6日目(12月14日(火))
ウェリントン → ピクトン → クライストチャーチ
朝、6時半にホテルを出る。程なくインターアイランダーフェリーターミナルに到着。
すぐ横のパーキングスロットに車を置き、キーは近くの鍵入れに入れる。
これで乗り捨て完了、至って簡単である。
ここからフェリー乗り場まではシャトルバスが運行されている。所要時間は数分程度。
荷物は事前に検査され積み込まれる。身の回りのものだけ携行だ。
時間があるのでコーヒースタンドで軽い朝食をとり、シャトルバスに乗り込む。
「天気は晴れ、風は弱い、皆さんは大変ラッキー。メリークリスマス!」とドライバーがにこやかに言う。
昨日は、まるで台風のような強い風が吹き荒れていた。
通称「悪魔の風」といわれる。全般的にニュージーランドは風の強いところのようだ。
午前8時いよいよ、リンクスに乗り込み出航だ。南島ピクトンまで、約二時間の船旅である。
港から見るウェリントンの街が朝日を受けて輝いている。
ウェリントンの街が次第に遠ざかって行く。
船尾から見る市街地が、白い二本の航跡の向こうに燦然と輝いている。
しばらくすると、乗客全員がキャビンの中に集められる。
非常事態発生時の対処要領の説明で、数分で終わる。
また、みんな思い思いの行動をとる。
このフェリーは高速の大型フェリーだが
車は運ばず、乗客専用でキャビンも広くゆったりとしていて快適だ。
やがて、湾をぬけて、クック海峡に入る。
ここはさすがに波が荒い。でも、今日は凪いでいる方なのだ。
南の島が見えてくる。船の揺れがほとんどなく、滑るように海面を進む。
ピクトンへの内海に入ったようだ。美しい景色に見とれているうちに、ピクトンに到着。
下船後、すぐ近くのAVISでレンタカーの手配。
既に予約済みなので、すぐにキーと車の置いてある駐車場番号をくれる。
港の公園で休憩し、しばしピクトン湾を眺める。
これからまた、1号線をクライストチャーチに向け東海岸沿いを南下することになる。
やはり、北島と同じように牧場が続く。
でも、何かが違う。草の色が茶色で、まるで草が枯れているようだ。
北島は草が緑で、青々としていた。緯度が高いせいなのか、気候の違いに驚かされる。
しばらくすると、道路の両側に葡萄畑が続く。
ニュージーランドは、ぶどう酒でも有名な国、ワイナリーが諸所にある。
前方に車が止まっている。川を渡る橋がある。
これまでも、何ヶ所か川を渡ったが、ほとんどの橋が一車線の橋、one way bridge だった。
渡るのは基本的に先着順である。ここは信号つきの橋。
やがて、カイコウラという町に至る。
ロブスターという看板があちこちで目に付く。
今夜の夕食はぜひロブスターにしたいと思う。
クライストチャーチ市街地に入る。
オークランドに次ぐニュージーランド第二の都市だ。
そして昔のイギリスの街並みを残しているという。
まず、車を返すAVISの場所を確認するために、飛行場へのルートをとる。
22日の夕、ここからオークランドへ飛ぶことになっているからだ。
場所さえ確認しておけば、クライストチャーチ最後の日の時間も有効に使えるはず。
庭園と家々のたたずまいが大変美しいといわれている、モナ・ベイルに行く。
入り口に到着したが、木製の橋があり、本当に車で中に入っていいのか迷う。
車を止め、しばらく景色を堪能していると、若者が乗った車が四台中に入っていった。
この後をついて行ってみることにする。
中にも美しい庭園があり、またバラの花の咲き乱れているバラ園がある。
先ほどの若者たちがいて、近くではウェディングドレスの美人の写真を撮っている。
結婚式の記念撮影のようだ。美しいバラに、綺麗な花嫁、気分も華やかになる。
この中をエイボン川がゆったりと流れている。川幅は広くない、数メートルくらいだろう。
とにかく、うっとりするような時間が流れていく。
明るいので時間間隔が狂う。午後6時を過ぎている。今夜の宿探しをしなければ・・・。
市街地図を観ていると、クラウン・プラザ・ホテルが目につく。
オークランドのホテルと同じ名前だ。場所も分かりやすいので、ここと決める。
しばらくして、ホテルに到着、家内が宿泊の可否の確認に行く。宿泊OK。
後で分かったことだが、このホテルはクライストチャーチでも最上級のホテルで、
ホテルの正面は、ビクトリア広場に面しており、場所も街の中心部にある。
このホテルの受付に日本語の話せる女性がいる。
最初は、家内がたどたどしい英語でやり取りしていたらしい。
名前はキャサリン、美人で、とても親切な人、そして本当に綺麗な日本語を話す。
京都で日本語の勉強をしたという。
早速、レストラン(ロブスター料理)の予約をお願いしたが、食事時間が遅くなるという。
そこで、近くのHAY’Sというレストランに予定を変更。
明日のトランツ・アルパインの予約も取ってもらう。
HAY’Sは、ニュージーランド料理のレストラン。
大勢の人で賑わっている。日本人観光客も多そうだ。
コース料理では多すぎるので、前菜やデザートなしの、
ラムステーキとワインだけをオーダーする。
それでも私たちには多すぎるくらいだ。
初めてのラム・ステーキは柔らかくてとても美味しい。
夕食後、ライトアップされたホテルの近傍を散策する。
クライストチャーチは、洗練された綺麗な街である。
明日のトランツ・アルパインを楽しみに床に就く。
本日の走行距離362Km。