LED回転ディスプレイゲーム 

LEDを高速で回転させ残像現象を利用して映像を表示する装置です。
いわゆるバーサライターと呼ばれるものです。
しかし、ただ映像を表示するだけではなくゲームで遊べます。
一列に並んだ14ドットのLEDを高速で回転させる事で14*256ドットのLEDドットマトリクスを再現します。
それだけの数のLEDを買うとなると一個三円としても一万円以上するので、かなり経済的な製作ではないでしょうか。
簡単に作れて効果的なのでぜひ作ってみて欲しいです。



バーサライタというと大きく分けて棒状のLEDを手で振り回したり、振子のように往復させる反復式と、回転体に取り付けたLEDを回す回転式に分けられます。
どちらもメリットとデメリットがあって、反復式のメリットは電源の供給が簡単で手で振り回す場合はモーターなどが不用で簡単、デメリットは振動が激しい。機械式にした場合、回転式より複雑な構造になってしまうなどです
回転式はその逆ですが、全体的には回転式の方が優れていると思い、回転式を採用しました。


また回転式でも、LEDの並べ方によっても大きく分けて円盤タイプと円筒タイプがあります
これもそれぞれメリットとデメリットがあり、円盤タイプは製作しやすいのですが円状の歪んだ画面になってしまいます
円筒タイプはフラットな画面になりますが裏側は見えない欠点があります。
好きな方を作るといいでしょう。
LEDは5ミリよりも3ミリの小型のものの方が細かいドット表示ができます。
また、クリアタイプより昔ながらのスモークタイプのLEDの方が綺麗な画面なのですが入手しにくいです。


回転部に電源を供給する方法
回転するLED部分に電源を送る必要がありますが、回転体に直接ワイヤーを接続する事はできません。
しかし回転体に電池を搭載するのは重いし経済的ではないので、モーターやパンタグラフのような機械的なブラシ接点で電気を送る事にします

+5VとGNDの二つのブラシ接点が必要になりますが、それぞれの送り方を次に示します。

  マイナス極
モーターのシャフトやボディは鉄でできているため、モーターのボディからシャフトを通じて片方の極(GND又は+5V)を送る事ができます。
 

  プラス極
そしてもう一方の極は押しピン等に銅線を巻きつけて接触させたもので送ります。
(巻きつけは、時計回りに回転する場合は時計回りに巻き、反時計回りに回転する場合は反時計回りに巻きます。そうしないと回転時に銅線を巻き込んで停止してしまう可能性があります。)
この方法が最も簡単に作れると思います。
機械的な接触なのでチャタリングやノイズが発生したり瞬間的に途切れる事がありますので、容量の大きいコンデンサ(470uF以上)で安定化します。
 

 



スタート位置の検出方法

 

画像を表示するためには、まず回転する座標のスタート位置を検出する必要があります。
それによって回転速度も検出できるので、一回転にかかる時間を100分割すれば100ドット
200分割すれば200ドット表示できる訳です。
検出にはフォトトランジスタやフォトインタラプタやCDSなど光センサーを使用します。
磁気センサーやピックアップコイルを使用したり、接点を接触させる方法もあります。
高速回転するため、反応速度の遅いCDSよりもフォトトランジスタの方ができればベターです。
特に、この製作ではボタンの情報も送るので、遅いCDSは使えません。

フォトトランジスタは円の外周に取りつけます。中心よりも外周に行くほど精密に検出できます。

最近になって、ネットで「LEDが光センサーとして利用できる」という事を知り、フォトトランジスタをLED
に置き換えたものも作りました。スタート位置を検出する程度だとでこれでも充分です。
フォトトランジスタよりかなり経済的です。


回転部にキー情報を送る方法

 

単に映像や文字を表示するデモンストレーションなら必要ないのですが、
ゲームの場合キーを押した情報を送る必要があります。
LEDが四つ並んでいますが、一番最初のLEDはスタート位置検出用で常に点灯しています。
そしてその隣の三つのLEDが右移動、左移動、発射スイッチの状態によって
点いたり消えたりします。
それを読み取る事によって回転部がキーを読む事ができます。
LEDは1.5センチくらいの間隔で配置します。 

