うしかい座


アトラスは、ティタンと呼ばれる巨神族の一人で、天を支えるのが仕事でした。ティタンは、ゼウス達の神々と戦争をして負けました。その罰として、アトラスは、天を支えるなんて辛い仕事をしているのです。
アトラスは、気が遠くなるほど長い間、重い天を支えつづけているので、とうに疲れ果てていました。ほとほと嫌になっていたんです。

ある時、英雄ヘラクレスが、エウリステウス王の命令で、ヘスペリデスの園に金をリンゴを取りにいく相談にやってきました。
アトラスは、天を支える仕事をヘラクレスに交代させて、金のリンゴを取りに行きました。そして、金のリンゴを持って帰ってきました。
アトラスは、ヘラクレスに金のリンゴを王の所へ持っていくと言い出しました。ヘラクレスは、天をかついでいる為に肩当てを持ってくるので、一時天をかついでいてくれるように、アトラスに頼みました。
再びアトラスが天をかつぎましたが、ヘラクレスは二度と戻ってきませんでした。

また、ある日、メデゥーサという怪物を倒しに行く勇者ペルセウスが通りかかりました。
メデゥーサは、髪の毛が一本一本蛇で、その顔を見ると、見たものはみんな石になってしまうという怪物でした。
ペルセウスは、その首を取ってくると言うんです。
そこで、アトラスはペルセウスに頼みました。メデゥーサの首を取ってきたら、一目見せてくれと・・・。
無事にメデゥーサを退治したペルセウスは、その首をアトラスに見せてやりました。
アトラスは、ありがとうと感謝を表わしながら、天を支えたまま石になりました。
アトラスは、長い間天を支えた功労をねぎらい、星座にしてもらいました。それが、うしかい座です。名前の牛飼いは、全然関係ありません。



北斗七星のひしゃくの柄のカーブに沿って南に見ていくと、頭上のあたりでオレンジ色に輝くうしかい座のアルクトゥルスがあります。
アルクトゥルスは、うしかい座の又のあたりです。





Minomushi
'99.5.16

MIDI提供
Nobuo Takenaka