芽の先端は硬く尖っており、上に堆積した落ち葉等を押しのけて成長していきます。
(2003/4/11 箱根)


葉は非常に軟らかいのですが、葉の縁が巻くことで先端を尖らせて丈夫にしています。
(2003/4/18 箱根)


   
昨年開花した株の根元から3つの芽が出ています。このように、開花株の根茎は分枝して1〜3個の娘塊茎(子ラメット)を形成します。
(2005/4/17 箱根)


この3株は同じ親から同時に分枝して形成された子ラメットと思われますが、地上に出現している芽の大きさが異なっています。このような成長量の異なる子ラメットの芽吹きをよく見かけます。
(2010/4/10 箱根)
   
写真の2株は昨年開花した個体ですが、どちらも子ラメットは1つです。この2株は兄弟株かもしれません。
(2009/4/11 箱根)

バイケイソウはしばしばこのような環状(輪状)の集団を形成することがあります。これは地下部のクローン成長によって形成されると考えられます。
(2009/5/4 稚内)
 
   
林床の明るい5月上旬までに葉の展開は完了します。葉は1/3葉序で互生し、上の葉と3枚下の葉が重なります。
(2003/5/9 箱根)

株を上から見たところ。1/3葉序のため上の葉が3枚下の葉を隠してしまいます。光合成的には不利な葉序とも思えます。
(2003/5/9 箱根)
 

   
バイケイソウの葉は縦方向に複数の大きなひだがあり、折れ曲がりにくい構造となっています。葉面を凸凹にすることで様々な角度から光を受け個葉の光合成を有利にしているのかもしれません。
(2008/4/29 箱根)

葉の裏には多数の細かい毛が生えています。葉のおもて面(向軸側)は無毛です。
(2008/4/29 箱根)
 


   
発達中の花序。茎の先端に総状の花序が集まった円錐花序を形成します。
(2004/6/5 箱根)



花序の中でも大きな花枝はさらに分枝します。
(2009/6/1 野幌)


   
 花は花序の基部から先端部に向けて開花していきます。雄花両性花同株で、雌蕊のない花もいくつか見られます。
(2004/7/3 箱根)


花序の側枝。基部(右)側には両性花が、先端部(左)側には雄花がついています。
(2009/7/20 箱根)
   
雄花。花序全体からすると数は少ない。先端部に多いか?
(2003/7/17 箱根)


2つの花芽が癒合して1つと花となった両性花。
(2008/7/6 箱根)



2010年の箱根でのバイケイソウ一斉開花ではこのような小さな個体でも花成しました。この個体は草丈69cm、葉数は9枚です。
(2010/7/10 箱根) 

バイケイソウの花柄は軸に対して直角もしくはやや先端方向を向きますが、さく果は必ず上向きとなります。写真の個体は茎が横に傾いていますが、さく果はすべて上を向いています。
(2010/8/7 箱根)
 
   
登熟中の刮ハ。花序の先端に莢がついていないのは雄花だからでしょうか?
(2004/8/1 箱根)



刮ハを上から見たところ。3室に分かれています。
(2008/8/10 箱根)



   
熟した刮ハは裂開して種子を放出します。
(2004/10/2 箱根)




箱根のバイケイソウでは刮ハの中に10〜40個(平均:24個)の種子がはいっていました。ユリの類に特有の薄くて平たい翼のある種子です。よく見ると無翼の種子もあります。
(2008/9/13 箱根)


   

バイケイソウプロジェクト ホームへ戻る

バイケイソウの形態