いるか座


海の神ポセイドンが妖精に産ませた息子に、アリオンがいました。
アリオンは、竪琴の名人でした。
アリオンは、シシリアで行われた音楽祭に船で出かけて、出場しました。
そして、各地の代表を次々に打ち負かせて、優勝しました。
アリオンは、優勝の褒美や、そのときできたファンからの贈り物を、たくさんもらいました。
船での帰途で、船の船長は、それらの品々を横取りしようと考えました。
アリオンは、品々は船長に渡すから命は助けてくれるように、船長に頼みました。しかし、船長は聞き入れませんでした。
アリオンは、せめて、この世の別れに、竪琴を弾いて歌を歌わせてくれるように、船長に頼みました。船長は、しぶしぶその頼みを聞きいれてくれました。
アリオンは、船のへさきに立ち、思いを込めて一曲演奏しました。そして、海に自分で身を投じました。
船長は、殺す手間が省けたと思い、そのままそこを離れました。
ところが、アリオンは、彼の歌を聴く為に集まっていたイルカに助けられました。
そして、イルカに乗って、船より先に故郷に戻る事ができました。
船は、アリオンの後に到着して、船長はアリオンが船に乗り遅れたとうそをつきました。
ところが、そこへアリオンが現れて、うそがばれ、船長は死刑になりました。
イルカは、竪琴の名手アリオンを助けた功績を称えて、星座になりました。




まず、わし座のアルタイルという星を見つけます。
アルタイルは、こと座のべガと天の川を挟んで反対側にあります。七夕の牽牛星としても有名ですね。
アルタイルも明るい星なので、夏に真上を見上げれば、わかると思います。
いるか座は、そのアルタイルより、北にちょっと離れた所にあります。
星が五つぐらいで構成された、ちいさな星座です。





Minomushi
'99.8.21

MIDI提供
Nobuo Takenaka