おうし座


フェニキア王アゲノールの娘で、エウロペ王女という美しい娘がおりました。
ある日、友達に誘われて、海岸の花畑で花摘みをしていました。
すると、突然、どこからともなく白い牛が現れて、エウロペ王女のそばに歩み寄って行きました。その牛が、体つきがりっぱで、とても美しかったので、エウロペは恐がりもせず、牛のそばに寄って、頭をなでてやりました。
白い牛は、さもうれしそうに体をすり寄せ、背中を低くして、乗って欲しそうにします。エウロペは、ためらいもなく、乗ってしまいました。
エウロペが乗ったとたん、牛は、どうしたことか、海の方に走り出しました。エウロペは、牛を止めようと角にしがみついて叫びましたが、牛は止まらず、そのまま海に入り、沖に向かって泳ぎだしました。

海に入ってしばらくして、エウロペは、牛をしかりつけ、戻るように命令しました。
すると、牛が人間の言葉で話し出したのです。牛は、大神ゼウスの仮の姿であること、ゼウスは、エウロペを見初め、花嫁にするためにさらったことを告げました。
エウロペは、大神ゼウスの花嫁になれることを、喜びました。
やがて、とある島にたどり着きました。牛の姿が消え、かわりにゼウスが現れ、エウロペを抱き上げました。

その島は、ヨーロッパのクレタ島ですが、ヨーロッパというのは、エウロペの名前が由来のなっています。
おうし座は、この出来事を記念して、星座となりました。



おうし座の中心部に、アルバランという赤い一等星があります。
オリオン座の三ツ星を北西に伸ばしていくと、アルバランにあたります。
おうし座は、オリオン座の隣に位置します。






Minomushi
2000.4.9

MIDI提供
Taishirou futsuno