが、昨夕、ミルフォードで会ったドイツ人と遭遇。
先方が先に気づき声をかけてくる。
これも何かの縁と再会を喜び、しばらくの間、話をする。
ここで彼についてのことが分かった。
彼は長期間の一人旅で、しかも車を宿泊場所にして安く旅行をしているという。
ゲルハルト・グリーブさん、58歳、銀行マン。
再び、目的地を目指してドライブ。目の前に太平洋が広がる。
エメラルド色に輝く海、この向こうに南極がある。
打ち寄せる波の音が遠く近くに聞こえてくる。波が白く砂浜に打ち寄せる。
風がものすごく強い。まるで嵐のようだ。車がこの強風に煽られる。
このあたりは年中風が強いのか、目に入る木々は皆風下に傾いている。
厳しい自然との闘いを垣間見る。
ようやく、インバーカーギルに到着。今宵のモーテルに、6時半ごろ入る。
夕食はモーテルの系列レストランでとることに・・・。
子供連れの一行を何組も見かける。土曜日なので家族が多いようだ。
ターキーのクリスマスセットとフィッシャマンズ・チョイス(魚介類)を頼む、
もちろんグラスワインも・・・。
モーテルでこれまで撮ったデジカメ映像をテレビ画面で初めて見る。
泊まる先々でトライしたが、設備が不備で見ることができなかった。
失敗作もあるが結構良いものもある。
明日の行動を検討して床につく。
本日の走行距離 313Km。