   このようにLEDを太めの銅針金に取りつければ、曲げる事で微妙な位置合わせが簡単にできます。


CD-Rの利用
書き損じたCD-Rや粗悪なブランド(PRINCO SALOR GIGAストレージ等)で、月日が経ってデータが消えてしまったり
古くて不要になったCD-Rなどを利用すると便利です。
その際、レーベル面を剥がして透明なポリカーボネート盤にした方が使い易いです。
レーベル面にカッターで軽く傷つけて、その上からガムテープを貼って剥がすと簡単に剥がせます。
そこには有毒なシアンなどの薬品が付着してるので洗剤で洗い流して下さい。
DVD-Rはポリカーボネート盤で挟まれているため剥がす事はできません。


重心バランスをとる
かなり高速で回転するため、重心に偏りがあるとバイブレーションのように激しく振動し、回転速度も落ちます。
そこで軽いと思われる個所に重りをくっつけて、重心バランスをとり振動をなくす必要があります。
重り(ナット、ビス、ネジ等)を両面テープで仮止めしてみて、何度も試して、最適な位置を見つけ出してから接着します。
回転中に重りが外れると飛んで危険なので、囲いの中でテストして下さい。
モーターについて
モーターは模型用のマブチモーター以外の、カセットデッキ等に使われているものがいいのですが
入手しやすさではマブチモーターしか選択肢がありません。
模型用マブチモーターは電流が大きいので、12Vくらいの電源からマブチモーターに適切な1.5V位までレギュレーター
で落とすと放熱板がものすごく熱くなってしまいます。

モーターの軸の固定方法

モーターと回転部分(CD-Rなど)の接合方法ですが、
マブチモーターの場合はモーターの軸に半田が付きますので、そのままベタ基盤等に半田付けで固定できますが
ラジカセなどに使用されているモーターの軸は半田が付かない材質のようなので、固定しにくいです。
その場合モーターの軸に銅針金を巻きつけてから半田付けすると、半田の付かない材質でも固定できるようになります。
マブチモーターの場合でもこの方法を使えばより強固に固定できます。


電源について
この装置は5Vで動作しますが、モーターのみ別の電圧が必要になると思います(マブチモーターなら1.5V程度)。
使用するモーターに合わせて用意して下さい。
回路図


回路図
(フォトトランジスタの代わりにLEDを光センサとして使用したタイプ)


実体配線図(円盤型)
LED回転ディスプレイゲーム実体配線図(円盤型)
LED回転ディスプレイゲーム実体配線図(円盤型)(フォトトランジスタの代わりにLEDを光センサとして使用したタイプ)
実体配線図(円筒型)
LED回転ディスプレイゲーム実体配線図(円筒型)
LED回転ディスプレイゲーム実体配線図(円筒型)(フォトトランジスタの代わりにLEDを光センサとして使用したタイプ)

ゲームソフト(ATTINY2313用 HEXファイル+EEPファイル+ASMファイル)
アステロイドベルト         (GAME00.HEX)
侍ゲーム                     (GAME01.HEX)
串刺しゲーム                (GAME02.HEX)
ジャンプゲーム              (GAME03.HEX)
サブマリン                    (GAME04.HEX)
スクランブル                 (GAME05.HEX)
風船割りゲーム             (GAME06.HEX)
フェニックス                  (GAME07.HEX)
アステロイドシューター    (GAME08.HEX)
カーレース                    (GAME09.HEX)
スペースマウス              (GAME10.HEX)
横シューティングゲーム   (GAME11.HEX)
ギャラクシアン               (GAME12.HEX)
パチンコ                       (GAME13.HEX)
デモンストレーションその1(GAME14.HEX)
デモンストレーションその2(GAME15.HEX)
デモンストレーションその3(GAME16.HEX)
動作チェックプログラム    (GAME17.HEX)
上記の全てのゲームをパックしたもの
ATTINY2313に書き込む際 "AVRXS GAME00.HEX GAME00.EEP"などとして.EEPファイルも書き込みます。
また、ヒューズビットの上位バイトには$DB、下位バイトには$E4を書き込みます (AVRXS /fhDB   AVRXS /flE4などとします)

