9日目(12月17日(金))
ワナカ → アロータウン → クイーンズタウン → ミルフォード・サウンド
今日の最終目的地はミルフォード・サウンド。
朝7時、すでに陽は高い。朝のワナカ湖を写真に収めて出発。
8時40分、その昔、金鉱の町として栄えたアロータウンに到着。
クリスマスムードのかわいいカフェで朝食、そしてこの町を散策。
こじんまりとした町だが、落ち着いた感じの町だ。
アロータウンを出て約一時間後、クイーンズタウン郊外のディア・パーク(Deer Park)へ。
ここは羊やヤギが放し飼いにされているという。
動物たちとの触れ合いを楽しみに丘の上に向かう。
今日も晴れて、空、雲、緑、山々、そして湖それぞれが美しい。
途中の餌場では、羊やロバたちがエサをねだって寄ってくる。
餌缶の中にまで顔を突っ込んで餌を求める姿に思わず大笑いする。
動物たちがこの上なく愛くるしい。
丘の頂上まで上り詰めると、一挙に展望が開ける。
ワーオー!、360度ぐるりと見渡せる。全周囲がまさに絵になる眺めだ。
眼下にはクイーンズタウンが一望の下に広がっている。
東の方を見下ろすと、コバルトブルーに輝く川が蛇行して流れている。
(このときは思いもしなかったが、ここが「ロード・オブ・ザ・リング」の
ロケ地のひとつであったことを帰国してから知ることになる。)
クイーンズタウンは観光の町。小さいけれども綺麗で洗練されている。
オープン・カフェなども多く、観光客でもっている感じだ。
また、ミルフォード・サウンドへの中継基地ともなっている。
手持ちの現金とデジカメのメディアが心配になってきた。
ここで初めて現金をカードで引き出す体験をする。
そして、メディアも購入、これでひとまず安心だ。
先を急ぐため、テ・アナウを経由してミルフォード・サウンドへ向かう。
途中の川原一面にルピナスが群生している。
ここで見るルピナスは他の場所より圧倒的に素晴らしい。
車を止めて、花の中に入ってみる。香りが強烈に匂う。
しばし、ルピナスを眺めながらの休憩となる。
ミルフォード・サウンドまで20kmの地点まで来る。
雨が降ったり止んだり・・・。霧が出てくる。ミゾレが降る。
やがて、そそり立つ岩山をくりぬいたホーマ・トンネル(1.2Km)が現れる。
ミルフォードへの唯一の道、そしてこのトンネルの向こうがミルフォード・サウンドだ。
トンネルを出ると、垂直にそそり立つ岩壁が目の前に現れる。
圧倒されそう・・・。降った雨がここでも諸所、滝のように流れ落ちている。
すぐ近くには雪渓が横たわる。
午後6時過ぎ、激しい雨。気温は7℃。
とうとうミルフォード・サウンドに到着。雨は上がった。
幸いにも、唯一の宿泊施設(マイター・ピークロッジ)に空きがあった。
予想以上にドライブが順調でここに宿泊できるなんて、本当に超ラッキー。
大人数の団体客が泊まれるような宿泊施設はここにはない。
これは、自然を人による破壊・汚染から少しでも守ろうとする表れかもしれない。
早めに食事を済ませ、まだ明るさの残る水辺を散策する。
引き潮になっており、普段は行けないところまで歩いて行ける。
目の前には、かの有名なマイター・ピークがそびえている。
雨が上がり空は晴れて、夕映えの景色は本当に美しい。
時間の経過とともに景色も変化し、まるで生きているようだ。
時々刻々その神秘さを楽しませてくれる。
カメラを抱えた数人の人が良いアングルを求めてそこここにいる。
家内がたまたますれ違った旅行者と話をしている。
彼はドイツからの旅行者で、長期休暇を利用して旅行しているという。
ロッジの部屋からは晴れた夜空に月が輝いて見える。
私は急いで夜のミルフォード・サウンドにかかる月を撮るために外へ。
外はかなり冷えている。
明日は、クルージングの予定、晴れてくれるだろうか。幸運を祈りたい。
本日の走行距離 447km。