バイケイソウ考

その9 2013年の全国的なバイケイソウ一斉開花
     

2013年は私が観察した北海道や箱根でバイケイソウの花成個体がこれまでにないくらい多く見られました。そこで、2013年のバイケイソウの開花状況についてネットで検索してみたところ、北海道開拓記念館の水島未記さんが書かれた「 バイケイソウ、一斉開花の謎」というFacebookの文章を見つけました。オリジナルは北海道新聞に掲載された「みんなでサイエンス」という連載の一編のようで、この文章によると、今年は北海道全体でバイケイソウが一斉開花していたようです。水島さんは「もしかしたら本州でも?」と書かれていますが、本州でのバイケイソウの開花について山や植物好きの方のブログ等の文章や写真を検索して見ると、バイケイソウが分布する各地で開花個体が多く見られたようです。また、コバイケイソウなどの他のシュロソウ属植物も今年は開花個体が多かったようです。よって、今年はバイケイソウが一地域に限らず全国的な規模で一斉開花したと考えられます。もっと地域を広げて「世界的にはどうなのか」ということについては情報不足(検索力不足?)のため判りませんでした。一斉開花や「成り年]といった豊凶を繰り返して起こす植物種は幾つか知られていますが、その原因や要因については様々な説があります。また、植物種によって引き金となっている要因も異なるのではないかと思われます。バイケイソウの花芽形成のスイッチが何時の時点でどのように入るのかは不明ですが、全国的に一斉開花してるので、全国で共通している要因が引き金となっていると考えるのが妥当でしょう。この要因を考えるにあたって、前年の2012年はほぼ全国的に花成個体が少なかったことが1つのヒントになるではないかと思われます。2013年に一斉開花したことと2012年に花性個体が非常に少なかったことは、何らかの関連があるのではないでしょうか。一斉開花をもたらす要因よりも、一斉に花成を抑制する要因が存在し、花成抑制の反動として翌年に一斉開花したのかもしれません。一斉開花の前年や翌年で花成個体数はどう変化するのか、今後も継続して調査していきたいと思います。

Posted 26 March 2014

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