その他の写真    動作時の映像

販売のお知らせ


調子に乗って大量に作り過ぎてしまいました(100台くらいあります)。
もしこんなガラクタでも欲しいという奇特な方がいらっしゃれば、送料込みで一台600円、2台目以降は400円(ほぼ部品代です)でお売りしたいと思いますので、
「LED回転ゲーム販売」という題名で欲しい個数とご住所を記載の上ぜひまでメールをお送り下さい。
邪魔で仕方がないので、どうかもらって下さい。
お願いします!!
詳しくは
こちらをご覧下さい。

2017/6 追記
販売は終了しました。
長年放置してしまったため、メールを下さったにもかかわらず、多くの方にお譲りできない状況になってしまった事を心からお詫びします。
それにもかかわらず、このようなガラクタを買ってくださった方々には心から感謝しております。
本当に、本当にありがとうございました!!
電池で動くように作っていなかったため、電源を同封する破目になったのは失敗だったと思っています。


ここから先は見なくても製作できます


発展型タイプ

CD-Rなどポリカーボネート盤にLEDを一列に並べた場合、3ミリLEDでも14個は窮屈で、5ミリLEDだと8個が限界です。
そこで図のように横に少しずらして2列にすれば余裕を持って配置する事ができます。
3ミリLEDを半分の1.5ミリ間隔で配置できる事になるのでLEDとLEDとの隙間をなくす事ができます。
ただ、この場合表示する際に時間を少し遅らせたりするなど、プログラムを少し工夫する必要があります。 

回路図
LED回転ディスプレイゲーム実体配線図(発展型)
LED回転ディスプレイゲーム実体配線図(発展型)(フォトトランジスタの代わりにLEDを光センサとして使用したタイプ)

発展型タイプ用ゲームソフト(ATTINY2313用 HEXファイル+EEPファイル+ASMファイル)
アステロイドベルト         (GAME00.HEX)
侍ゲーム                     (GAME01.HEX)
串刺しゲーム                (GAME02.HEX)
ジャンプゲーム              (GAME03.HEX)
サブマリン                    (GAME04.HEX)
スクランブル                 (GAME05.HEX)
風船割りゲーム             (GAME06.HEX)
フェニックス                  (GAME07.HEX)
アステロイドシューター    (GAME08.HEX)
カーレース                    (GAME09.HEX)
スペースマウス              (GAME10.HEX)
横シューティングゲーム   (GAME11.HEX)
ギャラクシアン               (GAME12.HEX)
パチンコ                       (GAME13.HEX)
デモンストレーションその1(GAME14.HEX)
デモンストレーションその2(GAME15.HEX)
デモンストレーションその3(GAME16.HEX)
動作チェックプログラム    (GAME17.HEX)
上記の全てのゲームをパックしたもの
ATTINY2313に書き込む際 "AVRXS GAME00.HEX GAME00.EEP"などとして.EEPファイルも書き込みます。
また、ヒューズビットの上位バイトには$DB、下位バイトには$E4を書き込みます (AVRXS /fhDB   AVRXS /flE4などとします) 


旧AT90S1200使用タイプ
古いAT90S1200を使用したタイプもあります。これが一番最初に製作した初代機になります。
回路図
LED回転ディスプレイゲーム回路図(AT90S1200使用タイプ)

ゲームソフト(AT90S1200用 HEXファイル+EEPファイル+ASMファイル)
インベーダーゲーム   (GAME20.HEX)
ブロック崩し             (GAME21.HEX)
カーレース               (GAME22.HEX)
スペースフライ          (GAME23.HEX)
デモンストレーション   (GAME24..HEX)
上記の全てのゲームをパックしたもの


失敗したタイプ


LEDを32個使用した大型タイプも作ってみたのですが、大きくなると予想外の風圧のため高速で回転できずに
かなりちらついてしまうため、断念しました。

その他の資料 


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